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新動画ロゴから考えるネットフリックスのコンテンツ戦略

ネットフリックスの新しい動画ロゴが発表された。

「ドドン」という音そのものは前のままで、映像部分は黒バックで『2001年宇宙の旅』のスターゲイトを彷彿とさせる動きが加わっている。

ちなみに、これまでのネットフリックスの動画ロゴは、下の通り。

白バックにドドンという音でネットフリックスのロゴを出すというシンプルなロゴから、黒バックに変更を加えたのはなぜか。

邪推だけれど、

映画戦略を意識してのことではないか?

という気がしてならない。

映画館で流しても違和感がないように、動画ロゴを作り変えたという解釈だ。映画館で白バックのロゴが流れることを想像してみると、劇場が一気に明るくなってしまって映像の世界に入り込みにくくなることを懸念しての仕様変更ではないだろうか。

現に、2年前に『オクジャ』の日本試写で映画館で見たときに、冒頭少しまぶしい印象があったことは覚えている。

とはいえ、ネットフリックスと映画館というと、これだけで新書が書けてしまうくらいに複雑なテーマであるので、果たしてどうなるかはわからないが、今年の『ROMA』のアカデミー賞キャンペーンを観るにつけ、映画館での興行の価値は社内でも熱く議論されているであろうことが想像される。

没入感を与える仕掛けで工夫を感じるいっぽうで、音はそのまま、というところに多少詰めの甘さを感じてしまう。映像と音の相性に関してもう少し丁寧に検討されてもよかったのではないかというのが、唯一の心残りだ。

映画の世界に身をおく者にとっては、もはやインフラのような存在となったネットフリックス。そんな同社の将来への展望が、今回の動画ロゴ変更で垣間見えたような気がする。引き続き、動向には目が離せない。

(三谷)

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