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【読書感想】「ダンナ様はFBI」 田中ミエ

読了日:2012/8/17

タイトル通り、ダンナ様がアメリカンで、元FBIという国際結婚夫婦のエッセイ。

交際結婚らしい大変かつ愉快な日々を綴っている。
著者はバリバリ働くフリーライター。
ダンナ様はそんな彼女にさまざまなアドバイスをしてくれるんだけど、そのアドバイスがホント素晴らしい。
ビジネスマン向けのセミナーとかできちゃいそう。
読んでて「ハッ(゜ロ゜)」と思うことも、耳の痛いことも多々あった。

日本人同士の結婚でも、地方の違いや家庭の文化の違いを擦り合わせながら一緒に生活するのはすごく大変なのに、国際結婚は言語も宗教も根っこから違うからもっと大変なんだろうな。

軽く読めるし、最後、迂闊にもちょっとじーんとするし、ためになるし、すごく良かった。

ワタクシ的名セリフ

自分なりのグループ分けができれば、どのような集団を相手にしても対応できる。ぼんやりと眺めるのではなく、分類して捉えることがまず大事だという。
つまりダーリンは、人が何人集まろうと最初は、誰もが安心する平均値の真ん中の人を見定めて、その人にまず話をふる、次に話しかけにくい人や、鋭いことを言いそうな人を挟み、最後は気の弱そうな人に安心して話させよ、それを質問ごとに、あるいはテーマごとに繰り返せ、と言うのだった。そうやって発言者のポジションを、彼女たちに心地よい順番にすることで、次第にリラックスした空気になり、みんなの発言も活発になるという。
「一番気がかりなのは、大人の男性が、どうも自分のこと以外には関心がないってことだな。僕はね、仕事に熱心なことはとてもいいと思っているよ。僕だって24時間仕事をしたいと思うほうだから。でも今の日本人男性って、仕事場の中だけで閉じている気がする。」
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「明らかに困っている人に手を貸さないって、危ない国だよ。犯罪って、無関心が引き金になって蔓延していく。それって、尊敬の交換をしないことにも原因があるんだ。」
「あのね、そんなこと仕事している社会人ならだいたい想像がつくよ。日本人のほうが変だと思うなぁ。自分の仕事を決めてしまったら、常識的なことさえ判断しようとしない。テリトリーがあると縛られて、思考停止するんだよね。知の縄張り意識だ。」

ダンナ様、かなり面倒臭いやつだけど、プロファイリングのプロフェッショナルだし、発言ひとつひとつが説得力抜群だし、意見を言ったあとのフォローも見事。

ハッとする言葉がたくさんあったけど、たくさん過ぎて書ききれない。

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