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このご時世に高熱が出て病院に行った件

 本当はこれを二番目の投稿にするつもりは無かったのだが、時期や状況が酷い有様なので楽しいレポ記事を後回しにしてこんな記事を書いている。なお今日は朝からほぼベッドの中にいて、布団被ってセクシー大根抱き枕を腹に載せてそこでpomeraを支えている状態だ。

寒気の訪れは突然に

 事の起こりは昨日の出社後、朝礼が終わって自分の作業に取りかかり始めてわりとすぐだった。  

 寒い。何だかめっちゃ寒い。体中が震えまくっている。

 自販機のコーンスープを買って両手を温めたが一向に寒気は去らない。飲んでもポカポカしない。作業着着るからとロングカーディガン脱いだのがマズいのかと思って普段はハンガーに掛けっぱなしにしているド派手な黄色チェックのポンチョを被ったがやはり改善されない。流石にスープ二杯はカロリー摂り過ぎだからと売店で貼るカイロを買って(ついでに社内のATMで給料下ろしてVintaインクの代金を振り込んで)戻ったが、腹に貼っても焼け石に水(いや実際は寒いのだからこの例えは妙にしっくりこないなぁ)。  

 あれ、これってひょっとしなくても悪寒か?

 突然ド派手なポンチョ姿になった私を見た課長に体調は大丈夫なのか聞かれ「大丈夫じゃなさそうです……」と答えるしか無かった。しかし健康管理室に行こうにもATMより離れた場所にあり、ブルブル震える自分にはそこまで移動して席に戻る気力は無かった。
 友人にメッセンジャーで「どうしよう悪寒がする」と相談したところ同じフロア内にある救急箱に体温計があるはずだ、と返ってきたので在処を教えて貰って借りてきた。

 検温結果は38.3度。明らかなクロ判定である。

 37.5度以上の発熱がある者は社内立ち入り禁止なのですぐに帰宅しなければならない。
 が、火曜日は自分がオーナーの会議がいくつもあるし月曜が休みだった分進捗報告も書く必要があった。あと、最早社内で自分ひとりしか実施不可能な受け入れ検査の依頼が来ていたし、連休に入る前に投げた質問の回答受領をどうするかという問題もあった。
 進捗資料は報告が上がっていない数値を入れる箇所以外は始業前と悪寒発生前に書き上げていたし、その数値は最悪無くても大した影響は無い。会議は急な発熱を理由に全て中止連絡を送った。重要事項は先週時点でメール展開していたからこちらも大丈夫。回答受領に関しては代行を依頼した。問題は受け入れ検査だがこればかりはどうしようも無い。熱のため今日は検査できない旨をメールするしか無かった。

 後は退社時間を11:00に設定し、座席にいなかった課長を待つ訳にも行かないのでメッセンジャーで早急に帰宅する旨を送り、プロジェクトリーダーにも発熱の件を送った。リーダーはすぐにこちらの座席までやって来てすぐに病院で検査するように言った。  

「え、でも熱が出た場合ってまず自宅待機ですよね?」
「そうだったっけ?」  

 先週の時点で新型コロナウィルス対策のガイドラインが全社員に発信されていたのだが、内容は厚生労働省が出している「新型コロナウィルス感染症についての相談・受診の目安」とほぼ一緒である。添付ファイルはzip圧縮されてたから読んでないのかなぁと思ったがそれは流石に口に出さなかった。まぁとりあえず、これで業務関連で最低限すべき事はやった。体温計とデスクは手持ちの消毒用アルコール(たまたま夏に個人的にボトルで買っていたのを小分けにしているのだ)で拭いておいた。

発熱に対する個人的な本音

――と、ここまで真面目な事を書いてきたが、検温結果を目にしてまず最初に思ったのが、「ヤバい! 明日から始まるスタバのSAKURA第二弾のスタバカード買いに行けない!」と言う余りにも身も蓋もないものだった。私は実家住まいだが両親はグッズの譲渡交換の定形外郵便代理発送はしてくれるが趣味の買い物の代行はしてくれないタイプだし、過去にSAKURA開始の日と姫路出張が被った日に店舗とオンラインストアの代行をしてくれた妹は現在第二子妊娠中である。と言うか前夜顔を合わせた姉が発熱したと知ったら……と考えると到底頼めない。幸いにも体温計の場所を教えてくれた友人が通勤途中に時間があったらと言う条件付きで代行を引き受けてくれたので安心した。今年のSAKURAはカードの種類少なくて良かった。

