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双極性Ⅱ型気分障害コラム うつ状態の場合の会社への対応(その36)会社への復職の仕方

本文を補足します。
このような復職の仕方をやっていただけるのある一定規模以上の会社または組織だけだろうとは思います。

しかし、いきなり復職して、普通の仕事をすることは普通に考えて無理です。
すぐに症状をコントロールできなくなって悪化する可能性が大だとおもいますし、そうなると結局退職という選択になる場合が多々あるかと思います。

私としてはできるだけこのような対応をとってくれる会社が世の中に増えることを望みますし、少なくとも自分の会社ではこういった対応を取っていきたいと思っています。

現在、アルコール依存症で入院直前の社員がいますが、彼にはこのような対応を取っていって、早く元気に復職して欲しいと思っています。

皆が健康的でやりがいをもって働ける職場を目指していきたいと思います。

本文は、以下から抜粋しています。
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3. うつ状態の場合の会社への対応
(その36)会社への復職の仕方
 
休養を取ってやる気が十分に回復したならば、復職を考える時期になります。
但しやる気が普通以上に出ている場合は躁状態の可能性がありますから、よく主治医と相談してからの復職判断にする必要があります。
復職にあたっての条件は以下を最低限満足していることかと思います。
 
①   抑うつ感がないこと
やる気のなさ、もの悲しさ、体のだるさがないことは最低限必要なことです。(その25)にも書いた通り、軽いジョギングなどができるくらいに体力が回復しているとベストだと思います。
 
②   規則正し生活ができること
休職中はどうしても1日を寝て過ごすことが多くなります。
しかし、会社に出勤したら定時間内はおきていないといけません。
この為、規則正しい生活、例えば朝7時に起きて、夕方17時位まで昼寝なしで過ごせることが必要です。
とはいっても、休職中で家にずっといたら、ついつい昼寝をしてしまいます。
筆者の場合は、朝から夕方まで図書館に行くようにしていました。
好きな本を読んだり、復職後会社で役に立つ、英語や、技術資料での勉強をしていました。
 
以上の①②の条件を満たしていれば、これは回復した状態に近いと思います。この時が復職のチャンスです。
しかしこれは自宅で療養をしている状態で回復しているだけで、ストレスの多い会社の環境でも同じように回復した状態を維持できるかはまだ解りません。
ただ、この状態ならば復職できるチャンスがあると言えます。
 
筆者は、この状態で、会社のメンタルヘルス室(通常の会社にはこれはないと思います。)と相談して、「休職期間中のリハビリ出社」を行うことにしました。
つまり、会社に慣れていくということです。
自宅にいて元気でも、会社に行くと不安感が増長してうつ状態が再発する場合があります。
会社に少しづつ行ってみて、復職に耐えられるか判断するのです。
筆者は1回目の休職(3ヶ月)後に復職をする時は、以下のような出社の訓練をしました。
最初の1週目は、 1時間/日を1回
           2週目は、 1時間/日を3回
           3週目は、 4時間/日を2回
           4週目は、 午前のみ出社を3回
           5週目は、 午後のみ出社を3回
           6週目は、 8時間/日を5回
 
2回目の休職(1年)後の復職をする時は以下でした。
最初の1ケ月目は、 1時間/日を1回/週
       次の2週間は、 1時間/日を3回/週
       次の2週間は、 4時間/日を3回/週
       次の2週間は、 午前のみ出社
       次の2週間は、 午後のみ出社
       次の1週間は、 8時間/日を5回
以上のような形でリハビリ出社をしました。
リハビリ出社はあくまで休職期間中に会社の好意で会社に行かせてもらうものでしたから、仕事はできませんので書類整理のみしていました。
ただ、そういった中でも周囲が仕事をしている雰囲気は十分に伝わってきますから、自分がこの環境で仕事ができるかどうかは十分判断できると思います。
リハビリ出社を経て『自分で仕事ができる』と思えたら正式な復職への手続きに入ります。

まず、主治医に復職をしたい旨を伝えて復職診断書を書いてもらいます。
これには二つの意味があります。

・主治医から見て、復職に耐えられるかどうかの判断。
・復職に当たっての留意事項(例えば、残業はさせないようになど)を会社の産業医に伝える。

次に、会社の上司とメンタルヘルス室と産業医と人事部で復職診断をします。要は、“復職の可否”と、“復職時の留意事項”を会社と取り決める会議です。

筆者の場合の“復職時の留意事項”は、
・2週間に1回メンタルヘルス室で面談をうけること。
・最低1年間は残業、出張をさせないこと。
でした。
これは、ある意味では、毎日定時で帰られるお墨付きをもらったようなものでした。筆者の場合は以上のような形で会社に復職をしました。

会社にとっても、今まで多額の費用をかけて育ててきた社員がうつ状態で退社することで人的損失をこうむるよりも、多少負荷を減らしても復職してもらった方がメリットがあるという判断で、筆者がいた会社ではこのような制度をとっていました。

しかし、このような形で復職を支援してくれる会社は少ないと思います。
この為、産業医がいる会社に勤務されている場合は、産業医とよく相談をして復職支援を依頼するといいかと思います。

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