淡路国　鯛ぶり網之図

鯛は、海中、巌石がんせき多き処に集り、是をとるに不便なるゆゑに、「ブリ」といふて、長さ三百二、三十尋計りなる縄へ、糸にてうす板を付、水中をひけば、木この葉はの散乱する●●●●なるがゆゑに、魚さそはれて中流にたゞよひ、「ブリ」の真中にあつまる。此縄を引に、舟七艘にして、乗人卅一人也。

同　鯛網之図

縄の両端はしへ、各船二艘つゝをつけ、網舩二艘は先に進みて、麾ざいをふり、又、一艘は縄の沈まざるため、真中を採り、麾ざいをふりて号令ごうれいを下す。然して、魚の集たるを見て、先に進みたる網舟、後ろに廻り、網をはれば、初の二艘縄を放つ。網舟の二艘、港板●●●をやり違ちがえて、網をしぼる。余の舟、たま網にて網中の魚をとり、小舟●つす也。

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