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暴いて暴かれて暴れる人たち

「暴」の字が並びすぎてるタイトル。
暴力団の話ではなくて、最近まぁとにかく多い「暴露」について。

陰湿なパワハラだとかそういうのは暴露しても全く問題ないというか、どんどん晒していかないとなくならないものだと思うが、そういうのとは関係ない、個人的な事情の暴露を専業にしている人たちが増えてきてるなぁ、と思う。

まあ聖人でもなければだいたいは何か細かいことをやらかしてるもので、
ましてや芸能人やユーチューバーともなればお金が入る分いろんな遊び方を
しているものだろう。そのへんを暴露されても個人的には「まぁやってそうだな」と思うくらい。そもそもクリーンな世界だと思ってないので。

それが名前を聞いたことある芸能人ならまだ「ああ…あの人とあの人が」 と想像できるが、ユーチューバーとか声優とか配信者とかになってくるとそっち方面に疎いので誰が誰やらわからない。「よく知らんユーチューバーとよく知らんブイチューバーの中の人がよく知らん場所で密会した結果よく知らん声優との修羅場に!」みたいなことになるともうカオス。まあよく知ってる人にとっては衝撃なんだと思うが。

スキャンダルは日本語では「醜聞」と書くが、まあ実際醜い話が続々出てくる。 そんな話ばっかし出して誰が得するんだろうな、と考えるともちろんこれは暴露した人が得するわけだ、経済的に。暴露話を聞きたくてチャンネル登録や動画視聴する人が増えればその分広告収入で潤えるという時代になってしまった。「人の不幸は蜜の味」というが、まさに美味しい話になるのである。
糸井重里の「おいしい生活」はこういうのを指す話ではなかったと思うが。

それはさておき、こういったゴシップは別に最近になってよく出るようになったわけではなく、昔から週刊誌の主要ネタであった。「文春砲」のワードでも有名になった週刊文春をはじめ、週刊新潮、週刊大衆、週刊実話とだいたいがスキャンダルを扱わないものはない。
ただこういったものには「飛ばし記事」「憶測」も多く、実際訴えられたりする話も珍しくない。昔からそうなので、世間的なイメージも「ウソがけっこうある」ものとして捉えられている気がする。
ちなみに発行部数でいえばトップ3は週刊文春で57万部、週刊新潮39万部、週刊現代38万部となっている。
(全て以下日本雑誌協会によるデータ。でも最新でも2019年とちと古い。)
https://www.j-magazine.or.jp/user/printed/index/44/2

これに対し、某暴露系ユーチューバーの登録人数を調べてみると2022年3月時点で179万人。最近出てきた芸能人の裏側暴露系ユーチューバーだと82万人であった。予想よりはるかに多い。しかも後者は確か最近40万人超えましたみたいなニュースが出ていた気がしたが、もう倍以上になっている。数だけで言えば週刊誌以上の影響力ともいえる。

暴露して、タレコミを受け付けて、裏を取ってさらに暴露して、もう暴露のための人生である。登録者数が多いのでもちろん収入も増えていると思うのだが、その収入も派手に使ったりしてるとまた別の人間に暴露されそうだ。暴露無限ループ。
そもそも暴露とは、「たまに秘密が明かされる」ようなイメージであったが、通常運転がもう暴露なので毎週出される「全米ナンバーワン」並にマンネリ化してきそうだ。まあ多分ネタの大きさで緩急をつけたりはしているのだろう。

なお晒される側に対しては「芸能人だから有名税」という考え方もあれば「芸能人でもプライバシーは守られるべき」という考え方もある。で、前者の考え方の人がチャンネル登録するんだろうな。もっと言えば「悪いことやってるから暴露されるのだ。やってなければ暴露されることもない」という考えによって正当化しやすい。もちろん犯罪行為を擁護するわけではないし、晒されて自業自得な話もたくさんあるだろう。ただそれはそれとして自分も振り返ればなんかあるだろうし、完全正義みたいな気分でいるのは危険だなぁと思う。


最後にふと思い出したエピソードを書く。
昔コンビニで買い物をした時、レジの女性がなんかせっかちな感じで対応していた。中国人ぽかったのでまあ日本人的な感覚で見てるからだろうなあと思いつつペットボトルのお茶を一本持ってレジに向かうと、なんと商品を受け取るどころかこちらが持ってるお茶のバーコードを直接ハンドスキャナで読みにきた。お茶を置くことすら許さないせっかちさ。当然お金の受け渡しも乱暴な感じで、オイオイいくら外国人バイトとはいえここまで荒ぶってるパターンは初めてだぞ、と思いちらっと名札を盗み見ると、「暴」という名前だったので吹き出しそうに なった。
そんな「暴」絡みのお話でした。

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