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金が無いロシア、プーチンは見苦しくルーブルを送れと各国へ上から目線で騒いでいるがw

有事の際、それに関わっている国が発表する情報を100%信用することはできない。自軍が有利になるよう、敵軍の攪乱を狙って、目的はそれぞれだが、虚々実々の駆け引きを情報戦の形で展開するものだからだ。なので、それを見て発信する側も、嘘か否かを判断しながらが鉄則となる。
だが、あまりに荒唐無稽なネタが飛び出してきて、いくら何でもそれはありえない、と見ていたものが、いくつかの情報が重なり、点と点がつながり線となった時に、初めて話が現実味を帯びてくる。そして今、ロシアを巡る動きがつながっていこうとしているように見える。
というわけで、今日は緊迫するロシア情勢を伝えるネタを羅列しながら、つながる線がどこへ向かって行くのかを探ってみたいと思う。
キーワードは「4月4日」だ。

●ロシア軍が垂れ流す戦費は留まる所を知らず、ついに1日3兆円に達するって?●
最前線で戦う兵士のレーションさえまともに支給できないほどロシア軍は困窮している、という話が流れて久しい。何しろ、捕虜になったロシア兵が携行していたものの消費期限が7年前だったという衝撃的なニュースが画像と共に配信されているのだ。量も足りず、ウクライナ人に食事を恵んでもらい涙ぐむロシア兵の姿まで晒されている。こんなザマにありながら、いくら軍資金は潤沢だとロシア政府が発表しようが、それを真に受ける者はいない。
そんなロシア軍にとって、26日に最新鋭のミサイルを52発も発射してしまったことが、今さら重く圧し掛かっているという。なんと、その費用だけで400億円が吹っ飛んだとのことで、そんな大金を叩いてさしたる戦果も挙げられなかったことをプーチンが激怒したらしい。それもそのはずで、ロシアが背負う戦費は1日3兆円にも及ぼうとしているというのだ。こんなことをやっていれば、国庫にいくらルーブルがあろうと耐えられるわけがない。
読売の記事になる。


ロシアの戦費、英調査機関「1日最大3兆円」…高価な精密誘導弾使用にプーチン氏激怒か
3/29(火) 23:32配信 読売新聞オンライン
ロシアのウクライナ侵攻が長期化し、戦費がプーチン政権の重荷になり始めている。米欧などによる経済制裁で国家財政が苦しくなり、戦闘機の補修やミサイルなど兵器の補給にも制裁の影響が及んでいる模様だ。
露国防省によると、セルゲイ・ショイグ国防相は25日、アントン・シルアノフ財務相と会談し、軍予算の増額について協議した。
ロシアはウクライナ侵攻の戦費を公表していないが、巨費に上るとの指摘が相次いでいる。
英国の調査研究機関などは今月上旬、ロシアの戦費に関し「最初の4日間は1日あたり70億ドル(約8610億円)だった。5日目以降は200億~250億ドル(約2兆4600億~3兆750億円)に膨らんだ」と試算した。露政府の歳入は年間で25兆ルーブル(約31兆2500億円)程度だ。
ロシアの調査報道専門メディア「インサイダー」によると、ロシア軍が26日に発射した52発のミサイルの総額は推計3億4000万ドル(約418億円)だった。プーチン大統領は、ロシア軍が6日にウクライナ中部の空港に高価な長距離精密誘導弾8発を撃ち込んだことに激怒したとも報道された。
北大西洋条約機構(NATO)のジェームス・スタブリディス元欧州連合軍最高司令官は今月中旬、米通信社への寄稿で、プーチン氏は「国民の支持を失う前に金欠になるだろう」と皮肉った。
制裁はロシア軍の補給にも影響する。戦闘機などにはロシアへの輸出が禁じられた部品が使われている。ミサイルや戦闘機の製造に不可欠な半導体も禁輸対象となり入手が困難になった。
戦闘での損失状況を確認している軍事情報サイト「Oryx」によると、露軍は侵攻で戦車約300両など2000以上の兵器や装備品を失った。その数はウクライナ軍の損失の約4倍とされる。https://news.yahoo.co.jp/articles/5ffdafe973bf36ccf5d16bd284f50862f999f9f6


ロシア軍が52発も撃ち込んだ最新鋭のミサイルは、精密誘導弾と呼ばれるものだったらしい。後先考えずスウィッチを押しまくっての乱射状態だったのか、実際はよくわからないが、読んでいる限りでは昭和の漫画「のらくろ」の世界がオーバーラップしてしまう。もしくは、トランプが黒ブタくんを評した「ロケットマン(宇宙飛行士の恰好をした奴が、ロケットにまたがってフラフラ空を飛んでいる、なアレw)」の方が近かったのかもしれない。とにかく、撃つには撃ったが肝になる箇所へは当たらず、結果ロシア軍は前線を後退させているのだ。無駄遣いも大概にしろ、と言うしかなかろう。

