【エッセイ?】三日坊主の分水嶺
夏が終わり秋に差し掛かる時分。爽やかな風が吹き、眼前の山々からは気持ちよさそうな鳥の鳴き声が聞こえてくる。
心地の良い初秋。忠義の厚い部下と共に川のほとりに陣をとる。字面だけ見ればピクニックとも思える気持ちの良い日ではあるが、彼らを見て楽しそうと思うものはいないだろう。
理由は明白である。重々しい甲冑を身にまとい、張り詰めた弓のような緊張感で向かいの山際を見つめる。その顔はこれから戦に向かう武士の顔だった。彼らが見つめる先から敵が現れ、合戦が始まるだろうことは誰の目にも明