 次に思ったのは「会社が昨今の情勢を鑑みてワカサギ釣りイベントを中止したのにわざわざ日帰りツアー探して金曜の朝礼の所感で『イベント中止になって悲しいのでちょっと個人的にワカサギ釣り行ってきます、新型コロナに感染しないよう手洗いうがいマスクでちゃんと防護しようと思います』と宣言しちゃったよアイタタタタ」である。ツアー中は食事と温泉以外マスクを外さなかったし持参の消毒用アルコールでしょっちゅう手を拭いていたが、結果はご覧の有様である。いや、ツアーで感染したのもマズいが、土曜日に行ったスポーツジムで罹患していた場合、自分が他のツアー客にウィルスを広めた可能性もあるのだ。もし感染者が続出してニュースとかになったら? 考えるだに恐ろしい。  

「病院に行け」と皆が言う

 とにかく作業着を脱いでロングカーディガンとダウンを着て、シルクストール首に巻いて足早に職場を出た。いきなり帰宅すると両親が驚くので家に電話する。  

「もしもし。会社で熱が出たから今から帰る」
『はぁ!?』  

 母はめっちゃ甲高く大きな声を上げた。体調不良で帰宅すると連絡した場合は毎度この反応である。  

『ちょっと……あんた大丈夫なの? コロナ? コロナなの? 病院は?』
「いやそれは四日熱が出続けてから検査しないとわかんないけど……」  

 母は電話中、とにかく「コロナなの?」を繰り返した。会社の規定ではまず自宅待機だ、と話しても内科を受診しない事については納得しなかった。その後私の置きメッセンジャーを見た課長からも熱は何度だったのか、という電話が来た。そして、部長が酷く心配しているので早急に病院に行くように、と言う指示があった。

 確かに新型コロナばかりが取り沙汰されているが、会社にとってはインフルエンザも罹患者の抱えている業務の停滞、並びに周囲へのウィルス伝播という点に於いては大きな脅威である。今年度は小学生時代以来初めてインフルエンザワクチンを接種した年だったのだが、ワクチンとインフルエンザウィルスの型が違えば罹患するらしいし、「気に掛かる点」もあるので内科を受診する事自体は理にかなっているだろうと考え直した。  

病気の正体

 自宅の最寄りの内科に行き、受付そのものをして貰うのにかなりの時間を要したが、問診票と体温計を渡されて必要事項を記入した。問診票を提出するとすぐに検査室に通された。
 熱はなんと39.5度まで上がっており、後頭部あたりにじわっとした痛みがある。市販薬含めてこの熱に関して薬の服用は無し。症状は高熱、悪寒、頭痛、身体の痛み――そう、これら四つだけなのだ。

 私が風邪を引く場合、必ずと言って良いほどまず喉に痛みを感じる。当然ながら熱とくしゃみ鼻水も後から追いかけてくる。そして内科で貰った薬を飲みきっても咳だけが直らず、最も酷いケースでは一ヶ月ぐらい声が出なかった。耳鼻咽喉科に行って漸く治る。最早最初から耳鼻咽喉科行った方が早いのではと思ってしまうのだが、会社はインフルを警戒しているのでやっぱり最初は内科が妥当という事なのだろうか。  

「自覚症状はこれだけですか?」
「はい。咳も鼻水もありません」
「見た限りお元気そうですよねぇ。でもお熱は高いですからインフルエンザの検査はしましょう」
「お願いします」
「これ(※長い綿棒のようなもの)を鼻の中に突っ込むんですけど大丈夫ですか?」
「はい。耳鼻科で慣れてます」  

 そして鼻の穴の両方に綿棒を突っ込まれたのだが、痛いと言うより何だかおかしくなって私は終始笑っていた。どう見ても変な奴である。
 検査結果が出るまで十五分ぐらい掛かるというので、検査室のベッドに寝かせて貰った。とはいえ「お元気そう」なので眠れる訳が無く、カーテン越しにスポーツジムとワカサギ釣りの話をした。途中で検診予約の電話が掛かってきたので黙ったが、何だか深刻そうな内容だったので正直非常に気まずかった。
 検査結果が出ると、ベッドから出て診察室に行くよう指示された。そこに担当医の方がいて、結果を説明してくれた。  

「インフルエンザは出てないんですよねぇ」
「あ、そうですか」
「でも、咳も鼻水も無いんですよね? ちょっと口を開けてください」
「はい。あー」
「(私の舌をヘラで押さえながら)うん、喉は凄く綺麗」