で、ロシア政府に何が起きているのか、と言えば、外貨建て国債の踏み倒しという選択だ、ということなのだろう。外貨準備高は底を突き、制裁によって凍結されている部分も含めて、明らかに使える金が足りなくなったに違いない。その為、兵器のメンテナンスはおろか食料や生活用品を輸入する金にも困る事態にあると推測される。だから、せっかくのミサイルもロケットマン状態だったのではないだろうか?となるわけだw

●外貨どころかルーブルもない、苦渋のプーチンが天然ガス代金の支払いを各国に要請●
もはや、ツケにさえ耐えられないのがロシアの台所事情のようだ。プーチンはドイツ首相と電話で会談を行ったが、その際に売買契約を結んでいる天然ガスの代金について、当初はルーブルで払えと言っていたものを、最後はユーロでもいいから入金を、と態度を軟化させて、支払いをしてくれという形にしたようだ。
読売の記事になる。


プーチン氏「天然ガス代金、支払いはユーロで」と要請…独首相と電話会談
3/31(木) 14:06配信 読売新聞オンライン
【ベルリン】ドイツ政府によると、ショルツ首相は30日、ロシアのプーチン大統領と電話会談した。発表によると、プーチン氏は天然ガスの輸入代金を欧米制裁の対象外のロシアの銀行にユーロで振り込むよう要請したという。
ロシアは先進7か国(G7)など「非友好国」にロシア通貨ルーブルでガス代金を支払うよう求めたが、G7は28日、ロシアの要請を拒否すると表明した。
プーチン氏は振り込みを受けた銀行がユーロをルーブルに替えると説明した。ショルツ氏は同意せず、書面での説明を求めた。電話会談はプーチン氏の要請で行われた。
ロシアでは米欧の経済制裁によりルーブルが対ドルで急落しており、輸入品の値上がりにより物価上昇(インフレ)が進んでいる。プーチン氏には、天然ガスの輸出で得たユーロやドルでルーブルを買い支えたい思惑があるとみられる。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c89e0ed627f868fe5fc48cd509d4500548002ac7


だが、どうやら時既に遅し、となりそうだ。西側は、原油だけでなく、ロシア産の天然ガスについても全面禁輸へと駒を進めることになるようで、プーチンは下手に突っ張ってしまった為に、交渉の余地を自らで狭めてしまったと言っていい。

この流れ、普通に考えれば「外貨がないロシアがなぜ自国通貨を欲しがった?」という疑問が生まれるものなのだが、思うにプーチン的には国外にあるルーブルをかき集め、暴落続きの為替相場を少しでも立て直したい、という理解に苦しむ思考があったのではないだろうか。国内で外貨と両替すれば外貨準備が逼迫しているしていることも隠せる、という部分もあったのかもしれないが、逆にこんなことをすれば、ロシアはもう自国でルーブルを刷る金もなくなっている?と更に足元を見られる展開だってある。要するに、支払いの為に国内を極度なインフレにしてでも、という覚悟もできなかった、ともとれるわけだ。ジンバブエやアルゼンチンよりもロシアには度胸がなかったのだなw

まぁ、一時しのぎであっても見栄を張りたい。大国としての奢りとはそういうものなのだろう。何度考えても理解に苦しむがねw

●なりふり構っちゃいられない!ドルでもユーロでもいい、ロシアへ入金せよ!w●
こ・れ・はw
プーチンは、このままではみすみすデフォルトに陥ることになる見て、天然ガス代金のルーブル払いを再度要求したのだが、各国にはその為のルーブルがないことを見越し、ロシアがそのルーブルを出してやるから、ドルやユーロなどの外貨をとにかくロシアの銀行に入金するよう「言い方を変えた」ようだ。謝れない、物を頼めない、は韓国人の特性だが、いやいやロシア人も頭を下げられない点で似たようなもの、ということだ。
読売の記事になる。


