たまに混線して通信に不具合が・・・

　ここまで聞いていた代役さんは何だか急に慌て出しましたよ。
『そっ　そうですか。どうも行き違いがあったようで、あなた様はまだ【お迎えの儀】の対象者ではないようです。いえいえ　だっ　大丈夫です・・・まだ宙に浮かんではおりませんので何とか間に合います。』
『何とか間に合いますってどういう事です。手違いじゃすまされませんよ。』
『はあ、実はあちらの世界でもお釈迦様との通信は勿論、現世との通信も今ではインターネットを使っておりまして、あなた方がお坊さんをネットで予約されますと自動的にあちらでの【お迎えの儀】の準備が開始されるんでございます。勿論その真偽の程は都度確認するにはするのですが、たまにホントたまになんですが通信に不具合が生じる事があるようでございます。』
『それって危険でしょ。問題ありすぎですよ。大丈夫なんですか。』
『言いにくいのですが、今回の件はアルバイトの私が混線させてしまって　それであちらの世界の【お迎えの儀】の準備が始まってしまったらしいのです。』
『罪深い手違いですよ、それは・・・』
『しかしまあ　単なる混線だったとわかったことですし、こうしてお会いできましたのも何かのご縁。あちらの世界の良い物件など現世にお戻りになる前にちょっとご案内させて頂きたいと思いますが。』
『ちょっと待って下さいよ。私はね分譲住宅の下見に来ているわけじゃないんですよ。』
『こんなチャンスは生きている限り二度とありませんよ。私ども自慢の天国不動産の住み心地の良さ十三番人気のいい物件をご紹介できますがね。』
・・・なんですかその中途半端な十三番人気ってえのは・・・・・