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9.3三冠戦 青柳優馬VS小島聡〜明日のヒーローは俺だ!

あなたにとってのヒーローはどんな人ですか?有名人?先輩?両親?ちなみにぼくのヒーローは三沢光晴と小橋建太です。自分が憧れていたヒーローに対面する機会は案外ありえることです。しかし「ヒーローとともに切磋琢磨する機会」「ヒーローと勝負する機会」。これはなかなか得られないでしょう。三冠王者青柳優馬にとってその貴重な機会。それが9.3アオーレ長岡で行われた小島聡との三冠統一ヘビー級の防衛戦でした。

煽りVで青柳優馬本人が語るように。彼にとって小島は幼き日のヒーローでした。その小島と全日本プロレスの至宝を賭けて戦う。青柳優馬がプロレスラーになり。全日本プロレスの王者となり。そして小島聡もまたたゆまぬ努力を大ベテランになっても継続していた。こうした両者の積み重ねがあったからこそ。「ヒーローとヒーローに憧れた少年の試合」が組まれることになりました。

全日本プロレスの真夏の祭典王道Tを制覇した小島はこの日も勢いを活かして王者青柳優馬を攻め立てます。自身の得意とするマシンガンチョップを青柳優馬に真似されたシーンもありましたが。ダイビングエルボーは発射させずにコーナートップロープにいる青柳優馬にこの日最初のラリアット。青柳優馬を場外に叩き落としました。

続くエルボー合戦でも青柳優馬に打ち勝つ小島。さらに青柳優馬をエプロンにふりラリアットを試みますが、これは青柳優馬がジャンピングエルボーで迎撃。この後両者攻防が細かく切り替わります。流れが小島に動いたのはエプロンでのせめぎあい。青柳優馬のブレンバスターを回避してエプロンに立つ青柳優馬へラリアットを放つ小島。さらに再び青柳優馬をエプロンに引き上げてのDDT。小島が流れを掴みました。

リング上でコジコジカッター。ラリアットは青柳優馬にかわされるも小島は垂直落下式ブレンバスターを発射。そこからエルボーの打ち合いでも小島が勝る。流れの変わるきっかけはそのエルボー合戦直後。反転してバックをとった青柳優馬が小島を無理やりぶん投げる。ジャーマン狙いがズレたものかもしれませんが、不格好だったことでより青柳優馬の執念が伝わったように私は感じました。

青柳優馬はリング上で小島を攻めてエンドゲームに捕獲。ロープに逃れた小島を追撃するためトップロープに立つ青柳優馬。小島はここで立ち上がり青柳優馬に雪崩式の技を試みる。これは失敗したもののダイビングボディアタックを狙う青柳優馬にラリアット。さらにランニング式のラリアットはかわされるが追撃のラリアット。

そしてフィニッシュとばかりに右腕を振りかざす小島。これに青柳優馬はタイミング良くフロントキック。そして伝家の宝刀スピンキックを連発。一気呵成にロックスターバスター→ザ・フールの必勝パターンを決め。最後は小島の両足をクラッチするエビ固めで見事に3カウントを奪った。

かつて憧れたヒーローと戦うこと。そしてそのヒーローに打ち勝つこと。様々な縁によって青柳優馬はこれを果たしました。この日の青柳優馬は間違いなくヒーローでした。もしかすると青柳優馬を見た少年が。彼を目標にして明日のヒーローを目指すことになるやもしれません。

ヒーロー青柳優馬には休む間はありません。試合後に王道Tで敗れた本田竜輝を呼び寄せて。9.23後楽園での三冠戦を宣言しました。真夏を五冠王として駆け抜けた青柳優馬。勢いもそのまま天高く馬肥ゆる秋を迎えることができるでしょうか?!


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