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【道具図鑑】宝船桂帆柱(4)十遍舎一九×歌川広重


百工具之図

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻

<百工具之図>
矩曲尺まがりかね  ぶんまはし すみつぼ  墨指すみさし  のみ  壺鑿つぼのみ  つばのみ  いしきりのみ

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻

てをの  両  片刃  やりかんな  なまぞり  前かんな(おけやにて用る  なまぞりは佛神に用る)  正直せいじき大かんな  銫(大かんなを正直といふ  桶やならびに経木または硫黄木つけぎをけづるにこれをもちゆる)

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻

のこぎり  引まはし  ねずみがゞり  大鋸台切だいきり  前挽まへびき  みな木挽こびき用る  きり  三稜みつめぎり

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻

三又ぎり  壺錐つぼきり  もじり  舞錐まひぎり  内鑯うちせん■ [やねふき茴+月] 屋  こけら板へぐに用る)  外《そと》せん  源翁げんおう   

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻

■ [金かなづち+奄]  やすり  雁岐がんぎやすり(けだものつのをする用)  柊■さいづち [木+発]  よこづち  ■■かけや  たがね  釘抜くぎぬき  泥鏝こて  つるくび  やなぎば    

※ 「■■かけや」は、掛矢かけやのこと。


家宅之用

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻

甘堝るつぼ  かなとこ  ならし

<家宅之用>
むね
むね屋根やね頂上てうじやう をいふ。いらかは上にありて屋根をおほふ所をいふ。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻

のき
のきは、屋根やねの下たる所なり。ひさしといふは、軒の下につぎたすをいふ。飛檐ひゑんといふは、堂殿とうでんの屋根 二重たるきにして上はのび下ちゞまり、四すみそりおこるかたちなるを いふなり。

※ 「のき」は、のきのこと。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻

うつばり
屋根やねのはしらを棟木むなぎといふ。そのむねをふものをうつばりといふ。梁の上のはしらをたりといふ。ますがたは、はしらの上の方なる木なり。ひちき胘木ひちきなり。けたをかけたまはる木なり。

※ 「ひちき」「胘木ひちき」は、肘木ひじきのこと。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻

ますがた 升■ [开+久]  けた
けたは、やねの横木よこき也。のきのはし四へんによこたふものを 軒桁のきけたといふ。棟木むなぎと軒桁との間にあるものを母屋もや桁となづく。どうの軒桁の丸きものを 丸桁といふ。橋のけたを ゆき桁といふなり。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻

ぬき  和名 貫
凡、いへはしらあなをほり、横木をつらぬきそう柱をぬふものを ぬきといふ。たとへば、柱は経線たていとごとく、ぬきぬき糸のごとし。故に名づく。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻

たるき  和名 垂木
たるきむな木の上屋根やねをうくる木なり。大抵たいてい、方三寸ばかり大小ありといへども、三寸と名づく。いた屋、くさ屋におほくは丸き木、または竹を用るもおほし。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻

博風はふ  破風  きつね格子がうし  蟇脵かいるまた  障泥あをり
博風はふむね耑表はなおもてむかふ所なり。丸くそりたるを から破風はふといふ。梁行はりゆきのきとがりたるむねを出すもの 障泥あをりといふ。

※ 「のき」は、のきのこと。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻

むねかたに小棟を よせかく るものを千鳥ちどりと名づく。懸魚げぎよの下の格子かうしきつねといふ蟇脵かいるまたは、破風はふの下にかいるもゝたるゆへに名づく。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻


もん両戸りやうこあは出入でいりつうずるものなり。冠木かぶき門は、四つのはしらをたて、そのふたつは こしがた のかはり扉をとゞむ。ほたて は門の両方の木なり。凡、もんはしらはおほくはまるくして、とびらをつけがたきゆへ、そばにひらたき柱をたつる。これをほたてといふ。ちとたてたるほこかたちたる故、ほこだてとも。また、くちのかたはらのほう、がまちに似たるゆへ ほうだてともいふ。まぐさは 門戸の上 横梁よこうつばり なり。けはなし蹴放けはなし 也。門戸の下よこ木内外のかぎりをなすものなり。こしがたは門のくひにて とびらをとゞむるなり。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻

あぶみかはら  おに瓦  ひら瓦  つゝみ瓦  まる
つゝみ瓦は ともへ瓦をいふ。花瓦あぶみがはらとは 唐草からくさのこと也。

※ 「つゝみ瓦」は、包瓦つつみがわら堤瓦つつみがわらのこと。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻

鵄尾くつがた鳥衾とりふすま 瓦。蚩吻しふんとは ■瓦しやちほこ のことなり。ひら瓦、まる瓦あり。ともへ瓦は 丸瓦のはしそこあり。巴のもんある故に名づく。唐草からくさ瓦は 平瓦のはな 水草のもんをつくる。ちと あぶみかたちなる故に名づく。おに瓦は 方形にしてすその両はなまき蕨手わらびての如く をにおもてをつくる。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻

または、木いたにてもつくる故、おに板ともいふ。獅子しゝぐちは 三の 鳥衾とりぶすま をいたゞき、おもてになみの文をつくる。むねはなにおきて おに瓦にかふる也。きく丸は 色よりちいさく菊のもんをなして、むねの上にならべかさねおくものなり。輪違わちがひは 形 爪甲つめたり。故に ●瓦といふ。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻

則、きく瓦の上にならべ、輪違わちがひの文の如くなす。いらかのかざりとするもの也。女牟度めんど瓦は 丸瓦の半ぶんなるもの、屋根やねの丸瓦のあはひに用ひてすきまをふさぐ。たてがはらは 壁のこしへいに用ゆ。しき瓦は 石畳となすもの。

※ 「女牟度めんど瓦」は、面戸瓦めんどがわらのこと。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻

土■どゐかはらは、そのかたちつゝのごとく 中にうづめて水道すいどうとす。井戸瓦は 石垣いしがきのかはりとなすもの也。凡、瓦数品すひんありて枚挙まいきよせず。呂氏●●●●が曰、とう者の瓦をつくる ● 円●●●●して、割分わりわかつ ときは瓦なり。また あはす時は円にして、その瓦のしつを失はずといへり。


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