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#2018仏蘭西滞在日記 自由でリアルなナチュラルワイン生産者の暮らし

はじめに(まえがき)


それはもう前触れもなく突然で、人生の方向転換を余儀なくされた、、、ぼくにとってナチュラルワインとの出会いはまさにそういう類のものです。

2015年11月に東京は渋谷・富ヶ谷にある「AHIRU STORE」というナチュラルワインをメインで扱う酒場へ、互いの誕生日のお祝いに、と同じく11月生まれの友人が、これまでそういった場所にほとんど縁のないぼくを連れ出してくれたことがそのすべての始まりでした。それまでアルコールと呼ばれるもののすべてが口に、体に、合 わないぼくからすれば、美味しく飲めて、気分がほどよく高揚 し、口にした日も明くる日も体に残らない、そして何よりも「人」 とのつながりを潤滑にしてくれるこの飲み物は何なのだろう? そんな根本的な疑問が今でもずっと続いているのです。だからもっと知りたい、と。

これからの話は、そんなぼくが2018年9月から12月まで、それまで勤めていた会 社を辞め、単身でフランスのナチュラルワインの作り手を訪ねた様子を当時インスタグラムで現地からほぼリアルタイムでポストしたものを改めて整理し、直すべき箇所は直し、注釈などを入れて、ナチュラルワインを知っている人も、そうでない人も比較的読みやすい状態にまとめたものです。

本文の中でも語っていますが、最初の作り手を訪ねて、それ以降はすべて現地にてアポイントを取り、もしくは友人に取ってもらい、身一つで訪ねていったいわば突撃訪問記です。すべてが予定通りであるはずもなく、そもそも予定の組みようもない自然を相手にした職業の人たちですから、日々刻々と状況は変わるわけです。そんな日々に翻弄されながらも、異国の地でその「縁」のつながりをたどっていくことの楽しみもいつからか覚えていったことも事実です。 全体を通して拙くて、勢い任せな文章の連続ではありますが、 逆に言えばきっと今思い返しても書けない「ある意味貴重な」 文章であるということも言えるのではないかと都合よく解釈していたりもします。ですから、そのあたりをご理解いただいた上で読んでいただければ幸いです。 きっとナチュラルワイン作りに励む彼らの自由でリアルな生活が垣間見えるはずです。

2019年11月

2018.9.11

搭乗直前、
緊張とワクワクが交錯する待合ロビー。

Bye Tokyo!
まあしかし考えてみれば、まるで子供のように「知りたい!」という思いが、本当に驚く流れと縁で、今回のフランス行きに繋がっていってしまった。 ぼくは自分をそこまでさせたナチュラルワインが、どんな想いで作られているのかを見てくるつもりだ。きっとワインも「人」なのだと思う。より「人」に深くフォーカスすることでナチュラルワインとは何なのか?その一端が垣間見えるんじゃないかと思っている。「人」にフォーカスすること...それはぼくらを取り巻くすべてのことを知る上で重要なことだと思う。フランスでもその「人」をじっくり見てくるつもりだ。 向こうはもう初秋かな? UNIQLOのウルトラライトダウンも詰めたし準備は抜かりなし。いざ行ってきます!

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