娘ちゃんの進路について、ヤキモキした話 (養育費&ドイツの進学・就職事情) その2

まさか、その2があるなんて…。

先週末に、娘ちゃんの高校で卒業証書授与式がありました。
コロナの影響で盛大なパーティはなく、学校のホールで全員マスク着用、保護者席も1列ずつは空けて他家族との間も座席を開けるというシステムで開催されました。

遂に高校卒業まできたか、と私も感無量。
両親が離婚し、父親とは離れて暮らし、外国人の継母がいるという環境にあってもいつも前向きで、優しく育ってくれた娘ちゃん。

卒業おめでとう。

夫はまた私とは違う感情が溢れるのでしょう、言葉少なめでした。

ホールに入る為に並んでいたら娘ちゃんのクラスメイトの女の子が通りかかり、夫も顔見知りなのでお祝いを告げ、「これからどうするの?」と尋ねた時です。
彼女はこれから1年弱かけて、演劇の化粧の仕方や衣装の作り方などを学ぶコースに申し込んだのだと言います。そして続けて、「多分(娘ちゃんの名前)も一緒に。」と言うのです。
夫は「え?!」と驚いていました。
私達が聞いていた娘ちゃんの進路は、この秋からの大学進学です。演劇の話は一言も聞いていませんでした。

式も終わり、子供達と街へアイスを食べに出た時に夫が娘ちゃんに改めてこれからどうするのかと聞きました。
すると、娘ちゃんは「演劇のコースに申し込んだから、返事待ち。」と言うのです。夫がどういったコースなのか、働きながら学ぶようなコースなのかと聞いたら、むしろ、お金を払うのだと言います。
娘ちゃんは「でも大丈夫。コース参加には初めに材料費で10万円ほど必要だけど、免許用に貯めていたお金で払うから。」と言います。そこで夫が「でもその1年弱の間、生活費はどうするの?」と聞くと、「パパとママからの養育費があるから。」と言うのです!
大学へは演劇のコース後に行こうと思う、と言います。
夫も私も驚きました。
養育費をあてにしているのに、事前に一言も相談がないという事は、当たり前にその間もずっと養育費がもらえると思っているという事です。
前回、娘ちゃんが大学へ行く前に1年休憩したいと言いだした時に、夫から「自分の趣味や興味のための時間なら経済的部分も自分で責任を持つように…」と話をしたはずでした。
伝わっていません。
夫が少し焦って、「養育費は、大学へ行ったり、大学じゃなくても将来の職業につく為に学びに行く期間を支える為に払うのであって、娘ちゃんの趣味や娯楽の期間中にまで払うつもりのものではないんだよ。」と話し始めましたが、どうもオブラートに包みやんわり伝えようとしているので、私が「いや、もうここは腹を割って話した方がいい。私達はあなたへの養育費は後3年(ドイツの大学は普通に通えば3年。高校にあたる期間に卒業と大学入学資格習得の為の1年が日本より多くあり、現時点で娘ちゃんは日本でいうと大学1年生の歳です。)と思っているよ。」と伝えました。

私達にも、養育費の支払いが終われば私達夫婦の将来の為にやりたい事があります。その為には夫は転職することになるような将来の夢です。
私達の想いについても話をすると、娘ちゃんは「自分のためにパパや萌がやりたい事を我慢はしなくていい。やりたいならもっと早くにチャレンジしてみてくれたっていい。」と言ってくれたのです。怒るでもなく、そう言ってくれる気持ちは嬉しいのですが、そうすると、今払っている額の養育費を払い続けられるかどうかの保証がなくなるのだと、本当に分かっているのでしょうか。

養育費は、夫が一生懸命働いて、私もその夫を支えながらやっと支払っているものです。
大学へ行きたいというのならその3年間は娘ちゃんが不安なく通えるように養育費を払いたい、と思っているのが私達の想いなのです。

娘ちゃんに何かやりたい事がある事は、いい事だと思います。それを諦めろと言うつもりはありません。ただ、「私のやりたい事をやるんだ、養育費があるから!」という考えはして欲しくないのです。
演劇のコースを本当にやりたいのなら、後3年間のつもりの養育費は娘ちゃんの好きに使ってくれたらいい。コースに参加し、その後大学へ行き、はみ出る年数は自分で奨学金を申し込むなり、バイトしてお金を貯めて工面するでもいいし、先ずは大学へ行きながらお金を貯めて、演劇のコースを大学卒業後に行く事だって出来るはずです。
それに、演劇のコースによっては費用を支払って学ぶものではなく、演劇関係で働き収入を得ながら同時に学ぶコースもあると思うのです。やりたい事があるのなら、そろそろ経済的な自立に向けても心積もりしていって欲しい、お金とのバランスも考えてチャレンジして欲しいのです。そのつもりでやってみて、上手くいかなかったらその時には相談してくれたらいい。

自分で生活費も参加費用も賄ってでも受けたいコースなのか、それとも、生活費は両親が保証してくれるから受けたいコースなのでしょうか。

話し合いでは、どうするのかはうやむやに終わりました。
私は家に帰ってから、以前に娘ちゃんに送ろうと思って書いたメールを再度書き直して、継母の立場でどのように養育費の心積もりをしていたか、私も私の人生をそろそろ夫と築いていきたいこと、でも勿論子供達の助けにはなりたいと思っている事などを書いて送りました。
返事は今のところありません。
心労ではありますが、娘ちゃんも進路に迷っている時期なのだろうと思います。
大学ではジャーナリズムを学びジャーナリストになりたいと言いますが、以前は演劇の道に行きたいと言っていましたから。

もしも娘ちゃんのお友達がお金の心配なくやりたい事を選択していたら、娘ちゃんは私だけ…と思うかも知れません。両親が離婚したからだ!とか、萌だってパパに子供がいるってわかってて再婚したのに!などの反発も、心の何処かにあるのかも知れません。
怒りとか、どうしようもない苛立ちとか、そういったものもあるのなら出してくれて構わないのです。それでも話し合える信頼関係は出来ていると思っています。

ドイツの法律では、子供の大学卒業が遅れた場合、在籍中は最長25歳まで養育費の支払い義務があります。(将来に繋がる学業や職業訓練以外の期間、例えば、この娘ちゃんの演劇コース期間にも支払い義務があるのかは調べてみないとわかりません。)
娘ちゃんが訴えれば、私達は養育費を払わなければいけません。
そうならずともお互いに話し合い、お互いの将来を想い合って答えを探していけるといいと思っています。

今回娘ちゃんに、「私達はあなたへの養育費は後3年だと思っている」とはっきりと伝えられた事は良かったと思います。その後の事は知らないよと言うのではなく、勿論何かあれば相談してくれたらいい、とも伝えてあります。

さてどうなることやら…。娘ちゃんにとっては人生の大きな分かれ道。良き道に出会えますように。


2020年7月8日


ありがとうございます。励みになります。 頑張って更新しますね。夫と美味しいものを食べたいな。