大御所芸人の過去の行いが大問題に発展している。

正直、その人自身に関してはどうでもいい。

好きか嫌いかで言ったらもちろんイメージダウンだし嫌いになったけど、別に「もう顔も見たくない！テレビに出すな！」と私が激怒するとか、そこまでの熱量はない。

何が真実かもよくわからないし、
部外者の私がどうこう言う問題ではない。

ただ、今回の件に限らず
お笑い芸人が加害者側だったと分かれば
私はもう笑えない。

一気に面白くなくなる。
萎える、冷める。

不倫や軽い交通事故の場合も被害者はいるし、
「何やってんだよ、馬鹿だなぁ」とは思うものの、
最後は当事者同士の問題かなと思うので、あまりその人自身の人格への興味はわかない。


でも、性的暴行やパワハラ、後輩やスタッフへのイジメのようなものは、弱者へ権力を振りかざす傲慢さを感じるので、少し印象が異なる。

その人自身の嫌な人格が垣間見えた気がしてドン引きするし、私は今までそんな人のネタを見て無邪気に笑っていたのかと、少しガッカリする。

お笑いって、嫌なことや辛いこと、失敗、後悔、怒り、悲しみ、人間のどうしようもなく情けない部分や恥ずかしい部分を、明るい笑いに変えてくれるから痛快で、不完全な人間への愛を感じるから面白いのに。

弱者が強者に盾突くから、面白いのに。

弱い者イジメとか、人を見下した笑いなんて
なんにも面白くない。

誰かを傷つけて生まれる笑いなんて
なんにも楽しくない。

さんまさんがあんなに面白いのは、
並外れた話術だけじゃなくて

バツイチで寂しがり屋なことや、離婚前の辛い時期のこと、愛しい娘の塩対応を悲しむ父親としての切なさ、ハニートラップにすぐ引っかかる話などをネタに、オーバーに自虐しながらもめっちゃ楽しそうに笑い飛ばしているから。

実は結構不幸な生い立ちなのにその過去の暗さを見せないところや、元奥様や家族のことも本当はすごく大事にしていて仲が良いことを、視聴者もちゃんと知っているから。

共感できるし、一緒になって安心して笑える。
（どこまで話を脚色しているかは知らんけど笑）

お笑い界の頂点に登りつめて
超お金持ち、超有名人なのに、

家では自分で裁縫をしてるとか、人の番組やラジオや話題の作品までくまなくチェックするとか（マジでいつ寝てるの笑）、気軽にファンへのサインや写真撮影に応じてくれるとか、新幹線で一般人相手に東京から大阪まで喋り続けた逸話とか（嬉しいけど迷惑w）、そういう庶民的な一面や親しみやすさ、仕事の時と全く変わらない顔も見えるから、好感度が落ちない。

（恋愛結婚出産関連のちょくちょく時代遅れのデリカシーない話もしてるけど笑）

ジミー大西を可愛がっていたり、若手芸人のスベるネタでも大爆笑していたり、一見残念な人の弱点を面白さに変える天才だと思う。それも相手をバカにすることなく。

あと、タモリさん。
飄々として、淡々として、人のことも自分のことも、あーだこーだ言わない。もはや教養人の枠で「お笑い芸人」という括りではないかもしれないけど。

Mステとか「タモさん絶対この音楽に興味ないだろ笑」って見てて思うけど、だからこそ、その誰にも肩入れしない感じが良い。

タモリさんのことが嫌いな人って、日本にいるの？

それから、所ジョージ。
（コメディアンではあるけどお笑い芸人じゃないか）
自由すぎる。常に楽しそう。まじ憧れ。
生まれ変わるなら所ジョージが良い。

話が逸れた気がする。

とにかく、人を笑わせる人が偉そうな態度をしていては、聴衆はまったく笑えない。

３人とも成功者なのに、
他人に対して全然偉そうじゃない。

この３人まで過去の暴露とかでもしも何かあったら、
私はきっとかなり落ち込むだろう。笑

でも、まぁ、そのときはそのときで、
今私が思っていることは本当。

あと、ブラマヨ吉田も好き。
思いきり人のことを悪く言うんだけどなぜか笑えて、
着眼点も言葉のチョイスも秀逸すぎるし、
ひねくれ加減が異常で面白すぎる。

なんだろうあの人。
お笑い芸人として天才だと思う。

話は戻るが、芸人の仕事の裏側、自己申告の苦労話、笑いの細かい説明、売れたい売れたいばかり言う人、リアルなお金の話とかも正直冷める。

「それ、楽屋で話せばいいのになぜわざわざテレビで言うの？私たちは何を聞かされているの？」みたいな、置いてけぼり感がする。

アホっぽく見えるから笑えてたのに、全部計算で仮面だったと分かっちゃうと面白くない。もちろん計算なのはこっちも分かって見てるけど、手の内を明かすのは野暮でしょう。興醒めよ。

お笑い芸人こそ「深刻な悩みなんてないっす！」みたいな感じでいてほしい。
もしくは逆に「こんなくだらない悩みを持ってるんですけど」と弱点をさらけ出すか。（又吉さんとか若林さんみたいな感じ）

最近の芸能人は特に、今の時代の空気感になる前のだいぶ過去のことまで蒸し返されてちょっと気の毒でもあるが、過去だろうと時代だろうと、自分の行動が招いた結果で、被害者がいるなら逃げずに向き合うのが筋だ。

人気商売なんだから、仕方ない。
でも、いくら悪いことをしたからと言って、過激な誹謗中傷や、度を超えたプライバシー侵害はおかしい。それはやりすぎ。

家族、とくに子供がいる場合はあまりにかわいそうだ。何も悪いことしてないのに。

反社会勢力との繋がりやら、某アイドル事務所の性加害問題やら、某歌劇団のイジメやら、これまでの芸能界がいかに真っ黒で怖い世界だったのかが見えすぎて、最近本当に冷める。

今まで応援して憧れてた私たちはなんだったんだよ。
バカみたいじゃないか。
純粋に、選ばれし者たちの特別な芸だけで楽しませてくれよ。夢を見させてくれよ。

でも逆に、そういうことを絶対に許さない健全な時代になりつつあるという意味で、希望も感じる。

芸能人、業界のみなさん、頑張ってください。
（偉そうにすいません）