見出し画像

Plaubel Makina 670をお迎え

美容師の雨宮さんから致死率の高い国産中判カメラ病をうつされ、その熱でうなされ意識が朦朧としていたら、どういうわけだか中判カメラをお迎えしてしまいました。迎えていたのは、カルトカメラのPlaubel Makina 670で、今年初めての散財となります。数ある中判カメラで、なぜPlaubel Makina 670なのか、言い訳をお伝えさせていただきます。

一目惚れのデザイン

まずは、デザインに一目惚れです。やはり、折角買うならば長く使いたいので、愛着が持てるデザインというのは重要な要素になります。前期モデルのシンプルなMakina 67も良いのですが、レイモンド・ローウィのストリームラインを彷彿させるMakina 670のデザインが格好良すぎます。アールデコデザインで有名な、コダック・バンタム スペシャルの大型版と言っても過言ではありません。
基本デザインを担当したのは、ドイツ人デザイナーのUdo M. Geissler氏です。レンズの存在感が印象的なデザインですが、設計担当のコニカの内田康男氏が、そのレンズを小さくするべきだと主張したのに対して、レンズの大きさは絶対に譲らなかったそうです。これに関して、内田氏はGeissler氏の主張は正しかったと後述しています。ちなみに、Geissle氏がデザインした暗室のセーフティライトはとってもモダンで格好良いです。セーフティライトもMakina 67も、大きなサークルが特徴的です。eBayで$150くらいで出ているので気になります。

友人所有のKONICA C35と並べてみる。内田氏設計の従兄弟という関係だろうか。

コンパクトなボディに明るいレンズ

Makina 67シリーズは、レンズ一体型の蛇腹カメラなので、中判カメラとしてはとてもスリムでコンパクト。日常のスナップやストリートスナップで使いたいと思っているので、このコンパクトサイズは理想的です。とくに自分のフィールドとしているEdgewood AVEにて、LEICA MP 0.72と2台体制でストリートスナップを楽しみたいです。F2.8という明るいニコンのレンズもありがたいです。暗い店内の床屋スナップでも積極的に使っていきたいです。

Peak Design 6L Everyday Sling v2に、Makina 670とM型ライカが余裕で入る。

機械式カメラ

試作機ではAE搭載の現代的なカメラでしたが、内田康男氏の強い主張でメカニカルシャッターになったそうです。内臓露出計だけ電池を使います。これは、LEICA MP 0.72と全く同じですね。メカニカルシャッターによる官能的なシャッターフィーリング、サウンドはなかなかなものです。

大きいフィルムサイズとパノラマ撮影

中判カメラは4つのサイズがあります。一番小さい6x4.5は経済的ですが、最初で最後の中判カメラを買うならば、ここは思い切って6x6以上の大きなサイズにトライしたいと考えていたので、6x7のMakina 67シリーズは魅力的なモデルとなります。また中判カメラを使って135mmフィルムでパノラマ撮影をすると、パーフォレーションの部分まで焼き付けられる独特な絵になります。それを是非トライしたいと思っています。そうなると、6x4.5や6x6よりも幅が広い6x7以上が望ましいです。調べてみると、135mmフィルムでパノラマを撮るときは、圧着板を220フィルムで設定すると都合が良いそうです。初期モデルのMakina 67は120フィルムだけでしたが、Makina 670は220フィルムにも対応しています。

ダークメタリックブラウンの蛇腹が格好良い。

レンズ沼が無い

レンズ一体型の蛇腹カメラのおかげで、レンズ沼にハマる心配はりません。ライカでは、ご多分に漏れずレンズ沼に入っているので、中判カメラでも同じ轍を踏むわけには行きません。レンズ一体型は完結したシステムなので安心です。

誕生秘話に痺れる

このカメラが誕生するストーリーが最高です。カメラ量販店の「カメラのドイ」の創業者の土居氏の理想のカメラを作るべく、ドイツのカメラメーカーPlaubelを買収し、ドイツで製作した試作機(Makinette 67)をベースにコニカの設計・生産を依頼をしました。しかし、レンズはコニカではなくニコンのレンズを押し付け、さらに後期型のMakina 670はマミヤ生産というオールジャパンです。ちなみにコニカで設計を担当したのは、ジャスピンコニカの設計で有名な内田康男氏です。ピッカリコニカ、ジャスピンコニカ(KONICA C35EF/AF)とMakina 67は親戚なのですね。

ポジフィルムを堪能できる

フィルムは、5本セットを2種類買いました。買ったのはモノクロームのKodak Tri-X 400と、ポジフィルムのKodak Ektachrome E100です。
何故か、120フィルムになるとTri-X(5本セット$44.99)とILFORD HP5+(1本$8.71 x 5 = $43.55)の値段差が殆どありません。折角なのでTri-Xにしました。が、これが届いた後、コダックから135フィルムのTri-Xの値下げが発表されました。120フィルムに関しては値下げは無いようですが、将来は値下げされることを期待したいです。モノクロームフィルムは、135フィルムと同じく自家現像で楽しみたいです。
そして、中判カメラを堪能するために、初めてのポジフィルムを購入しました。ポジフィルムはとっても高くてびっくりしますが、それでも日本の価格に比べれば半額なので、まだ恵まれています。ライトテーブルにポジフィルムを載せてルーペで覗くのがとても楽しみです。

以上、色々と言い訳を挙げましたが、ともかく使い込んでいきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?