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[創作]現代の一個人の生き様

自分が何か失敗をして、そしたら他人がお前のせいだ!と強く非難する。そうして傷ついた私は、「ごめんなさい、ごめんなさい!」と何度も頭を打ちつけ土下座をする。それを見て他人は「謝れば済むと思ってるのか‼︎」とさらに自分を痛めつける。私は「ごめんなさい!ごめんなさい!」とさらに土下座をする。「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!」とずっと土下座をする。他人はそれをとても気持ちよく思う。「調子に乗るなよ身の程を知れ‼︎もっと恥かけ反省しろ‼︎」と強く思う。他人は私を痛めつける。打ちのめされた私は土下座をし続ける。「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!」私の頭は激しく地面に打ちつく。「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!」私の額からは血が流れ、頭からは骨が見えてくる。そして他人はようやくこのままではまずいと気がついて、これでこいつが死んでしまっては自分が責められると思い「もうやめろ!おい、やめろッ!!」と慌てふためく。しかし私は止まらない。「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!」他人は「もういいから!そんなに謝んなくていいから!」と私をとうとう止めに入った。それでも頭を打ちつけ続ける私を、他人は応援を呼んで数人がかりで止めに入った。ものすごい勢いと力に後押しされる私の体を止めるのに、大人たちは圧倒されながらもなんとかそれを食い止めた。ようやく、他人に支えられて私が顔を上げた時、私の体は誰も打ち勝つことのできないくらいに鍛え上げられていた。

          2022年10月25日 20才筆

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