You're going to reap just what you sow

映画「PERFECT DAYS」を観た。
スカイツリーのすぐ近く、下町に住む
公衆トイレの掃除のしごとをしている
年配の男性の日常の映画だ。

朝起きて、さっと布団を畳んで観葉植物に水をやり
住んでいるアパート前の、飲み物の種類が5種類くらいしかない
自動販売機でコーヒーを買い、車に乗って仕事に出かける。

スカイツリーから東京タワー方面へ、朝日がのぼる中
車はぐんぐん進んでいく。

主人公の男性がどんな過去があり、どんな考え方を持っているか
全くわからない。
本を読むが、本の感想を語るシーンも出てこない。

ただただ男性の日常が流れる。
だんだん男性の人生を覗いているような気がしてくる。
不思議なことに表情やちょっとした動作、持ち物や選ぶ本、音楽で
この男性がどんな人なのかわかったような気になってくる。

最後にNina Simone の「Feeling Good」が流れる。
男性が朝日を浴びながら、なんともいえない表情をしている。
男性は何も言わない。
でも覗いて観てきた者たちはわかる気がする。
その表情のわけを。

改めて映画って、役者さんてすごいなと思った。
何も言葉にはしないけど、映像と演技で伝わってくる。
いろんなところで言われているけど音楽もとてもよかった。

人はみな、何も語らずとも人生がにじみ出ているものなのだろう。
ちょっとした視線や持ち物、しぐさもすべてわたしだけのもの。

タイトルはlou reed 「perfect day」より。










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