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自然に抱かれる。

子どもがうまれて
朝晩のリズムもなく
ねんねとおっぱいの繰り返しだった頃
ああ、生まれたばかりの人間は
こんなにもメチャクチャで
予測不可能なのかと驚がくした。

2歳を過ぎた今も
唐突に路上を四つん這いで歩いたり(ナゼ!)
水たまりに突っ込んでいったり(ヤメテ…!)
意味不明なことを繰り返す。

これは、自然にとても似ていると思う。
晴れたと思えば、雨が降る。
やさしく迎え入れてくれたのに、キッと牙をむく。
自然はいつだって、無慈悲で気まぐれ。
そんな中、人ができることといえば
冷静になって、知恵と機転を働かせることだけだ。

親はそんな感じで
冷静を装い、頭をフル回転させながら
おむつを替えたり、ご飯を食べさせたり、
お風呂に入れたり、寝かしつけたりしている。
子どもに日々振り回されながら、試されている。

もちろん、恩恵だってある。
4分で着く家路を、40分寄り道しながら
帰るのが日課なのだけど(ツライ…)
少しずつ季節の花々を覚えるようになった。
雨上がりの夕空には、何度も虹を見た。
それまで早足で素通りしていた景色にも
たくさんの美しい世界が散りばめられていることを
弱冠2歳が教えてくれた。

子どもは今日も「だっこー」と言って甘えてくる。
抱いているのは私のつもりだったけど
子どもという大自然に抱かれて、育まれているのは
私のほうかもしれない。

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