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【自作紹介】バッドエンドを拗らせる日々。恋愛小説三部作の頃。

 こんにちは、木立花音です。

 好きな花は秋桜です。

 読めましたか?

 好きな食べ物は、ラーメンです。

 何味が好きですか? 私は煮干し醤油です。

 好きな超人は、テリーマンです。

 よろしければコメント欄に、好きな超人をお願いします。 (冗談ですよ?)

 さて。たどたどしくファンタジー小説を書き始めた私。ある日唐突にこう思います。

「やっぱり、良い作品を書く為には、良い作品を読まなくちゃ!」

 まあ、当然の話ですね。インプットはとても大事。個人的に、インプット3に対してアウトプット1が最適解だと思っています。
 根拠? 安心してください。ありませんよ?
 とはいえ、この段階ではほとんど小説を読んだ経験がなく、それこそ「ロードス島伝説」と「フォーチュンクエスト」と「ストライクウィッチーズ」ぐらいなもんでした。深沢美潮先生、完結おめでとうございます! 残念ながら最近のは読んでいないんですけど! (ごめんなさい) なんだか年齢バレそうなタイトルばかりですけど!

 そんなわけで、何を読んでいいかわかりません。そこで、嫁の愛読書を拝借することにしたのです。
 彼女、意外にも読書家であり、だいたい一ヵ月に一冊のペースで文庫本を読みます。おかげで本棚がきつきつになってます。その中から表紙が綺麗なものを発掘して、二冊ほど読んでみました。

 一冊目。
『君は月夜に光り輝く』
 著:佐野徹夜(さのてつや)さん。

 今となっては有名過ぎる恋愛小説。文体に独特のリズム感のある作者さんで好みがわかれそうだなーと思うのですが私は結構好きです。
 Twitterでの作者様の呟きが病み気味なのはちょっと気になります(笑)

 二冊目。
『君の嘘と、優しい死神』
 著:青谷真未(あおやまみ)さん。

 見事なまでの描写力。ちょっと他で見れないような文字の選択と連なり。感嘆の溜め息が漏れでるほどの比喩表現。文章力においては、私が知っている作家さんの中では、一~二を争うほどの実力者だと思ってます。気になった方は是非。

 こうして、恋愛小説っていいなあ! とすっかり虜になった私は、自分でも読みたい作品を探し出して追加で一冊読みました。そんで出会ったのが、

『恋する寄生虫』
 著:三秋縋(みあきすがる)さん。

 これはもう前出の二作を余裕で超えていくスペック。まさに運命の出会い。
 重厚な地の文で書かれる三人称。巧みに張られた伏線と、中盤以降に大きく動く構成巧みな物語(ストーリー)。一瞬にしてファンになってしまうのでした。
 何はともあれ、恋愛系文学を三作品立て続けに読んだ結果、なんだか妙なスイッチが入ります。

①恋愛小説は最高だ! 書かなくちゃ! ← わかる。
②バッドエンドは最高だ! ← ?
③ヒロインは死ななくてはならない! ← !??

 ネタバレになるので詳しくは書けませんが、ことごとくバッドエンドだった三作品の影響を受けすぎです。
 そして、時期を同じくして発生したのが、「どうせ書くなら誰かに読まれたい」という欲求。

 しかし、だがしかし。
 この段階でも私は、小説投稿サイトの存在をよくわかってませんでした(ガチ)……なんか色々ダメすぎる気もしてきたけど事実なのです。

 こうして投稿場所に選んだのが、アメーバブログだったのです。ブログでいい、と思っていたんです。
 ん~……まあ──ハッキリ言って、そこそこ読まれてたしぽつぽつとフォロワーも付きました。けど、フォロワーは宣伝用のアカウントが多いし、感想は一件ももらえませんでした。 これが間もなく小説投稿サイトに移行していく切っ掛けとなるんです──。

 ……というわけで、ここから三作品連続で手掛けた恋愛小説の紹介です。

①作品名
②ジャンル
③文字数。改稿による変遷を含めて
④初稿を書き始めた時期
⑤投稿サイト ※ 2023年七月現在の投稿場所です。当時の話とは異なります。
⑥あらすじ、簡単な紹介など

 の、順で情報を以下に羅列していきます。


バレンタイン・デイ(ズ)

①Valentineday (s) → バレンタイン・デイ(ズ)
②恋愛
③55000 → 96291
④2018年十一月
⑤アルファポリス、小説家になろう、ノベルアッププラス、エブリスタ
⑥……吹奏楽部に所属している高校生、楠恭子(くすのききょうこ)は、入学式の日に一目ぼれした福浦晃(ふくうらあきら)に告白できないままでいた。しかし、高三の春にクラス替えで晃と一緒になると、次第に彼との距離も近づく。病気療養で長期欠席していた晃の友人、立花玲(たちばなれい)が復学してくると、三人のトライアングルは微妙な距離感を保ちながらも月日は流れていく。
 そして、遂にバレンタインデーに告白を決意した、恭子の結末は? 決戦の日は、バレンタインデイ ズ。

 恋愛文芸としての処女作品なのですが、執筆当時は初っ端から盛大に躓きました。

 各話のタイトルってどうやってつけるの?
 ⇒ まあ、日付と単語の組み合わせでいいか。

 日付入れたんだし、日記を回想してる感じにしようかな?
 ⇒ 文末に時々回想っぽい文章入れとけばそう見えるかな (適当)

