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株価が史上最高値を更新しても庶民が好景気を実感できないのには理由があるし、メディアが説明しないのも理由がある

株高なのに好景気を実感できないのにはちゃんと理由がある。そしてテレビのニュースでは説明しないワケを話そう。

昨年秋から日本の株価は大きく上昇している。一緒に観ていたニュースで30年間超えられなかった最高値を更新したという報道は記憶に新しい。

こういった株価のニュースを流すときにセットで流される映像があるのに気づいているだろうか。

それは街角で通行人にインタビューをする映像だ。

その映像の通行人はいかにも「一般庶民」といった善良そうな風体の方々が映り、決してカネまわりがよさそうなイケイケな人種が映ることはない。
そういった方々がカメラの前を通ってもスタッフはスルーする。

インタビューに答える人の回答は判で押したように同じ言葉だ。

「株価が上がっても景気の良さは実感できません」「生活は苦しいままです」

なぜ彼ら、あるいは我々一般庶民は株価が上昇しても景気の良さを実感できないのだろうか?

その時々の経済状況により原因は複数あるものだが、基本的に株価は景気の先行指数だからだ。わかりやすく言えば、景気が良くなる前に株価は上昇することが多いのだ。

内閣府も景気動向の先行指数に採用している(先行指標は他にもある)

基本的に株価が上昇するのは企業の業績が良いこと、そして今後の業績予想が良いことが条件となる。なぜなら業績は過去の発表なので予想が良いことが重要になるからだ。

その発表を聞いた投資家は株を購入するので株価が上昇するというのがオーソドックスな流れになる。

購入するのはネットや電話なのでタイムラグはほとんどなく、株価はすぐに上昇していく。一方で企業業績が良くても、実際に儲けたお金が従業員や取引先に配分されるにはタイムラグが発生する。

通常正社員の賃金改定は年1回で賞与は年2回だ。また年金受給者の年金額を決めるタイミングも年1回だったはずだ。取引先への発注や価格の改定も企業が予算を組んで相手と契約を結んで・・・と手順を踏む。

そのため多くの人は株価が上昇してから半年から1年程度遅れてようやく実感できることになる。(もちろん、実感できない状況の人々も存在スル)

こういったことは知識として知っていなくても、社会に出て働いていて論理的に考えればすぐに分かることだ(君たち学生は分からないかもしれない)

では、なぜテレビは相も変わらず毎回同じような街角インタビューの映像を流し続けるのだろうか?答えは簡単だ。

それは視聴者のウケが良いから

日本の多くの視聴者は株などもっていないし、お金に余裕のある富裕層ではない。彼らは映像で「株価が上昇しても喜ぶのはお金持ちの資本家で一般庶民はちっとも豊かになれないじゃないか、そしてそれは自分だけじゃなかったんだ」という安心感と不満を共有し政府や企業を批判し満足する。

多くの一般庶民で構成される視聴者は深く考えることはナイし、株価と実態経済の関係など面倒なので知りたくナイのだ。

そしてテレビをはじめとしたメディアは観てもらって、読んでもらって、クリックしてもらうことが重要なのだ。

真実はあまり重要ではナイ、重要なのは視聴率やPV数だ

とくにテレビは映像として事実は映すが、それは真実を映すとは限らないことを覚えておいて欲しい。

自分は過去2度ほど街頭インタビューを受けたことがある。

メディアがどういうものか分かっていたし、自分の映像を流して欲しかったので彼らの欲しがっているであろう回答とリアクションをした。

結果、見事に2回とも放映してもらうことに成功シタ(そして2回とも見逃して親や友人知人に言われて知った・・当時は仕事が忙しくテレビなど見るヒマがなかったのだ)なお、うち1回は公共放送の全国ニュースだ。

このように自分が意図したとおり放映されるのであれば問題ない。しかし、よく分からずテレビに映るからといって無防備な状態で街頭インタビューに回答してはいけない。

そうでないと以下の少年のような目にあう可能性がある。

メディアというのは視聴率のためなら未成年でも容赦なく利用する。それによってその人の人生がどうなろうが知ったことではないのだ。

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