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日ハム栗山監督が、退団を示唆するコメントを出し、暴行事件中田は今後どうするのだろうか?

NPBは、東京五輪の開催に合わせレギュラーシーズンの消化を一時止め、閉幕を待って再開したことはご存じの通りだ。その為、野球と言えば五輪の侍ジャパンの動向となり、無事に金メダルを獲得して日本中の野球ファンを狂喜乱舞させたわけだ。
その間、NPBもオープン戦的なエキシビジョンマッチを開催し、代表以外の選手の体調維持を図っていたのだが、そこでとんでもない事件が起きてしまった。
北海道日本ハムファイターズの中田翔内野手が同僚選手を暴行し、球団が自宅謹慎と出場停止を決定したのだ。
東スポの記事になる。


日本ハム・中田翔がチームメートに暴行行為 即時に自宅謹慎&出場停止処分
2021年08月11日 15時14分
 日本ハムは11日、中田翔内野手(32)がチームメートに暴行行為を働いたとして自宅謹慎、出場停止処分を科したことを発表した。
 球団によると中田は4日、函館で行われたエキシビションマッチ・DeNA戦の開始前、同僚であるチームメート1名に対して暴力行為を行ったことが判明したという。
 球団は試合中直ちに同選手へ球場からの退場と自宅謹慎を命じるとともに本件についての調査を実施。この日までに、中田選手本人、および該当行為を受けた被行為者である選手と事情を知る選手・スタッフらに対して詳細な調査を実施した結果、被行為者より本件を大事にしたくない旨の申告があったこと、中田選手が深く反省していることの諸事情を踏まえてもなお中田選手の行為は統一契約書第17条に違反し、野球協約第60条(1)の規定に該当するものと認定したため、同選手に対して、当面の間、一軍・ファーム全ての試合の出場停止処分を通達した。
 日本ハム・川村浩二代表取締役社長兼オーナー代行は以下のコメントを出した。
「このたびの中田選手の出場停止処分に際して、ファンの皆様、関係者の皆様にご心配をおかけしますこと、ご不快な思いをさせますことに、深くお詫び申し上げます。暴力はいかなる社会であれ、決して許されるものではありません。ましてや中田選手は球団の主力選手であり、顔であって、全ての選手の模範とならなければならない存在です。中田選手が行った行為は、プロ野球が青少年の健全な育成に寄与し、夢を与えるエンターテイメントでもあることの信頼を著しく傷つけるものです。そのため、当球団はこの行為に対して野球協約に則り、厳正な対応をとることとしました。併せまして、暴力は決して許されないことを全ての球団関係者に再徹底し、選手についてはさらなる教育と指導を通じて、コンプライアンスおよびスポーツマンシップの向上を遂げることにより、ファンの皆様の信頼回復に努めてまいります」
https://www.tokyo-sports.co.jp/baseball/npb/3514936/


この時、チームは函館へ遠征し、横浜DeNAベイスターズとの試合に臨んでいた。
中田は、その試合前練習の際に日ハムの選手を暴行し、被害を受けた選手はその件をチームへ伝えようとしていたものの試合までの時間がなく、結局「事情聴取」が試合中に進められた。中田は、この試合に1打席のみ出場したものの聴取が終わったことを受け、そこで交代となっている。
この後、球団から無期限の自宅謹慎と出場停止の決定が下され、東スポの記事のようにそれが公表されている。

当時、被害を受けた選手が誰だったのかは伏されていたのだが、スポーツメディアが取材を敢行し、あっという間に候補が絞り込まれてしまっていた。
Yahooに転載されたデイリー新潮の記事になる。


日ハム「中田翔」暴行事件の被害者は「27歳中堅投手」 後輩イジりが原因か
 これから後半戦という矢先、球界から衝撃的なニュースが飛び込んできた。8月11日、日本ハムは、中田翔(32)がチームメイトに暴力を振るっていたことが判明したため、出場停止処分を科したと発表した。被害者は入団6年目の中堅投手だった。
「どうやら中田の後輩イジりがきっかけだったようです。イジりの度が過ぎて言い争いが起き、中田が手を出したと言われています」
 こう明かすのは球団関係者である。事件が起きたのは8月4日。函館で行われたDeNAとの練習試合前のことであった。
「被害にあったのは、入団6年目の投手・井口和朋(27)です。東京農業大学在学中にユニバーシアードで活躍後、2015年にドラフト3位で日ハムに入団。1年目は中継ぎとして37試合を投げるなど活躍を見せました。その後、試験的に先発に回るなどしましたが、今は中継ぎとして落ち着いています。派手さはないものの、今季も19試合に登板し、防御率1.76とまずまずの結果を残しています」(同)
 井口はもともと中田を慕う後輩の一人だったという。
「“清原2世”とも称される中田はやんちゃで知られていますが、後輩を食事に連れていくなど面倒見はいい。井口もその内の一人だったので、いったい何があったんだとみんな訝しんでいます。よほど、ねちっこい後輩イジリをしたんじゃないか。慌てて周囲が止めに入ったが、井口は脳震とうを起こしてうずくまっていたという証言もあります」
https://news.yahoo.co.jp/articles/e0ed7f89ca6f84b75ac2076038ed279c0d5db74d