 起承転結で言うところの、転結はしっかり決めてから書き始めたものの、冒頭から中盤までで大苦戦。何度も何度も改稿を重ね、結局投げ捨てて別の話に差し替えたりとかこねくり回してなんとか完結。
 初期稿での結末は、色んな喪失を経て気持ちが擦れ違ったままの卒業エンド。現在の最終話が無い状態でした。有り体に言ってバッドエンド。

 そりゃあね? バッドエンドに酔いしれてる時期ですしね? ずっと渡良瀬(わたらせ)まみずロストでしたしね?
 とは言え、自分でも、「この終わり方は、ちょっとしんどい」という認識はあり、数か月後に『ValentineDay (s)~アフターストーリー~』という本編の二年後を舞台にした続編を書きました。
 これは、三話構成の短編ながら非常に完成度が高くなり、後々、本編と合体させて全面改稿。現在の姿「バレンタイン・デイ(ズ)」に生まれ変わったのです。

その花は、夜にこそ咲き、強く香る

①その花は、夜にこそ咲き、強く香る。
②恋愛
③49000 → 122072
④2018年十二月
⑤アルファポリス、小説家になろう、ノベルアッププラス、エブリスタ、カクヨム
⑥……宮崎県日南市の小学校に通う早坂翔(はやさかしょう)。ある日彼のクラスに、水瀬茉莉(みなせまつり)という美少女が転校してくる。
 しかし彼女、容姿端麗な外見ではあるものの表情がなく、必要に迫られなければまったく喋らない妙な女の子だった。中学に入っても変わらない水瀬だったが、美術部に所属していた彼女がクラスアートの実行委員に推薦されると、メンバーとして翔を指名する。こうして水瀬と共にクラスアートを手掛けることになった翔は、ある日彼女が不登校に陥ったのを切っ掛けに、彼女の過去と無口になった経緯に触れていく……。

 二作品目。前作、ValentineDay (s)で感じていた文章の粗を見直しながら書いた本作は、この段階では非常に満足のいく仕上がりとなりました。

 大事な事なのでもう一度。「この段階では」

 実はここまでの作品全てが女性主人公。初めて男性目線での一人称小説です。
 それゆえか。無口ヒロインを可愛く書きたいという衝動が溢れそうで溢れ出して臨界点。欲望を目いっぱい詰め込んだ、美少女設定をヒロインに与えました。
 匂蕃茉莉(においばんまつり)という夜に芳香を強める花。油絵の描き方やら道具。諸々を調べて苦心しながら書いたのも、今となっては良い思い出。
 また、この時期に書いた作品にしては珍しく、綺麗なハッピーエンドでした。

 注1 文章力が稚拙ながら構成はよくできていたため随分長いこと放置していた本作ですが、現在は大きくリメイクされています。
 病の設定の追加。主人公とヒロインの設定の変更。後半部分の加筆、等々を行い、文字数は三倍にもなりました。ここまでくると、リメイクと呼んでいいかどうかが怪しいレベル。

運命のヒト

①運命のヒト
②恋愛
③77000
④2018年十二月
⑤アルファポリス
⑥……日頃怠惰な生活を繰り返していた高校生、高畠智也(たかはたともや)。彼は昔の夢をよく見ていた。それは、二年前に絞殺され亡くなった、仮初めの恋人、藤堂栞(とうどうしおり)と過ごした最後の日の夢。
 そんなある日、藤堂栞と瓜二つな外見を持つ少女、柚木栞(ゆずきしおり)が転校生としてやってくる。彼女は智也に、「運命の人とまた会えるといいね」と告げた。
 それはかつて、藤堂栞がよく口にしたフレーズ。不審に思う中翌日。智也は自分が二年前の七月にタイムリープしている事実に気がつく……。

 ここまで飛び道具なしの現代恋愛ばかり書いてきたため、「タイムリープ」という要素を扱ってみたくて書いた作品──であると同時に、「僕と彼女の、繰り返される夏」の改稿前タイトルです。
 現在の改稿後タイトルと比べると、四章まではおおよそ同じ展開なのですが、 (もちろん追加シーンもだいぶ有ります)その後がまったくの別物でした。

 改稿前の結末だけをあらすじにすると、藤堂栞の残したメッセージを確認して目が覚めると、元の世界に戻っていた智也。傷心を抱えたまま登校して久々に柚木と再会すると、彼女の中に藤堂栞が (魂を共有する感じで)転生していた。

 うん、酷い。

 これでハッピーエンドなのかと問われると、もうね。当時から不満の残る結末でした。どうして彼はタイムリープしたのか? という謎もおざなりにしてましたしね。正直、全体のプロットに甘さがあったとしか言いようがない。
 なので、バッサリと削除して生まれ変わることになりました。
 こうして生まれ変わった「僕と彼女の、繰り返される夏」がBookbaseさん主催の第2回小説下剋上コンテストで入選に至り、電子書籍化される運びとなりました。
 そういった意味では、これがもっとも成功したリメイク作品なのかもしれません。

 せっかくなので宣伝 ↓ 購入&詳細 ↓

『僕と彼女の、繰り返される夏』――もう一度君に恋をする 
 

https://bookbase.jp/books/378

https://bookbase.jp/books/378


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