 それから聴診器による診察、背中を叩く検査をし、担当医の方は尿検査をすると宣言した。
こちらの検査結果はインフルの検査より早く出た。  

「思った通り白血球が多いですね。やっぱり腎盂腎炎でした
「じんうじんえん???」  

 どうやら尿道から細菌が入り腎臓の腎盂というところに感染すると起きる病気らしい。身体の構造上、女性の方が罹患しやすいそうだ。
 また、ツアーで頻繁にトイレに行けたか、と言う事も聞かれた。それは休憩毎に行けたので大丈夫、普段の勤務中も別に問題は無いと答えた。ただし普段の勤務時間と水分摂取の少なさは問題視された。ストレス、過労、冷え、そして水分不足も腎盂腎炎の引き金となるらしい。
 それから私のiPhoneに入っているお薬手帳アプリの情報を元に処方薬決めに入ったが、どうも別件で定期的に服用している薬の一つが腎盂腎炎に効く薬のどれとも相性が悪いらしい。

「○○さんはお腹をよく壊す方ですか? それとも便秘のほう?」
「アッ(察し)」  

 どうせ回復するまで出社はできないし問題ない旨伝えると診察は終わった。受付でお金を払い処方箋を受け取り、近くの薬局で薬を処方して貰って帰宅した。  

病院から帰った後

 まず母に診断結果を伝えると、こちらが冷えのヒの字も出していないのに即座に「あんたいつも布団じゃなくて大根被って寝てるから……」と蔑んだ目で見られた。わりと事実なので反論しようが無い。また、スポーツジムに行く際に「どうせダウン羽織るし帰りは風呂入って着替えるから」とTシャツ+夏物素材のハーフパンツで出掛ける事、普段ストッキングを履かない事、防寒性の無い下着を身につけている事をこってり絞られた。
 私のその時のボトムスが夏物のペラペラのガウチョパンツだった事も母の説教に拍車を掛けた。だってどうせ平日は会社との行き来だけだし社内では作業着の上着さえ着てればほぼ正装扱いだし暖冬でボトムスがペラペラでも割と平気だし……一応休日に特別な外出をするときはそれなりに服は選んでますよ? ただ普段全くやる気が無いだけで。しかしやる気がなさ過ぎて腎盂腎炎を呼び込んだ可能性は非常に高いので、反省して滅多に使わないジム用の長ズボンと母から貸与されたズボン下を履き、課長と友人に診断結果を連絡してからベッドに潜り込んだ。大根では無くちゃんと布団を掛け、その上に大根を載せるスタイルである。  

 翌日、つまり今日の朝、体温を測ると薬が効いたのか37.1度まで落ちていた。しかし平熱より高いので身体は熱っぽいし頭痛もある。あと下腹が痛い。前日に友人に「37.5度切ったら自分でスタバ行く」とLINEして「(平熱が35度台なのに)無理すると悪化するよ」と窘められたのもあって、課長には大事を取って今日も休む事、今日予定していた会議は新人に任せる事、プロジェクトリーダーにも休みを伝えて欲しい事をメールした。それから朝食後、古いパジャマ(ズボンのゴムが切れていてずるずる)に着替えてベッドに戻った。
 幸いにも今日は朝以降は回復の一途を辿り、私はインク沼系イベントの予約解禁を待ち構えたり、無事にスタバカードをゲットしてくれた友人が社内特別販売のお菓子を代理購入してくれると言うのでリクエストしたり、新刀剣男士の情報に喜んだり、こうして今回の件をpomeraに打ち込んだりしている。この調子だと明日は普通に出社できるだろう。代わりに申請無しで残業できるギリギリまで仕事しなければならないだろうが。  

最後に

 一連の出来事で私は、風邪やら肺炎やらインフルやらとは違う「高熱が出る病気」の存在を知った。後でちょっと調べたが、下手すると腎盂腎炎から敗血症に至る場合もあるらしく、律儀に自宅待機していたら運が悪ければヤバい事になっていたかもしれない。  

 また、会社(或いは国からと言っても良いだろう)から明確なガイドラインが提示されても、実際の現場(若しくは周囲の人間)の方が「検査結果による安心」を求めるものなのだな、と思った。そう言えば毎年上司からは「体調不良の場合はインフルエンザかどうか必ず検査を受けること」って言われるしな。インフルエンザの検査なら鼻に綿棒突っ込まれるのを我慢すればサクッと終わるから良いけど。ただ病院で他の病気を貰ってくる可能性もあるのでしっかり自衛はすべきだと思う。  

 新型コロナウイルスに関する様々な混乱はまだ続くと思うが、体調不良の場合は「まずは新型コロナ」ではなく「まずはそれ以外の病気」の可能性を考えた方がいいかもな、と言う話でした。  

 ああ、職場やはとバスツアーの参加者の皆さんに感染るような病気じゃなくて本当に良かった。

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