見出し画像

20万人に1人の原田病を発症して

2024年2月に原因不明の自己免疫疾患、原田病を発症して約3週間が経ちました。
いきなり視界が大きく歪み、字が読めなくなったあの日から、あっという間に3週間。
まだまだステロイドの服薬による治療は続きますが。

謎の病気が自分の身に降りかかってきて、色々と思ったことや考えたことを、改めてまとめてみようかなと思います。

健康に気をつけていたのに

2023年の3月に5年ほど勤めていた職場を退職し、4月から福祉系通信大学生になりました。
通信大学なので、正社員もしくはフルタイムで働きながらでも学べるけど、
絶対に2年で卒業したいのと、絶対に卒業と同時に社会福祉士の資格を取得したいという気持ちがあり、自分の人生経験から考えたキャパと体力を鑑みて、仕事は辞めました。
実家に住まわせてもらい、勉強とアルバイトに集中するという、いわゆる現役大学生に近いスタイル。
学生時代にストレスで倒れ救急車で運ばれたことや、20代のうちに2回も入院を経験していることから、「無理をしない!」ということが、今後の人生のテーマになっていました。
なので、20代後半で、一般的にはまだまだ無理の効く年齢であるにも関わらず、経済面や、勉強、キャリアよりも、健康を一番気遣って生活していました。

な、の、に!
なのに、謎の病気にかかった!なんで!悔しい!
アルバイトだったので、休んだ分の給与がないというのが大きな痛手。
現役大学生と同じような生活をしていると言っても、
結婚を前提とした恋人がいるし、実家も決して裕福ではありません。
少しでも収入が減るのはすごく困りました。
(保険入ってればよかったんですよね。残念なことに医療保険しか入っていませんでした…)

原田病は自己免疫疾患です。
自己免疫疾患は、今のところ、その原因は不明です。
人生で一番、ストレスや疲れに気をつけて生活していたタイミングにどうして。と思うけど…
原因は分からないのです。

とりあえず、視力が戻ってきてよかった

収入が3週間分減ってしまったことは痛手でした。
ですが、迅速に治療していただいたこともあり、現在はゆがみはほとんどなくなりました。矯正視力は0.9まで戻り、生活はほとんど支障がありません。
夜道の運転や、小さな文字を見るのが少ししんどいのと、薄い色(ニュアンスカラーのような)の認識の精度が少し下がったような感じが残る程度です。
そのせいか、アイメイクがやりにくくなったのが少し困るけど…

はじめに行った町医者で誤診されて、3日目に駆け込んだ大学病院で、緊急入院させてもらい、ベッドに横になるやすぐに ステロイドパルス療法をしていただきました。
翌日には歪みがある程度わかるほどには改善していたと思います。
朝起きたら、突然視界がおかしいという、とても怖い病気ですが、3週間でここまで視力が戻ったのは本当に良かったと思います。担当してくれた先生、本当にありがとうございます。医療の全てに感謝しかありません。

視力が悪いという障壁

朝起きて視界が歪んでいることに気がついた日から、
この視界異常が治らなかったらどうしようと不安な日々でした。
原田病は、適切に治療がなされれば、ほとんどの人の視力が戻ると担当医から説明を受けましたが、そもそもこの病気自体、珍しいものです。
そんな病気を発症している身からすると、「ほとんどの人が治る」と言われても、
自分がその「ほとんど」に該当しないこともありえるんだよね…と、不安で仕方ありませんでした。
このまま視力が悪かったら、以前と同じような生活はできないと感じていました。
視界が歪んでいる上に、視力は近視だけでなく遠視も悪くなっていたので、入院当初はパソコンや本の文字を読むことができませんでした。
iPhoneの字を最大まで大きく設定してなんとか読めるという感じです。

このままだったら、まるで障害者だと感じていました。
(障害のある方を軽蔑等する意図は全くありません)
普通に働くことができなくなってしまったら、恋人と結婚することも無理だろう、家族にも迷惑をかけるだろう。
そう思い不安で仕方ありませんでした。
今は、メガネをかければ、文字も読めるし運転もできる。(発症前からメガネやコンタクトはしていました)
メガネってすごいですね。
メガネがなければ、何にもできないほど視力が悪いっていう方は多いのではないでしょうか。
現代は、メガネをかける方が多く、視力の弱い人々はマジョリティであるため、メガネで補える程度に視力が弱いだけでは、障害者という枠には入りません。
ですが、『視力が弱いからメガネが必要』というのは、『脚が無いから義足が必要』っていうような方と結局は同じなんじゃない?と思いました。
ただ、義足が必要な方は比較的少数で、義足を作るのは大変だと思います。一方で視力が弱いのいうのは一般的で、メガネという気軽なツールで対処することができるというだけの違いですよね。
マイノリティなのか、マジョリティなのか。
簡単なツールで補える障害なのか、そうでないのか。
そういういう違い。
うまく言葉にはできませんが、
とにかく、健常者である、健常者のように生きることができる、それって奇跡なんだと思います。
もっと、人々と助け合って生きるという気持ちを持ちたいと思うようになりました。
誰もが、ある日突然「普通に生きる」ことに障壁のある生活を送らなくてはならなくなる可能性がある、つまりは、「障害を持った人」に、いつでもなりうるということを改めて再認識させられました。

まだこの感情は咀嚼しきれていないような、言語化しきれない感じがあるのですが、とにかく、この経験を糧にしたいと思います。

感謝して、今できることをする

現在、プレドニン20mgを治療薬として服薬しています。
ステロイドのお薬です。
副作用が少々ありますが、仕方がないですね。
27年生きてきて、10代後半から20代前半までは、感情的で衝動性が強い自分に苦しんでいました。
25歳くらいから、情動性がおさまり、落ち着いて、健康に生きるということに焦点を当ててこつこつ生活していたのに、謎の病気になってしまうという…
気をつければ、落ち着けば、大丈夫普通に生きられると思っていたけれど、そんなことないんですね。
結局人は、想定外の出来事にのまれながら、それに柔軟に対応できるよう生きるしかないのだと思います。

家族や恋人に迷惑をかけてしまったことが悔しいし、情けないけど、私のせいではないのです。(少なくとも現時点では、原因不明なので…)

できることをするしかない。身の丈以上に動き回ることはできません。
私にできることは、勉強する、アルバイトする、家事を手伝う、これくらいです。

この病気に、人生を無理やり、若干ペースダウンさせられた感がありますが、不貞腐れず、家族や恋人、医療、そして、不完全にもそれなりに健康な自分の体に感謝して、また以前の、ふつうの生活に戻って行こうと思います。

今日のところはこんな感じかな。
服薬の量が変わったり、通院結果などなど、気が向いたら書きたいと思います。
(同じ原田病や、ステロイドを使った治療をされてる方へなんらかの情報提供になれば嬉しいです)

読んでくださり、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?