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オーバートレーニング症候群に陥って元に戻すのに2年かかった

ロードバイクを初めてオーバートレーニング症候群になったんですが、そこから何とかパフォーマンスを戻すことができたので、事の経緯とやった事をまとめておこうと思います。

オーバートレーニング症候群とは

「症候群」と言う名前がついていますが、オーバートレーニング症候群は、具体的な定義は無く明確な病名を表した言葉ではありません。すごく大雑把に「スポーツなどによって生じた生理的な疲労が十分に回復しないまま積み重なって引き起こされる慢性疲労状態」のように説明がされています。

オーバートレーニングになるまでの経緯

極限状態で勝った時の高揚感が素晴らしく気持ち良く、どんどん次を求めてしまったのがよく無かったです。 スポーツで優勝した経験なんて無かったというのも1つの要員かもしれません。 

2016/4 : ロードバイクに乗り始める
2016/7 : 初心者向けのクリテに出たら優勝してしまい競技を始める
2016/12 : エントリークラスのクリテで優勝する (自惚れ始める
2017/1 : ビギナークラスのクリテで優勝する (完全に天狗に)
2017/3 : 初心者向けのエンデューロで優勝する (ピャー)
2017/5 : オーバーリーチングになり慢性疲労状態になる
2017/6 : フジヒルでシルバー  (何か実力を発揮できない感覚)
2017/8 : オーバートレーニング症候群になる
2017/9 : 様々な治療を試すも全く効果なし
2017/12 : 全く好転しなかった症状が改善し始める
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 この間、2年間はとにかくリハビリと治療の繰り返し
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2019/12: JCRC 2hエンデューロ 3位 (感覚的には元通りに)

症状

凄まじい倦怠感

とにかく体が怠く朝は起きるのに一苦労でした。シャワーを浴びると微妙に良くなるので、朝はこれが日課になりました。 日中はとにかく歩くのが辛くて、他人が普通に歩く速度が早く感じました。 ちょっと頑張って歩こうとするとすぐに息が切れます。仕事も生産性が落ちたように感じました。

腕が上がらない

腕が鉛の様に重たくて、買い物の袋でも持ってる様な感覚でした。 シャワーを浴びる時に髪を洗ったり、ドライヤーで髪を乾かすのが本当に辛くて仕方ありませんでした。数十秒でこの重さに耐えられずに手を下げるというのを繰り返していました。通勤は電車を利用していましたが、つり革に捕まる動作がとにかく辛く、優先席に座れるかどうかが勝負でした。

手が強張る

手を握る、手を開く、手を捻る、これらの全ての動作が辛くなりました。握力は45~50程度ありましたが、10も無いんじゃ無いかというくらい握る力が出なくなりドアノブを回すにも一苦労でした。プログラマなので、キーボードをパチパチ打たないといけなかったんですが、それすらも辛いという状態でした。

腰が痛い

寝ている間も腰が痛くて睡眠に集中できませんでした。

試したこと: 整形外科

1回落車したということもあってレントゲンをしてもらうことにしましたが、何も原因らしい事はわかりませんでした。とりあえず休め的なことを言われ、ビタミン剤と整腸剤を出されましたが全く良くなりませんでした。 

わかったこと:
骨は問題ない

試したこと : リウマチ内科

両手が同じ様に強ばるというリウマチっぽい症状が出ていたので、受診することにしました。母がリウマチになっていたこともあり、可能性高いかなと思いましたが、血液検査ではハズレでした。 また、ここでレントゲンをとると仙腸関節がズレていることがわかり、その他の症状含めて脊椎関節炎を疑ったのですが、HLA-B27という白血球の型が陰性だったこともありその線は薄いだろうということになりました。また、この時点で線維筋痛症もあり得るかなと個人的には思っていたのですが、特有の圧痛点などが無く認められませんでした。MRIでも特に問題は認められず、「うつ病」に使うサインバルタを処方されて終わりでした。 何も効果は無く改善しませんでした。

わかったこと:
免疫系では無い(リウマチ因子の血液検査より)
筋肉の炎症では無い(MRIより)

試したこと :  カイロプラティック

整形外科で、唯一ストレートネックを指摘されたので、カイロで直したら良いんじゃ無いかなと思ったんですが、治りませんでした。そもそも交通事故にでも合わないとこんな風にならないって言われるくらい酷い状態だったので、どうにもならないレベルだったんだと思います。 その他の症状も全く改善しませんでした。

わかったこと:
カイロ(ここは)意味無し

試したこと :   総合内科

整形外科で、セカンドオピニオンを受けたいと言ったら大学病院(東京医科大学)を紹介されたので行ってみました。 3〜4時間くらい待たされた挙句、認定までに7年くらいかかると言われている謎の病名を言われました。 結局、ビタミン剤と整腸剤を出されてしまい何も改善しませんでした。

わかったこと:
総合内科意味ない

試したこと :  エコー診断トリガーポイント注射

MRIで筋肉に炎症が無い事はわかったんですが、ただ筋膜が固着していたり筋肉が硬くなっている事は分からないはずなので、エコー診断をやってみました。するとここで、筋膜が張り付いていることが判明しました。生理食塩水をトリガーポイントに注射してもらうと、本当に僅かですが体の強張りが改善されました。(ただ次の日には元通りになってしまいます) 自分が行ったところはこちらです。

保険適応外なので、1本2000円を25箇所くらい(5万)を3回くらいで15万くらいかかりました。

わかったこと:
筋肉があやしい?

試したこと : 鍼

鍼灸院はいくつか試したのですが、その中の1つで効果が出ました。診断の時点で、「これは治ります!!」と言ってもらえたのが今でも忘れられません。散々たらい回しにされて挙句何も分からないという状況で本当に鬱になりそうだったので、思い返すと今でも涙が出てきます。

他の鍼灸院でも、状態はめちゃくちゃ悪いという風に言っていたので問題がどこにあるかは認識できていたのだと思います。ただ効果が出るのは、こちらが早かったです。 3~4ヶ月程度で、とりあえず自転車に跨って運動する事はできるようになりました。

原因

フジヒルに向けて減量していたのですが、このやり方が良くありませんでした。 高校生の頃は、レスリングをやっていて55kg級に出るために普段の体重から8kgを1週間で減量するということを年に数回やっていたので、同じやり方で大丈夫だろうと思っていたのですが、この認識が甘かったです。 当時と比べるとトレーニングの絶対量が稼げておらず、回復能力がハードな減量に追いついていませんでした。最終的には、減量速度が当時と比べて遅いのを食事制限で辻褄を合わせようとして破綻しました。 

まとめ

オーバートレーニング症候群になってから最初の一年はほとんど自転車に乗れない状態で2年でようやく元のパフォーマンスを取り戻せました。保険適応外の治療が多かったので、おそらく100万近くを治療費に使ったと思います。自分の場合は、改善のきっかけまでに半年程度だったのでよかったですが、1年や2年後になっていたらさらにそこから2年かかるということになります。 そうなっていたら、4年、5年後まで耐えられた自信がありません。

ヒルクライムで早くなろうと思ったら絞って減量する方法は有効なので、どうしてもやりたくなってしまいますが、オーバートレーニング症候群になるリスクも高まるということも念頭におく必要があると思います。過度な減量をやる必要がある場合は、そのリスクを取れるかどうかと向き合わなければなりません。もちろん減量さえしなければという保証はどこにもありませんが。

もし同じような状況で不調に陥ってしまった方で参考になるような事があれば良いなと思います。

これからは、筋肉を強くする事でゴリゴリ登れるようにトレーニングしていくつもりです。


参考



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