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今更ながら映画感想文『Whiplash(邦題:セッション)』 邦題名がおかしくない?

Whiplash is a American independentpsychological drama film written and directed by Damien Chazelle, and starring Miles Teller, J. K. Simmons, Paul Reiser, and Melissa Benoist. The film follows the ambitious music student and jazz drummer Andrew Neiman (Teller), who is pushed to his limit by his abusive instructor Terence Fletcher (Simmons) at the fictitious Shaffer Conservatory in New York City.

https://en.wikipedia.org/wiki/Whiplash_(2014_film)

以前、トレーラーを観て『スポコン系ジャズ映画?』と思い、wishlistからは外していた。今回、Amazon プライムから外れる1時間前に観終えた。

邦題「セッション」が気になる。
映画の中では一度も(ジャズ)セッションをしていない。
ジャズをあまり知らない業界さんが、邦題を考えたのかもしれない。

原題の〈Whiplash〉は「ムチ打ち症」の意味で、ジャズの有名曲の題名であり、作中で何度か演奏される練習曲の一つ。
「ムチ打ち症」首に大きな負荷がかかるドラマーの職業病でもある。

wiki.jpから引用

この映画、note検索「#セッション」で、noterさんの多くの説明を読むことが出来る。まだご覧になっていない方に、トレーラーとサウンドトラックを。


感想

思っていたほど、スポコンものではなかった。
昭和の日本であれば、中学校にあの程度の教師がいたと思う。
(この映画の教師ほどエキサイトはしていなかったが)
授業中に教師が黒板消しを飛ばしたり(授業を無視する生徒に)、ビンタをされる生徒を見たことがある。

主人公がひたすら真面目にドラムにだけ打ち込んでいるのかと言うと、そうでもない。映画館のカウンターでアルバイトの子をナンパして付き合ったのに「ドラム練習時間のジャマになる」と振ったり、自分がフェスに出場出来ると、電話で「見に来ないか?」と誘ったり、勝手な野郎である(彼女には次の彼氏ができていた)。

実家に帰った際、地元の友達と会うと、自分のジャズ自慢をし、友達が所属する大学のアメラグチームが3部だとバカにする。
「友人は不要」と言う、いやな奴である。

ほとんどが特殊な2人の映像で物語が進み、スポコン教師が、自分が首になった理由を主人公のチクリ(ハラスメントの)だと知り、ラストシーンのフェスで主人公に仕返しするのだが、それを押し退けて主人公が勝手に演奏を続け、それに満足してしまう元スポコン教師。

最後のシーン、二人が笑顔で終わるのが解せない。

「主人公が元教師の仕返しを跳ね除けて演奏を続ける」設定は悪くはないのだが、そこで元教師は笑顔ではなく、苦い表情をして映画を終わらせて欲しいところである。
「仕返しは上手くいかなかったが、演奏が盛り上がったから仕方ない」と。

彼のハラスメントで卒業生の中に自殺者まで出ている設定なので、映画の中では最後まで「いけすかない奴」に徹する役だったと思う。

MOH

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