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【読書感想】読む餃子 バラダイス山元

読了日:2017/12/17

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包んで焼いて三十有余年。スーパーの新商品を調査し、旅先では知らない店に飛び込み、自らも日夜試作を続ける。その営為とスピリットに敬意を表し、人びとは彼を餃子の王様と呼ぶ。会員制餃子店「蔓餃苑」のオーナーシェフ、パラダイス山元がありったけの愛をこめた、究極の餃子本。これを読めば餃子の全てが分かる!「タモリ倶楽部」で絶賛された、幻のレシピも収録。
「BOOK」データベースより

「好きな食べ物は?」と聞かれたとき、以前は「馬刺し」とこたえておりました。口のなかで広がる柔らかい肉、その肉を引き立たせる生姜とにんにく。居酒屋に馬刺しがあれば、必ず注文してしまう最高の酒の肴で餃子います。
ところが。
ここ数年は子育てに追われる日々。あんなに蜜月だった居酒屋や、そこで味わっていた馬刺しともすっかり距離をおくようになってしまいました。

馬刺しにかわって、今の私の心を占めているものが「餃子」で餃子います。
ニラとにんにくが奏でるハーモニー。噛むとあふれでる肉汁。そして、主菜にも添え物にもなれる柔軟性と、何をいれても包み込んでくれる包容力が餃子にはあります。

そんな私の餃子捜査網に引っ掛かったのが、この「読む餃子」で餃子います。私はこの本を読み、自分の餃子愛がいかに浅く軽薄なものであったかを思い知ることとなりました。

この本の作者・パラダイス山元氏の餃子愛は並大抵のものでは餃子いません。
彼はどんな怪しい店であっても「餃子」の文字を見つければ飛び込みます。目の前に餃子が現れれば、分解し中身をつぶさに観察します。
また、彼はすべての餃子を愛します。お店の餃子だけではありません。1パック198円のチルド餃子に、市販の冷凍餃子にも平等に愛を注ぎ、商品ひとつひとつと真剣に向き合います。

この本は、パラダイス山元氏の餃子愛溢れる餃子エッセイ。
中身はすべて餃子です。彼の餃子フィルターを通してみる世界は、実に味わい深く、また新鮮で豊潤。読む者すべてを幸せな餃子の旅に連れ出してくれること間違いありません。

しつこいようですが中身はすべて餃子です。この本を読んで迷える人生へのヒントを得ることも、不確実な未来を予測することも、ファンタジーの世界に飛び込むこともできません。
ただ、何も考えずに読書を楽しむ時間と、美味しい餃子の作り方を得ることはできるでしょう。

 
この本がどのような本なのかを味わっていただくために、今回は、作者の文体を真似て読書感想を書いてみました。
人の文体を真似るというのは大変難しく、真似てみたことで私の国語力の未熟さや、作者の高度なユーモアセンスに気付くことができました。
ありがとうパラダイス山元、ありがとう餃子。

本格的に真似をするならば、すべての文章、すべての段落に、餃子臭とウィットにとんだユーモアをプラスしなけらばならないところですが、私の筆力では難しいのが悲しい現実。
中途半端では餃子いますが、今回はここまでにさせていただければと思います。




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