被害を受けたと言われているのは井口和朋投手で、我が神奈川の武相高校から東京農大北海道オホーツクへ進学、2015年のドラフト3位で日ハムへ指名され、プロ入りを果たしている。2016年から早速ブルペンで起用され、この8月17日までで通算165試合に登板し3勝3敗2S24H、防御率は3.37をマークしている。

野手の中田と投手の井口が「ツルむ」という光景がなかなかイメージできないが(元ロッテの里崎などの話によると、基本野手陣と投手陣はグラウンド以外で顔を合わせることがない、ということらしい。仲良くしようにも、交わる場面が希少なのだそうだ)、それもチームが変われば空気も違う、ということなのだろう。もしくは、ファイターズが北海道を唯一本拠地にしているチームなので、独自のチーム文化が出来上がっているのかもしれない。
何にせよ、デイリーの記事によれば「大将」と呼ばれている中田はその名の通り面倒見がよく、後輩としてチームに加入してきた井口も中田の「お付きの一人」的な存在だったということのようだ。
なので、他の選手よりも火種を抱えやすい環境にあったことは想像に難くなく、今回の暴行も昨日今日始まったトラブルというよりも、長い年月の間に積み重なった部分が左右した面もあるのではないだろうか?

その証拠に、中田の後輩いじり?いじめ?は以前から有名で、こういう動画がyoutubeでも過去に配信されていたほどだ。
ちなみに、この動画で「やり玉」に挙がっているのは、侍ジャパンで見事なリリーフ登板を見せた伊藤大海投手だ。4月にアップされた動画なので、まさにプロになり、1軍に合流した直後あたりで中田の洗礼を受けていたことになる。


日本ハム 円陣 いじめ発覚exclamation ×2exclamation & question 中田翔 バット折り キレる 万波中正 プロ野球 ライブ 日本ハムファイターズ 万波 声出し ホームラン 伊藤大海
https://www.youtube.com/watch?v=sCW5RzDNEKs


井口も初年度からこうしていじられてきたとなれば、今季で6年目、「中田生活」も決して短いものではない。

中田の俺様ぶりは有名で、おいらなど随分以前から清原にそっくりだなぁ、という印象があった。西武で全く注意を受けなかったばっかりに、清原が「ああなってしまった」ことは有名だが、同じ空気が日ハムの中田にも感じられたのだ。二人とも高校時代にスラッガーとして名前を売った逸材で、しかもプロ入り後すぐに頭角を現した点も似ている(清原は初年度から1軍、中田は2年目からと若干遅れてはいるが)。方やPL、方や大阪桐蔭とどちらも「大阪育ち」だ(中田の出生地は広島だがw)。もちろん、中田も先輩清原の存在は知っていたはずで、どこか真似ようとしていたのかもしれない。・・・まぁ、大阪のお兄ちゃんなんてみんなああいうものなのだろうけれどねw
清原も、西武時代は大塚が子分のようにつきまとっていたし、巨人へ行けば元木が清原組の若頭的な立ち位置にいた。中田にもやっぱりいじられ役で杉谷がいて、井口もそうだったというわけだ。清原が子分へ暴力沙汰という話は聞いたことがないが、中田はそうではなかった、というオチだ。

新潮の記事が出て以降、暴行の影響で井口の登板に支障をきたすような事態にはなっていないようで、それは大変喜ばしいことだ。しかし、脳震盪を起こすほとの衝撃を頭に受けたというのであれば、笑って済ませる話ではない。事件当時、井口は事を大げさにしたくないということで球団に対してのみ報告したに留めているが、結局漏れてしまった以上、もう隠す必要はない。少しでも違和感が残っているのなら、傷害事件として警察へ被害届を出すべき事案だろう。少なくとも、中田から被害を受けていたであろう他の選手にとっては、黙っていることが逆に不信感につながることもあるはずだからだ。

