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発達障害と雑談~雑談の意味を考える~

はじめに

こんにちは。mojoで一緒に活動している産業医の木村です。
3月も終わりに近づいてきましたね。ここのところ、春の嵐がすごくて大変でした。
東京では風が吹き荒れて、基本、自転車移動の私は横断歩道で吹き飛ばされそうになりました。
季節の変わり目は天候が荒れるとは良く言いますが、こんなに凄まじいのはちょっと勘弁してほしいですね。

天候や気圧によって体調が変化する方も多くいらっしゃるかと思います。
特に、発達障害の方の中には、とても繊細な感覚を持っていらっしゃる方もおられます。
そのような方にとっては、体調をキープするのは大変だと思いますが、ダメな日は寝る!でも良いと思います。

やまない雨はないですし、晴ればかりでは人は生きていけませんからね。

発達障害と雑談

さて、本題に移りましょう。

今回は、前に一度触れた(雑談)について考えてみました。

たかが雑談、されど雑談ですから、ここに苦手意識があると社会人として苦労したり、損な役回りになってしまうかもしれません。

「雑談の意味ってなんでしょう?」

雑な話だったらしないでくれる!?

意味のないような会話なのであればしたいと思いません。

もしかしたらそう思われる方もいるかもしれません。
私自身、場面によってはそう思っていたこともあります。

雑談を交わす最大のメリットは、話し相手との親密度を高めるきっかけになることです。
雑談は親しみやすさを構築していくための第一ステップとなるという事です。

雑談と研究結果

雑談を交わすメリットに関して研究結果も出ています。
ある研究チームはオフィスにあるウォーターサーバーに水を飲みににいった時に、何気ない雑談をする人としない人が社内でどのような評価を得ているのかを比較した実験をしました。
雑談をする人はしない人に比べて、職場での好感度が高くその人の能力に対する評価も高くなる傾向があったのです。
雑談は価値を生み出しています。
・周りの人から好感を持たれ評価をされる
・能力を認められ信頼を得ている
・助け合える関係性を築いてる

社会関係資本

このような人間関係の恩恵を社会学や経済学では「ソーシャル・キャピタル(会社関係資本)」と呼んでいます。

ソーシャル・キャピタルは日ごろから積極的に交流を重ねることで生れる人間関係があってこそ高まるもので、お金では買えるものではありません。

経済的視点から見ても雑談には意味のあるコミュニケーションだという事が証明されています。
人と関わることを苦手に思っていたり、人に興味関心が薄い場合であったりしても、仕事と割り切って業務以外でのコミュニケーションをとることで間接的にあなたの評価につながっています。

そういった他者との関わりを踏まえた上で人事配置を行っている会社も多くあると言います。
プライベートではどのようなコミュニケーションを取っていてもいいと思いますが、仕事の場面では会社で働いているという事が前提に考えると他者とのコミュニケーション必須になります。
PC作業の多い在宅勤務などでも、業務の報告や商品説明や商品納品時のカスタマーサポートなどではWEB上や対面でのコミュニケーションは必須になります。

では逆に端的なコミュニケーションが悪いのかというとそうではありません。
端的なコミュニケーションが悪いわけではなく、使い分けが必要になります。
淡々と仕事の話だけで終わらせてしまうのは関係性が出来ている間柄であればいいかもしれません。しかし、これから社内やお客様との関係性を構築するといった信頼関係構築のために「雑談」は必要になってきます。

雑談と働き方

ただ、本当に苦手に感じている方や対人コミュニケーションを行う事で業務に影響が出てしまうのであれば、働き方によっては対人コミュニケーションを限定ことも選択肢の一つになると思います。
発達障害とは
アスペルガー症候群・広汎性発達障害
自閉症スペクトラム(ASD)
注意欠如・多動性障害(ADHD)
時代によって呼び名が変わっています。
近年だと神経発達症と呼ばれていますが
少数派と多数派にわかれている世の中だと少数派が多数派に合わせていかないといけないような社会の仕組みが出来ています。
ですので「ニューロダイバーシティー(多様性)」というような言葉をよく耳にするようになってきましたが、日本でもまだまだ働く現場の現状は多数派に合わせた社会になっています。
「ニューロダイバーシティー(多様性)」を
掲げていている会社も多いですが日本全体としてはまだあまり浸透していないのかなと個人的には感じています。
「障害者雇用」と一口に言っても障害の種別や程度の差があるので対応スタッフが障害理解をしているとは限りません。

雑談とは?

雑談という事に話を戻していきます。
「雑談」の意味になりますが辞書などでしらべてみると


「雑談」特にテーマを定めないで気楽に会話すること。
ただし「雑言(ぞうごん)」というと「罵詈雑言(ばりぞうごん)」
のように罵り・蔑称など益体無い言葉を投げ付けることを指す(→中傷)

と書かれています。
会社の中での「雑談」とは、辞書に書いてあるような「雑談」という意味で使われてているのではなく、意味のある会話になることが多くなります。

最大のメリットとして会話相手との親密度を高めるきっかけにすることもできます。
辞書にある「とりとめのない会話をする」意味ではなく、言葉を交わす前の準備運動としての意味合いで「雑談」を行い、相手と打ち解けてお互いに安心をする環境を作り出した商談に入る前にお互いの共有点を知ることで本題がスムーズに相手に伝わる、あるいは聞きとるそのバランスをとり聞いてくれる状態を作ることも出来ます。

雑談を深める

雑談とは何なのか?
【雑談とは親密な関係を作る為の第1ステップ】と考えます。
とは言え、雑談がそれだけの重要な意味を持っているから、としっかりと話さなければならないと身構える必要はありません。
「雑談」はあくまでも「雑談」。
「雑談」そのものがコミュニケーションのメインテーマになることはありません。


おそらくこの記事を読んでいる方も初対面の方と会話をしたときにその時の会話内容を覚えている方は少ないと思います。
雑談で交わされている会話の内容はあくまでも雑談なので会話の内容に意味があるものではなく
「雑談」を通じて意味のあるコミュニケーションがとれているか、という点が
重要なポイントになります。

雑談が苦手な人は以下のチェックポイントを確認してみてください。
・ポジティブな内容になっているのか
・相手の不安を軽減てきているのか
・打ち解けられているのか
・話の本題に入りやすい内容になっているのか
など。


ぼんやりとした内容だけの「天気がいいですね」「そうですね」などの雑な話が続くだけになっていると意味のない会話になってしまいます。
天気の話題が悪いわけではありません。
しかし、発展して意味のある会話にならないのであれば、はじめから雑な話しはしない方が無理に雑な話しをするよりはましです
。


まとめになりますが、

雑談を交わす最大のメリットは話し相手との親密度を高めるきっかけになることです。
雑談は親しみやすさを構築していくための第一ステップとなるという事です。

雑談について、必要ない、苦手、と一刀両断してしまうのではなく、その意味を考えていけるといいですね。

次回以降、発達障害の方でも今すぐ使える雑談トーク失敗しない定番3選紹介をご紹介したいと思います。


セミナーのご依頼など随時お待ちしております。

今後もmojoの活動の応援をどうぞよろしくお願いいたします。

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