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君たち若者の将来の年金を狙っている人々に気をつけろ!彼らのやろうとしていることは資産運用の悪いお手本だ

年金積立金管理運用独立行政法人という機関がある。Government(政府)Pension(年金)Investment(投資)Fund(ファンド・基金)の頭文字を取ってGPIFと呼ばれている。

GPIFは日本国民が積み立てている年金の一部を資本市場で運用する。その目的は少子化の進む中での将来の年金の財源確保だ

そしてこの機関は長期的に積立金の実質的な運用利回り1.7%を最低限のリスクで確保することを目標としている。

同様の機関は海外にもあって、規模の大きいのはカナダ、ノルウェー、米国のカリフォルニア州などが有名だが、その中でも最大で世界最大の機関投資家として知られる。

そしてGPIFの直近の運用実績は以下の通り。目標を大きく上回っている素晴らしい成績だ。コロナの影響で想定以上に少子化が進む中で君たち将来の給付世代にとっては朗報だ。

GPIF HPより抜粋

しかしGPIFが増やしてくれた君たちの年金を狙っている人々がいるのだ。

以下は報道された記事の抜粋だ。少し長いが読んで欲しい。

3月18日、参院予算委員会で共産党の倉林明子氏は、GPIFの2001年以降の累積収益額が132兆円になり中期目標で定めた1.7%に対し、実際は3.99%と大きく上回っているとしこう訴えた。 「36兆円上振れしている。今後の人口減少を踏まえれば、積立金の計画的な取り崩しは可能だと思う。少なくとも計画を上回った収益を、速やかに年金受給者に還元すべき」  

これに対し、岸田首相は 「運用収益の増加は長期的な年金財政の見通しのなかで、将来の受給者の給付水準の改善に資するものだ。足元における運用収益の上振れ分は将来世代の給付水準の改善につなげるのが適当」  倉林氏は、「いまの物価高に負けない所得ということからいえば、高齢者・年金者を置き去りにしない具体的な手立てがいる。それで提案していることを受け止めてもらいたい」と訴えた。

2024/3/9 週刊SmartFLASH記事より引用

君はどちらが正しいか判断できるか?

GPIFは平均1.7%を目標としているので、これを上回る年もあれば下回る年も含めた平均で目標を実現する。それなのに上回る年の利益を吐き出せば目標達成は危うくなるのは素人でも分かる話だ。

自分は政治に関しては肩入れしている政党はなく右でも左でもないが、投資家としてこの件は増税メガネなどと揶揄されている岸田首相が正しいと思う(なお、自国の首相を容姿に関する品のない蔑称で報道するマスコミを軽蔑している)

ちなみに彼らはGPIFが四半期決算でマイナスになったり、保有資産の一部でも毀損すると鬼の首を取ったように批判する。しかし想定以上の収益を出すとそれを狙って自分たちの支持層である「生活弱者」の高齢者にバラまいて自分たちの功績としようとする。

自分達は汗をかかないで相手が失敗すれば批判し、成功すれば成果を狙う。

社会に出て働き始めると分かるが、この手の人々は意外と多い。よく覚えておいて注意して付き合う必要がある人たちだ。

投資をしていれば当たり前に分かる事であるが、全ての資本市場は値段がつけられ日々変動している。株価しかり金や石油、不動産・・普段あまり意識していない通貨までもがそうだ。

そして値上がりした資産は想定よりパフォーマンスが悪い年の分をカバーする。それなのに都度売却して利益を散財していれば資産は一向に増えない。コツコツ積み立てた資産の利益部分は複利として資産の増加を加速させるのに、それを使ってしまったらリターンは下がるのだ。

個人投資家でもこのような短期売買を繰り返して失敗する人は多いので事例として覚えておくとよい。

お手本はGPIFのような運用なのだ。

それにしても上記の発言をするような人々は恥ずかしくないのだろうか?

ただでさえ国の借り入れである国債残高は先進国で突出し将来世代へ債務を先送りしている。そして多くの若者が将来不安から子供を作ることをためらっているのが現状だ。

この上、将来の若者の年金にまで手を付けようというのは自分の子供や孫のことはどうでも良いということなのだろうか。

自分は息子である君や孫世代のお金に手をつけるようなことは絶対にしたくない。なのでGPIFを見倣ってこれからも投資を続けていくつもりだ。

※掲載する情報は投資勧誘を目的としたものではありません。株式などの金融商品や不動産の取引は損失を出す恐れがあります。

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