何にしても、今季の中田はこの事件を起こすまでについても、不可解な場面が多かった。
短縮シーズンながら昨季108打点をマークした中田は、しかし今季になるとオープン戦から不振に苦しみ、開幕後も復調せずに35試合消化の時点で.197、4本塁打と打撃は低迷、4月7日の対ソフトバンク戦では、三振に腹を立ててバットを投げつけた後、ベンチの裏へ行った際に足を滑らせて?右目を負傷し、この様子を見た栗山監督が中田の交代を決めた、という事件を起こしている。
中田は、結局5月に志願して2軍へ降格している。そこで復調し、1軍へ戻るもすぐに腰痛を発症し、また2軍へ戻るというドタバタも演じている。このあたりの落ち着きのない立ち回りに、実は暴行事件的な騒ぎをチームで起こしていたのではないのか?と睨んでいる。腰痛?腰痛ねぇ・・・、という怪しい感じなのだ。

今季の日ハムは、昨年まで我慢して1塁で起用を続けた清宮の2軍スタートを決めるなど、栗山監督が希望しているのであろう「ドラ1偏重のロースター」をやめ、フロント主導の陣容決定という色が濃くなっている。侍ジャパンの監督だった稲葉が任期切れを理由に降板を表明したことを受け、来季は日ハムの指揮をとるのでは?という噂も流れている。つまり、もう栗山監督が選手を過度にかわいがることが難しい状況にチームはある、という雰囲気なのだ。

そんな中で、中田の立ち位置も不安定なものになっていた。2012年に栗山監督がファイターズの指揮をとるようになった際、生え抜きドラ1の4番は別格扱いで「ファイターズは中田翔のチーム」と広言して憚らなかった。もちろん、それで中田もいい気分になってバットを振れたのだろうが、甘やかされ、清原化が進む原因にもなってしまったように思う。
難しいもので、大谷のように目の中に入れても痛くないとかわいがった末にメジャーで大成した選手もいれば、ハンカチ斎藤や清宮のように、えこひいきだと陰口をたたかれるほど重陽しても芽が出ないケースもあったのだから。中田の場合は、2011年まで梨田が監督として面倒を見ていたとはいえ、栗山にとってはまだ二十歳そこそこのかわいい坊主、だったのだろう。そのあたりの感覚はよくわからないが、以降の「腫物に障るような扱い」を見れば、大谷や清宮と同じ目線にあったことが今ならわかる。

しかし、そういう「大目に見てくれる」人間に囲まれて、中田はどうだったのだろうか。
転機としてはFA権を獲得し、実際に阪神へ移籍するのではないか?と見られていた2017年だ。この時、(毎度の如くw)右の強打者不足に苦しんでいた阪神が、FA宣言すればすぐに獲得の手を挙げる!という話は公然の秘密になっていた。しかし、中田は16本塁打、打率.216と極度の不振に喘ぎ、結局時期尚早と日ハム残留を決めている。
しかし、実はその裏で阪神は成績以上に中田の「先輩後輩を問わず横柄な態度」を問題視していたと、今は言われている。なので、成績が悪いことを盾にできる、と阪神はほっとしていたというのだ。
この時から既に、暴行事件を起こす芽のようなものを他球団もわかっていた、というわけなのだ。

