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世は大リベンジ時代へ!リベンジ王に俺はなる

マンガやアニメで流行っているジャンルというのはある程度世相を反映しているものだと思うが、最近気になっていることがある。

それはズバリ「復讐しすぎではないか」

LINEであれXであれニュースページであれ、漫画の無料アプリなどのバナー広告をよく見るが、その中の復讐率の高さといったらない。

「過去いじめられていた奴の復讐」「恋人を殺されたので復讐」「パーティーから追い出されたので復讐」「転生してみたら家族などが不遇な目に遭ってたので復讐」「復讐代行」「復讐されたので復讐」「予習復讐」
などなど…(一部誇張含む)。

まあ、わかるよ、ウケる要素としては。「ひどい目にあう」→「復讐してスカッとする」という流れが分かりやすいし、バナー広告だと特にひどいシーンだけ見せて「ここから逆転」を匂わせることでどんな展開になるんだろうとクリックさせやすくなる。そのへんの計算というのはアホらしくなるくらい見える。ただもうそれでも最近は数が多すぎて、その中でまた目立つために「いかに陰鬱なシーンを出すか」みたいなバナーになってきている気がする。
理屈としてはエロアプリ広告の露出度が上がっていくのと同じだ。もうエスカレートしすぎて「そもそも見たくもないシーン」ばっかり出てきている。

「恋人とラブラブのシーン→暴漢に襲われて恋人は命を…」みたいなのとか、もうあんまりあちこちに出さないでほしい。なんかストーリーも復讐へつなげていくために「まず最初がどれくらい悲惨か」という順番で考えられてるんじゃないかと思う。なんというかキャラクター作りが記号的に感じるというか。
こういう人物がいて、こういう背景があって、それなのにこういう目に遭ってしまって…というわけでなく、ただ「とりあえず自分か恋人または家族が不幸な目に遭う」というスタート設定で作られていないか。

ストーリー作りの基本といえば昔から「起承転結」と言われる。何かが起きて、続いて、転がって、結ぶ。乱暴にまとめると、まずスタートとして引き込んで理解させて、起伏も作らないと面白くないよということだと思う。しかしインパクトを出すために段々「転」がしょっぱなに来るとか、そういう作り方に変化してきているような印象だ。そういうのが極端になった結果、「いきなり恋人がむごたらしい目に遭って殺される」みたいな導入になっているのだろうか。最近始まる漫画を見ても、第1話のインパクトがないと生き残れないぞ!という意思がひしひしと感じられる。なんか出てきて、ピンチになって、「実は主人公強いんかい!」みたいな展開になるとかそういうの。これも一種のインフレであろうか。

そうなるとまあ時代の流れとしか言えないので仕方ない部分もある。ただ一つ知りたいのは「表示を消す方法」だ。バナーをクリックして「この広告に興味がない」みたいな設定にできないかと探したけど見つからず、逆に「バナーをクリックする興味ある人」として認識されて似たような表示が増えるという結果になったりするのが面倒でしかたない。
しかしこれだけ似たようなのが出てくると、作者たちは本当に「復讐モノ」が描きたくてやってるのかな~というのは気になる。「いまは復讐モノが売れやすいから描け!」と言われてやってるのか、自分から乗っかったのか、元々本当にそういうジャンルが描きたかったのか。
まあ「売れやすいから」と判断して描いてヒットしたのなら商売としては正しいわけだが。

時代に閉塞感があるからこそスカっとしたくて人は復讐を求めるのか…とか考えだすとなんか現代社会への問題提起っぽくなってくるのでこのへんで。

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