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攻めるも地獄、守るも地獄・・・、デフォルトの始まったロシア経済がプーチンの首を締め上げるw

ロシアの凋落が止まらない。141か国が賛成したとうロシア非難決議が、世界の意思そのものであるなら、そんな世界を敵に回してしまったロシアが生き残れる道を閉ざされてしまったことも当然だと言える。ウクライナを占領できたとしても、孤立した土地が増えるだけではどこにもいけない。ルールを守り共存を目指す、そんな国家運営の基本を見失ったロシアに救いの手を差し伸べる国はない。
というわけで、今日もウクライナ侵攻ネタをかき集めて記事を書いていきたい。

●Xデーは3月16日ではなかった。既にロシアのデフォルトは始まっている●
不払いの危機に晒されていたのはロシア国債だけではなかった。
3月16日から始まる支払いタイミングがロシア最大の難所と言われていたが、ロシアの主要エネルギー企業2社が抱えていた外貨建て負債の返済期限が7日だった。これを回避する為に、プーチンは「ルーブルで外貨建て負債の返済を認める」という大統領令に署名したのだが・・・、それが通らないことを知らないのか?と他国から半笑いされているようだ。何の為の「外国通貨建て」なんだよwとおいらもこの記事を読んで爆笑してしまった次第だ。プーチンの経済素人っぷりも相当だったわけだ。
NRI研究員の時事解説からの記事になる。


ルーブルでの外貨建て債券返済という奇策でもロシアのデフォルトは免れない
3/7(月) 16:50配信 NRI研究員の時事解説
ロシアのプーチン大統領は3月5日に、外貨建て対外債務の返済をルーブルで行うことを一時的に認める大統領令に署名した。この大統領令によると、ロシアやロシア企業の「非友好国」の債権者に対する措置だという。
ロシア中央銀行は3月2日までに、ルーブル建てのロシア国債を保有する外国人投資家に対する利払いを停止した。自国通貨のルーブル建てであれば、利払いに困ることはないはずだが、ルーブルで利払いすることは、ルーブルの国外への流出を意味し、それはルーブル安を加速させてしまうからだ(コラム、「近づくロシアのデフォルト。1998年ロシア危機との違い」、2022年3月4日)。
今回の措置はこうした方針を修正するものだ。またそれは、外貨建て対外債務の返済を進めようとするロシア政府の意思を示すものであり、その狙いは、デフォルト(債務不履行)の回避とみられる。ロシア中央銀行が定めた為替レートに相当する金額を支払えば債務履行と見なされる、と説明されている。
こうした方針転換が突如打ち出されたのは、同国の主要エネルギー企業2社の返済期限が迫っていたためだ。政府系石油会社ロスネフチは6日に20億ドルの債券、政府系天然ガス会社ガスプロムは7日に13億ドルの債券の返済期限を控えていた。
しかし、外貨建て債券の返済を自国通貨に変更するのは、債務条件の変更に他ならない。ロシア側が外貨建てでの返済をしない意思なのであれば、それはデフォルトと言えるだろう。
問題は、海外の債券保有者がルーブル建てでの返済を受け入れるかであるが、その可能性はかなり低いだろう。ロシア原油の輸出制限という先進国からのさらなる制裁措置への観測を受けて(コラム、「対ロシア制裁による原油価格一段高と国内原油高対策の限界」、2022年3月7日)、7日のルーブルの対ドルレートは、1ドル120ルーブル程度と、先週末の115ルーブルから一段と下落しており、史上最安値を更新している。ロシアのウクライナ侵攻前の水準と比較すると、僅か10日余りのうちにルーブルは対ドルで60%もの下落となっている。これは通貨危機に他ならない。
先行き、先進国からのさらなる制裁強化や、ロシア経済の悪化、あるいはロシア国債のデフォルトなど、ルーブルの価値をさらに下げる要因が依然多く控えている状況だ。そうしたなか、価値が下がり続けるルーブルを外貨の代わりに受け取る海外投資家がいるとは思えない。仮に受け取っても、為替市場でルーブルの流動性は急速に低下していると見られ、外貨に換金するのは容易ではないだろう。
結局、外貨建て対外債務の返済をルーブルで行うという奇策は、上手く行きそうにもない。そうした中、深刻な外貨不足に見舞われるロシア政府・企業が、外貨建て債券の利払いや償還を行わなければ、正真正銘のデフォルトとなる。
JPモルガンの分析によると、ロシア国債の海外投資家への次の利払いの期限が来るのは、3月16日である。支払い猶予期間は30日に設定されている。ここで利払いが滞れば、4月中旬にもデフォルト認定が格付け会社によってなされるのではないか。ロシア国債は、着実にデフォルトに向かっていると言えるだろう(コラム、「データで読み解くロシア・デフォルトの衝撃」、2022年3月7日)。
ところでロシア政府は、外貨建て債券の元利返済を停止し、国内株式市場の閉鎖を続け、海外投資家のロシア証券の売却を停止している。これらは、金融市場の自由な取引を著しく制限するものだ。デフォルト以上に、それらは海外投資家の信頼感を損ねる行為と言えるだろう。仮に先行きウクライナ問題が解決に向かっても、海外からの新規のロシア証券への投資は相当期間、封じられることになるのではないか。ロシアは世界の資本市場、金融市場から締め出されるのである。