こう考えてみると、今日になって栗山監督が放出を示唆するコメントを出したことの意味は、ものすごく大きいと言わざるを得ない。
スポニチの記事になる。


暴力行為の中田 日本ハム放出も!栗山監督 復帰は「このチームでは難しい」他球団での再出発を示唆
スポニチアネックス
 日本ハムの栗山英樹監督(60)が16日、神戸市内のチーム宿舎で同僚選手への暴力行為で出場停止処分を受けた中田翔内野手(32)について初めて言及。今季中の1軍復帰は厳しいとの考えを示し、他球団での再出発を探る可能性も示唆した。12年の監督就任以来4番として期待を懸けた主砲の愚行に現場のトップとして謝罪するとともに、今後に中田本人が謝罪会見を行うことも明かした。
 発せられた言葉には苦渋の思いがにじむ。初めて中田の暴行問題について言及した栗山監督は「時間は凄くかかる。今すぐ“はい、どうぞ”と何もなかったように戻れるという話ではない」と今季中のチームでの1軍復帰を否定。さらに「正直、このチーム(での復帰)は難しいと思っている」と退団の可能性も示した。
 過去にも不祥事を起こした選手が新天地で再出発を図ることは多く、今季は今月末までがトレードなどの補強期限。ただ今回の処分理由は「暴行」でイメージは最悪だ。栗山監督は「(他球団に獲得を)お願いします、というものでもない。何かいい方法はないのか」と複雑な胸中を明かす一方で「中田が他球団でのプレーが最善と判断したら、その可能性もあるか?」との問いには「いろんなことが全て可能性なのかもしれない」とも語った。
 中田は4日に行われたDeNAとのエキシビションマッチの試合前にベンチ裏で同僚1人に暴行し、11日に球団から1、2軍の全試合の出場停止処分を科された。球団内での協議に時間を要したことで、取材対応がこの日までずれ込んだ栗山監督は「誰が一番悪いのかといったら監督である私自身。責任を凄く感じているし申し訳ない」と陳謝。現在も札幌市内の自宅で謹慎中の中田とは電話で話し合い、今後に謝罪会見を開く予定であることも明かし「次のステップを踏むためにはちゃんと謝り、言われることも受け止め、我慢して前に進むしかない、と伝えた」と語った。
 もちろん謝罪会見を開いても厳しい状況に変わりはない。今季は3年契約の3年目。栗山監督は親心で「彼の人生にとって野球をやるべき」と話したが日本ハム、他球団でもプレーする道が断たれれば現役引退に追い込まれる可能性もある。残り59試合で借金14の最下位から浮上する兆しもないチームは、15日までの後半戦開幕のソフトバンク3連戦で4安打しか打てず2敗1分け。年俸3億4000万円の看板選手が支えてくれていた周囲の人々を裏切った代償は、あまりにも大きい。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/07e2c2c9439fa233ceee69ab8fd01e030d2fc956


栗山監督が、球団のイエスマンになっていることは清宮の今季2軍スタートでも明らかだ、という話をここまでに書いているが、それを思えば中田の退団示唆は球団の意向を栗山が代わりに語ったと見るべきだろう。中田にとっては今季が3年契約の3年目で、本来ならもう来季の契約の話を始めていてもおかしくない時期だったはずだ。だが、それでも退団という言葉が出てきたのだ、もはや日ハム残留の芽は微塵もないと見ていいのだろう。
中田、そして日ハムにとって幸運なのは、今季は特別ルールの採用でトレード期限が8月31日に設定されていることだ。


NPBが新戦力獲得期限を今季に限り1カ月延長 トレード、新外国人、支配下昇格は8月31日まで
https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2021/06/23/kiji/20210623s00001173362000c.html


つまり、まだ他球団へ放出することができるタイミングにはある。
だが、例えばコロナ不倫に球団への虚偽報告を重ねて出場停止から契約解除になった元ロッテの清田は、結局今も他球団から契約の声がかからないままだ。やはり、曰く付きの選手を敢えて獲得するほどNPBは甘くないということなのだろう。なので、中田がトレード市場に出てきても、獲得の声を挙げる球団はないと見るしかない。

中田がこうなってしまった背景に、中田より目立つ選手が日ハムにいなくなったことがあるのかな?とは感じた。
入団した時にはダルビッシュがいて、以降は大谷に寿司パフォーマンスのレアード、と中田が矢面に立つ前にメディアの前に立ってくれていた選手がいた。しかし今季は、ついに清宮も1軍から降格してしまい、いよいよ中田の一挙手一投足が注目されるようになった、それがこれまで以上に中田の後輩いじりをクローズアップさせることになってしまったのではないのだろうか。考えてみれば、頼みの杉谷も1軍常駐ではなかったわけで・・・。

まぁ、全ては次の監督がこれからの日ハムをどう考えるか、そこにかかってくるのだろう。もし本当に稲葉が戻ってくるのなら、選手時代の最後に面倒を見た中田に今一度目をかける、という判断もないとはいえないし、逆に中田を迷惑に思っている選手たちの本音を知っているがゆえに、中田放出を決めるかもしれない。
その上、今季の中田の不振が単なる調子の問題だけだったのか、実は2度目の2軍降格の理由になった腰痛が本当の理由ではないか?など色々わからない点が多く、読みも効かない。もどかし限りだ。

中田も、今は自宅で謝罪会見の準備を進めているはずだ。まさか、引退会見にするつもりじゃないだろうな?とは思っているのだが・・・。

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