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「北方林」に迫る脅威とは

地球温暖化とその影響は、もう長い間様々なニュースとして発信されています。
氷河の融解、海面上昇、生態系の変化などなど…。
そして、地理でもおなじみ、北方の大地に広がるタイガ(針葉樹林)の現状に関してもこんなニュースが。

ちなみに、冷帯地域に広がる針葉樹林が「北方林(Boreal forest)」とほぼ同義に扱われることには理由があります。
実は地理では定番の事項ですが…それも含めて見てみましょう。

針葉樹は、気候帯で言うとおおむね冷帯(D)気候に分布する樹木。
マツやモミなどがそれにあたります。
温帯(C)気候では、広葉樹と共に「混交林」を形成、冷帯になると広葉樹が見られなくなり、種類の少ない針葉樹の純林が形成されます。
その針葉樹林をタイガといいます。
地域で言えば、カナダやアラスカ、北ヨーロッパなどで見られる森林です。

Wikipediaより

そして、この地図を見ると気が付く方も多いと思うのですが、タイガは南半球に見られないのです。
これが、タイガと北方林がほぼ同義語として扱われる理由。

なぜ南半球ではタイガが見られないのでしょうか。
それは、南半球には冷帯気候の地域がほとんどないことが原因です。

これは、冷帯が分布する緯度50度~60度付近の地域に、南半球については陸地がないことが最大の理由。
つまり南半球に(部分的にでも)大陸があるアフリカ、南アメリカ、オーストラリア、南極は、山地のごく一部を除いては冷帯気候が分布しないのです。
南極大陸は全域が寒帯(E)気候ですし、南アメリカにも一部ツンドラ(ET)気候が見られるものの、冷帯気候の分布は皆無に等しいのです。

ちなみに記事中では、この北方林が温暖化により生態系の変化に見舞われているらしく、虫の食害に悩まされているとのこと。
同じ地域で永久凍土の融解も問題視されていましたので、この地域では温暖化による大きな変動が起きつつあります。

今後、環境問題で頻繁に見かけることになりそうです。

なお、タイガに関してはこんな動画もあります。
日本語ではありませんが、雰囲気をつかむには十分かと思いますので是非。


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