https://news.yahoo.co.jp/articles/ab5b7f0e3fde60e9f86e35ae64efe200cc1afca4


結論から言えば、この7日の支払いに対応する外貨がなかったことで、ロシアは国債の状況に関係なくデフォルトを起こしたことになる。わかりやすく言えば「ルーブルに信用がないからこそ、外貨を借りて外貨で返す」形の社債を発行せざるを得なかったのに、プーチンはルーブルで返せと指示を出したのだ。それほど混乱しているのか、社会主義経緯あがりが考える資本主義はここまでレベルが低いのか・・・、それはわからないが、こんなことを大統領がやっていればデフォルトなんて簡単に起きる。今すぐ現金で払えという貸主に、半年先から有効になる手形を切り出したようなものだ。バカにするなと机をひっくり返されるバカっぷりなんだぞ、プーチン?w

ま、そのルーブルをドルに両替できて足りていれば支払い自体は完了する。だが、時間と共にどんどんr-ブルの価値が下がっている状態で、さっきまでなら1千億ルーブルで足りていたのに、今はもう足りません、ということが起きる。ならば、と為替差損で消えた分のルーブルを刷って賄ってもまた足りない、が延々続くことだってある。これを避ける為に貸主は外貨で返せ、という条件をつけていたとうことなのだ。わかるか、プーチン?w

●ロシア国債も既に・・・、ムーディーズが再度の格下げを表明w●
再三に渡ってデフォルト危機が叫ばれているロシア国債に対し、アメリカの格付け会社ムーディーズは再度の格付け引き下げを実施した。これによりロシア国債は「もう一つ下がるとデフォルト」という超危険銘柄のレッテル貼りがされたことになる。おそらく一気に6段階はランクが下がったことになるはずだが、これを見た投資家は現金化できるうちに、とパニック売りに奔走することになるわけだ。
大変恐縮だが、時事通信の記事になる。


ロシアは「デフォルト寸前」 米ムーディーズ、大幅格下げ
3/7(月) 21:39配信 時事通信
【ロンドン時事】米格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスは7日までに、ロシアの信用格付けを下から2番目の「Ca」に引き下げると発表した。
「デフォルト(債務不履行)に陥っているか、それに近い状態にある」という認定で、主要国の格付けとしては極めて異例。ウクライナ侵攻に伴う欧米の制裁で経済が混乱する中、ロシアの苦境が一段と深まりそうだ。
ムーディーズは「ロシアの債務を支払う意思と能力への深刻な懸念」を指摘し、「デフォルトが発生するリスクが著しく高まっている」と警告した。さらなる格下げを視野に見直す方針だ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/72f4272918a4f5f381219c97f0546da022248b16


これも、前項で紹介した「外貨建ての負債をルーブルで払う」という狂った判断を受けて、西側が下した冷酷な評価だと言っていい。そんなとち狂ったことを言い始めた国の借金など約束通りに返って来るはずがない、だw

ムーディーズの判断は、中国の恒大集団デフォルトの時とまったく同じ展開になっている。まぁ、あっちはどれだけ負債が巨額であっても、対象は「たかが」一企業だ。だが、こっちはロシアという国家そのものが破産確定だ、と言われている。中国の方は経営者の資産を現金化して、という形ででも穴埋めへ向かうことはできるが、ロシアの方は領土を割譲してという形まである。ウクライナをとりに行って、自国領を失うとか・・・、これもブーメランと呼ぶべきなのだろうか?w

まぁ、もしロシア国債を日本が持っていれば、借金のカタに北方領土を、なんていう大逆転劇もあるかもしれない(嘘です、冗談ですよ、じょーだんw)。

何にせよ社債、国債とデフォルトの規模がデカくなっていく度に近づいてくるのが「これ」なのだ(後項へ続く)

●まさに為替チャートが崖のよう・・・、ルーブル売りが更に加速●
というわけで、債務不履行が頻発すれば次に起きるのが通貨危機だ。「外貨建て?我が偉大なるルーブルで支払ってやるがよかろう!(キリッ」とかプーチンがお花畑経済論をぶち上げたせいもあり?wルーブル売りが止まらなくなった。最安値をまた更新しただけでなく、年始の状態から見てルーブルの価値は半減、なんと1ルーブル=1円も飛び越えて、円の方が強くなるという信じられない為替相場になっている。こんなこと、マジで起きてしまうんですなぁ。
ロイターの記事になる。