ロシア産天然ガス代金、ルーブル払いを再び要求…プーチン氏「応じなければ契約停止」
4/1(金) 4:29配信 読売新聞オンライン
【ロンドン】ロイター通信によると、ロシアのプーチン大統領は31日、4月1日から外国企業がロシア産天然ガスを購入する際に自国通貨ルーブルで支払うよう改めて求め、応じない場合は供給契約を止めると明らかにした。米欧などは拒否する意向を示しており、反発は必至だ。
プーチン氏は31日のテレビ演説で関連する法令に署名したと明らかにし、「天然ガスを購入するには、(外国企業は)ロシアの銀行にルーブル建ての口座を開かなくてはならない。1日から、天然ガスの代金はこの口座を通して支払われる」と語った。
その上でプーチン氏は、「支払いがなければ買い手の不履行とみなす。我々は慈善事業を行うつもりはなく、既存契約は止まる」と述べた。ロイターによると、外国企業が口座に外貨を送金すれば、支払いに必要なルーブルが返ってくる仕組みだという。
外国企業がルーブルで支払えば代金調達でルーブルの需要が高まるため、経済制裁で価値が急落した自国通貨を買い支える狙いとみられる。先進7か国(G7)は3月28日、ルーブル払いは契約違反だとして拒否すると表明していた。
一方、プーチン氏は3月30日、ドイツのショルツ首相と電話会談し、天然ガスの輸入代金をユーロで振り込むよう要請していた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5c542545e09fc3f64c970aebc003aac35a5a0995


それにしても、プーチンも面倒臭い男だ。要するに、支払い用ルーブルを入手する為に、お前らの外貨を担保として差し出せ、という形にしているが、こんな急ごしらえの条件を各国が受け入れるわけがない。そもそも、ロシアはSWIFTから既に除外されているので、送金する手立ては現金をダイレクトに送る的な「紙ベースでの処理」しかない。しかも、送る先は戦争の当事者で、危なっかしくてそんな原始的な手段など使うのもご免だろう。
なので、間違いなく天然ガスの取引自体が中止の形になるはずだ。そう、プーチンは悪足掻きをしたことで、せっかくロシアが持っていた原油や天然ガスという交渉材料を、自分から捨てることになったというわけだ。ちょっとでも頭が働く男なら、まだ動いている天然ガスを殺さないよう、ロシアに残された世界との接点として使う道を選ぶものだが、それができなかった。逆に、世界はロシアなしでも動けるようさっさとシステムを組み替えてしまったのだ。悲しいねぇ。

もちろん、特にロシアの天然ガスに依存しているドイツにとっては、国費を投下して作ったパイプラインの処理をはじめ、国内で起きるエネルギー不足に耐える必要はある。だからこそ、それ以上の打撃をロシアに与える必要がある。そうでなければ、耐え忍ぶドイツ国民に申し開きができない。これはアメリカやEU勢、日本やイギリスなども理解し、フォローしていかなければならない命題だろう。

さしあたって、その最初の狼煙が4月4日に確定しているロシアのデフォルトとなるだろう。

●Xデーは4月4日●
おさらいになるが、ロシアは4月4日に償還される国債をドルではなくルーブルで支払うことを決めている。つまり、予定通り償還ができないということで、デフォルトが確定しているというわけだ。だから今、プーチンは開き直って偉そうに各国へ向け「とにかく金を送ってこい!」と喚き散らしているのだ。
大変恐縮だが、時事通信の記事になる。


ロシア、ルーブルで国債買い戻し 来月4日償還の20億ドル 財務省発表
3/29(火) 23:11配信 時事通信
【ロンドン時事】ロシア財務省は29日、4月4日に償還期日を迎える額面20億ドル(約2500億円)の国債について、ルーブル建てで買い戻す方針を発表した。
ロイター通信が報じた。ウクライナ侵攻に対する経済制裁として外貨準備の半分近くが凍結され、ドルが不足しており、自国通貨に支払いを切り替える。ただ、通貨を一方的に変更すれば、デフォルト(債務不履行)と見なされる可能性もある。
4月4日の償還は年内のロシアの債務返済で最大規模となる。財務省は、今月30日の期限までに買い戻しに応じる意向を示した債券保有者に対し、額面価格の100%相当をルーブルで支払うとしている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/51d163e518684b8b6287cb390699e8765217839b


ちなみに、ロシアは3月16日にも同じ危機を迎えたが、この時はドルをかき集めて何とか支払いをクリアした(確か、171億ドル分だったはず)。1日に3兆円もの戦費を垂れ流して、という話を前項でしているが、外貨に関してはもう「そんな1日分」さえ用意できない、それが4月4日のロシアということなのだ。だって、今回は「たった」70億ドル分だものwミサイル何発分?じゃないw

しかし、実質的には制裁で金を動かすことができない以上、ロシアがいくらルーブルを集めたところで、償還を果たすことは不可能だ。プーチンは、もう操縦している飛行機が墜落する、パラシュートも積んでいない、という中で、必死に無線で金を送れと叫んでいるのだ。これはもう哀愁以外の何物でもなかろうよw

そして、実はもう一つ、特大のロシアネタをまだ抱えているのだが、今日はここまでとしよう。
明日の更新をお楽しみに、ということでw

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