A.血糖値の制御が第一

糖尿病悪化、数十メートル

歩くと疲れる

糖尿病が悪化し、両足首の前側の神経がまひして固まりました。数十歩くと疲れます。うまく歩くための治療法はありますか。 (愛知県、70歳、男性)

答える人

出口尚寿特例准教授
鹿児島大病院総合臨床研修センター
(糖尿病・内分泌内科)

糖尿病の神経障害は、網膜症、腎症と 合わせて3大合併症の一つです。 両足の先や裏に、痛みやしびれが左右対称に表れ、次第に感覚が鈍くなります。症状を 自覚しづらく、気づかないうちに悪化しがちです。

体中に張り巡らされている神経線維の 一本一本は、動脈からつながる細い血管を通じて栄養を受けています。細い血管、 細い神経ほど、高血糖による代謝異常の影響を受けやすいという特徴があります。このため、糖尿病の神経障害による症状は足に表れやすいのです。

合併症の起こりやすさは、糖尿病になってからの期間と、血糖値の状態の悪さ に関係します。 肥満や喫煙、飲酒もリスクです。 症状が悪化しないよう、バランスのとれた食事を心がけ、血糖値をコントロールすることが第一です。

神経障害の悪化を食い止める薬はありますが、症状が進行すると効きづらくなります。

相談者のように数十歩くだけで疲れてしまうのは、末梢動脈や腰などに 別の疾患を合併している可能性もあります。
筋肉の損傷を示すCK(クレアチンキナーゼ)の数値が高いとのことですが、 高脂血症治療薬など薬の副作用や、糖尿病患者の方によく見られるこむら返りな どが原因かもしれません。また、他の筋肉の病気を合併しているかもしれません。主治医や神経内科に相談するといいでしょう。
【聞き手・寺町六花】

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