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「例えツッコミ不可避」のワードたち。

ヒット曲とか一発ギャグとか政治風刺とかで、特定のワードが刷り込まれてしまうことがある。
最近であれば「自粛」「感染」「配信」などであろうか。みんなが耳慣れた言葉には、それに紐づくワードがあったりする。自粛といえば外出、感染といえば拡大、配信といえば動画、VTuber、といったように。そこに触れるのはいわゆる例えツッコミに近い。

どういうことだよ?と思われそうなので例を挙げよう。
以下のワードから想像するものは何ですか?

「壊れかけ」
「クセ」
「ちょっと待って」
「いつかの」
「ダメよ」


ちょっと芸人要素多めだったか。ちなみに答え、というか自分が連想するワードは以下です。


「壊れかけ」→レイディオ(ラジオにあらず)
「クセ」 →すごい
「ちょっと待って」 →プレイバック または ちょ待てよ
「いつかの」 →メリークリスマス
「ダメよ」 →ダメダメ

ということで例えツッコミ例を出すとこうなる。

「いや~、この洗濯機だいぶ危ういな。壊れかけだわ。音が出ないし」
「いや何も聞こえないレイディオみたいに言うな」

「今日頭ぼさぼさだ~」
「ほんとだ。寝・グセがすごい!」
「千鳥ぽく言うな」
「誰が岡山出身じゃ」
「もうそこが千鳥なんよ」

みたいな。後者のほう少し違うな。まあなるべく皆さんの頭の中にフットボールアワー後藤を召喚しながらお読みください。あれは例え方がまた独特なんだけど。
くりぃむしちゅー上田も例えツッコミの名手だが、「例えそのものが既にウンチク」という点が少し違うところだ。

実際に番組で見たのはボクシングのセコンドぽいふるまいに対して
「エディ・タウンゼントか!」というツッコミをした時だ。
名セコンドとして数々の世界チャンピオンを育てた人だが、そもそもボクシングに詳しくないと知らないのでほかの芸人がポカンとしていた。というか無理矢理笑っていたことをあとで暴露していた。
「さっきもエディなんたら言われて雰囲気で笑ったけど知らない」と次長課長の河本に言われていた記憶がある。

それはさておき。

やっぱりみんなが知っていることがベースになってないと、例えツッコミにならないというのはある。ただ、知っている人にとっては狭い方が面白い。

「あいつ合コンの監事させるとすごいいい子連れてくるな。打率高いわ」
みたいな話に対してツッコミを入れる場合。

●わかりやすい例
「合コン界のイチローか」

●わかりにくい例
「合コン界のテッド・ウイリアムスか」

後者は大リーグの選手で20世紀最後の4割打者であるが、そもそも日本であんまり知られてない。古いし。でも知ってる人にとっては「これ自分以外誰が分かる?」という意味で面白さが増加するだろう。この場合「打率が高い」がツッコミ誘引ワードとなる。

つまり連想しやすい、かつ共通イメージが湧きやすいのがツッコミ誘引ワードなわけだ。
「二刀流」といえば「大谷」みたいな感じだ。本人は二刀流とは言ってないけど。しかし誰もが思いつく関連ワードをそのまま言うのはツッコミとまでは言いにくい。

「このシステムは販売にも管理にも強い二刀流です」
「なるほど大谷みたいだな」
(シーン)
「…さすが部長」

どうでしょう。うすら寒い会議室が浮かんでこないでしょうか。ツッコミというかおやじギャグ扱い。そう考えると芸人のツッコミはやっぱりそれなりにひねりが効いている。そのまんまのワードを出すというより、それを想起させるワードに留めたりしてる印象。

「このシステムなら販売にも管理にも強い二刀流です」
「160キロくらい出るのかな」
「気分的にはそれくらいビッグフライです」

なんだこりゃ。

まあそれはともかく皆さんも「●●」と言えばアレが浮かんでしまうワード、あるんじゃないでしょうか。ぜひ教えてください(丸投げ)。


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