見出し画像

Summilux-M 35mm F1.4 スチールリム復刻版を一年使ってみた感想

Summilux-M 35mm F1.4 スチールリム復刻版が届いて、ほぼ1年が経過しました。ここで、1年使った感想をお伝えしたいと思います。
このレンズは、オリジナルの初代Summilux-M 35mm F1.4をほぼ忠実に再現したレンズです。オリジナルは中古市場で手が出ないほどのプレミアム価格になっていますが、復刻版は$3,895とSummilux-M 35mm F1.4 ASPH($5,595)よりもかなり低い価格設定です。現行モデルのため保証も完備されているので、オールドレンズのテイストを安心して楽しみたい人に向いている商品だと思います。

私が1年間使ってみて、このレンズには2つの利点がありました。一つは、大口径レンズにもかかわらず非常にコンパクトで軽量であることです。どのくらいコンパクトかというと、全長が35mmで重量はわずか200gです。これは、Summicron-M 35mm F2 ASPHよりも少し短く52g 軽いのです。(しかも$200安い!)ストリートスナップをメインとしている私にとって、このスペックは大きなアドバンテージです。つまり日常使いができる非常に実用的なレンズと言えます。

もう一つは、絞り開放時の柔らかい独特なボケ味と色収差、周辺の減光によるドリーミーな描写です。アポズミクロンと対極にあるレンズと言えます。とくに滲んだような表情は癖になります。このレンズはM6 復刻版と合わせて発表されましたが、むしろデジタルM型で使うことで、デジタルカメラの隙のない描写に情緒的な味わいを加味してくれます。一方で、F値を小さくすれば歪曲収差はほぼなくなり、きわめてシャープで端正な描写となります。この二面性が大きな魅力です。

フィルムでは、CineStill 400Dと組み合わせて楽しみました。このフィルムはハイライト部分が赤く滲むので、スチールリムの描写と相まってとてもドリーミーな描写になります。フィルムの描写特性を意識しながら、スチールリムと組み合わせ流ことで、さまざまなアレンジができます。

以上、2つの利点を挙げましたが、デザインの魅力もお伝えします。このレンズは、M型の伝統的なデザインに似合うクラシカルかつメカニカルなデザインとなっており、シルバーボディにもブラックボディにも似合います。特徴的なレンズ先端の金属リングと絞りリングにあるツノは、良いアクセントとなっており所有感を高めてくれます。これを眺めながら、夜な夜なバーボンを味わうのが最高のひと時です。

欠点を挙げれば最短撮影距離です。このレンズの最短撮影距離は1mですが、最新のズミルックスは40cmなので大きなな差があります。正直、「もう少し寄りたいな」と思う時はあります。

またレンズフードにも気を付けなければなりません。このレンズには、角形レンズフード(OLLUX)と円形レンズフードが付属しています。前者は、レンズフィルターを装着することができません。後者の円形レンズフードはレンズフィルターを装着することが可能ですが、四角がケラれてしまうという欠点があります。ライカは、このケラれ問題を認識して対策品を作っているという噂がありましたが、どうやら単なる噂だったようです。ただ、私はレンズフード無しで運用しているので、とくに問題はありません。

Summilux-M 35mm F1.4 スチールリム復刻版はLEICA M10-Pの常用レンズとして、ほぼ毎日持ち歩いています。今、手持ちのレンズで一つだけ残すならば、間違いなくスチールリムを選びます。これからも、このレンズでスナップを楽しみたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?