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③春の嵐〈花曇り〉


「花曇り」は桜が咲く頃に空が曇っている天気のこと。3月下旬から4月上旬に使われるのが一般的だ。

春は移動性高気圧の晴天と低気圧の悪天候との間隔が短いので雲が多い。また日本南岸に前線が停滞することがあり,これも花曇りの原因となっているらしい。

今日のランチは職場近くの公園まで歩いていった。桜が曇り空の下で咲いている。なんだか寂しそうな空だけど、公園には多くの人がお花見をしたり、子どもがお父さんとキャッチボールをして、それぞれが春を楽しんでいた。

あんまり咲いてない(汗)

4月1日、新しい職場へ人事異動となり、新しい生活が始まった。5日も経過するとお昼休みをどう過ごそうか、何を食べようか、そんなことばかり考えている。なんだか平和だ。

願っていた通りの労働条件で働くことができるこの仕事は、仕事内容が特殊で手強いお客様が多いと聞いており、不安でいっぱいではあったが意外にもすぐに慣れて、ストレスを全く感じていない。他社と協力して進める仕事の割に人間関係も良好で、心配はすぐに吹き飛んでいった。

ペアで仕事をしている高齢のおじちゃんは70を過ぎていてもとても元気。名前はまだない…というか、検討中。もう少し考えてみることにする。毎日御家族の面白いエピソードを話してくれる。ガハハ、ガハハと豪快に笑う人だ。そっか、ガハハって名前でもいいかな。

ガハハは、生い立ちやら家族の話をたくさん話をしてくれる。善人に見えるがなにかと計算高い。私がこれから20年働くと退職金がいくらいくらになる、と教えてくれる。お客様からも人気で、バリバリ働く。そして、帰りはサッと帰る。定時よりもフライングぎみで毎日新妻が自宅で待っているかのような勢いで立ち去っていく。昨日は日中仕事が忙しかったせいか、繁忙の時間が過ぎると達成感そのままに勢いづいて、1時間ほど時間を間違えて定時より早く帰り支度を始めた。

「あれ?今日早退ですか?」
私がそう声をかけると、ガハハはびっくりして時計をみた。
「あちゃー、1時間、間違えてたよ」

お茶目なガハハ。これから先、どんな面白エピソードが生まれるか、楽しみである。

駅前はこんな感じ。田舎のお話ですwww

ガハハ以外にも、たくさんの人と協力して働いている。これから順々に紹介するが、皆キャラが濃くて紹介するのが楽しみだ。
乞うご期待!


(この小説はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません・笑)


新しい生活になっても私の気持ちが穏やかなのは、彼と子のお陰だ。

彼は初出勤前日から心配してくれていて、いつもより頻繁にLINEで声をかけてくれる。照れ屋さんなので、相変わらずポーカーフェイスではあるが、新しい環境に心配してくれている様子が窺える。夜に度々電話もしてくれて、あの理知的なsexy voiceを聴くととってもウキウキドキドキするし、心が落ち着く。見守ってもらえている感じがたまらない。

子は自分で早起きする練習をしている。愛用の目覚まし時計が毎朝鳴る。LINEスタンプで「お疲れ様」とスタンプを送ってくれる。最近、子の自律心がメキメキと芽生えてきて頼もしい。母はこれからしっかり稼ぐぞ。

心配していた新年度スタートは幸先よく、花冷えでも花曇りでも、私の心は晴れやか。人生で1番幸せだと思いながら、帰途の満員電車に乗り込んだ。

今日はゆっくり過ごそう

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