ルーブル最安値更新、年初から50%安 ウクライナ侵攻で下げ加速
3/8(火) 7:43配信 ロイター
[ロンドン 7日 ロイター] – ロシアの通貨ルーブルは7日の取引で過去最安値を更新した。国内市場は少なくとも9日まで休場で、オフショアでの取引は薄い。
ルーブルは年初から対ドルで50%近く下落。2月24日のウクライナ侵攻以降に下げが加速している。
リフィニティブのデータによると、ルーブルは1ドル=150ルーブルまで下落。4日終値は121.037ルーブルだった。EBSでは1ドル=160.00ルーブルまで下げた。
ビッドとオファーのスプレッドは0.7─0.15ドルで、流動性の低さを示している。
モスクワ取引所は9日まで休場の予定。
IHSマークイットによると、ロシア国債5年物のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は過去最高の2757ベーシスポイント(bp)を記録した。4日には1725bpだった。
ロシアのドル建てやユーロ建て国債は、取引ができないような状態となった。
ルーブルの取引は落ち込んでおり、EBSでは4日に2月末の水準から80%超縮小した。https://news.yahoo.co.jp/articles/b136c3c6c89d05b68968fa45859a93b5db675c7c


これで、巷間囁かれているロシアの国家破綻やハイパーインフレへの懸念が、噂では済まなくなる可能性も出てきた。ロシアも韓国同様に1998年に通貨危機を起こしているのだが、あの時を思い出すというよりも「アレよりひどくなる」が冗談に聞こえないレベルの悲惨さだと言っていい。
なぜか?今回は誰もロシアを助けてはくれないからだ(この状況も韓国そっくりなんだよなぁw)

既にロシアでは、撤退が決まったアップルの製品が高値で取引され始めているというが、やはりロシアを去るルイ・ヴィトンなど高級ブランドも同じ展開になる。自動車など輸入品も高値になっていった挙句、日常の消耗品までも桁が上がってハイパーインフレが完成する。そんな「ルーブルが紙くずになる瞬間」が確実に近づいている。

●最後の頼みの綱だった原油も売る手立てが・・・、シェルがロシア撤退を決定●
これはトドメの一撃になったことだろう。
イギリスの石油大手であるシェル石油が、ウクライナ侵攻を受けてロシア産原油の取り扱いから手を引くことを発表した。シェルは今回の侵攻で反ロシアが一気に拡大する中、逆に足元を見て安く買いたたく動きを見せたと批判をされていたのだが、あまりの批判の声に方針を一転させたようだ。
大変恐縮だが、共同通信の記事になる。


英シェル、ロシアから完全撤退 批判浴び謝罪、方針転換
3/8(火) 21:28配信 共同通信
【ロンドン共同】英石油大手シェルは8日、ロシアでの事業から完全撤退すると発表した。ロシアによるウクライナ侵攻後、ロシア産原油を割安な価格で購入したと報じられるなど批判を浴びていた。ベン・ファン・ブールデン最高経営責任者(CEO)は声明で「購入は正しい決定ではなかった。申し訳なく思う」と述べ、方針転換を表明した。
シェルは2月28日、ロシアのガス大手ガスプロムとの提携を解消し、極東シベリアでの石油・天然ガス開発事業「サハリン2」から撤退すると発表していた。今回はさらに踏み込み、スポット市場でのロシア産原油の購入を即時中止し、ロシアでの石油製品販売もやめる。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3f8a0928daff82f281e4672127d9dd806b5e6173


ロシアにとっては、外貨を稼ぐ大きな売り物だった原油と天然ガスが、呆気なく売り先を失うことになった。プーチンは、ロシアの天然ガスに依存しているドイツがアメリカの制裁に同調したのを見て「ガスの元栓を捻る」と脅していたのだが、捻る前にシェルがガス管ごとぶっ壊していった恰好だ。なんという惨めなザマだよ、ロシアは天然ガスでさえ覇権を握る術がなかったなんてw
まぁ、かつてマッケインが「ロシアは単なるガソリンスタンドだ」と語っていたことがあるのだが、まさにそれが有事になって証明されてしまったことになる。イメージとしては、アメリカの砂漠に広大な駐車場を誇るスタンドがあっても、そこに面した道路には車が一台も通らなくなった、もちろん誰も給油に来ない、に状況は近いと言えばいいのだろうか?自分から商品を開発し、売りに行く手段もないロシアの、なんと哀れなことよ・・・。

実はシェルだけでなく、同じイギリスのBP石油もロシア撤退を決めている。
そしてこの2社は(オリラジ中田や都市伝説の関暁夫が喜びそうそうだがw)ロスチャイルド家の傘下であり、つまり世界を動かす巨大財閥もロシアを見限った、ということになる。・・・ま、陰謀論っぽく書くのも興ざめかw
何にせよ、ロシア経済はこれで詰みが決まったと言える。

●おまけ:一気に進む自動車業界のロシア撤退●
ガソリンの卸が止まるのだから、それで走る自動車も止まる、ということで、3月8日時点でロシア制裁を始めている自動車メーカーとその内容はこんな感じになっている。

・フォード:ロシアでの生産中止
・BMW:ロシアでの生産と輸出を中止
・GM:ロシアへの出荷停止
・ルノー:ロシアでの生産中止
・VW:ロシアでの生産中止
・ボルボ:ロシアへの出荷停止

これで本当に、ロシアを走る車は全部伝説のトラバントに戻るかもしれないw
・・・いや、馬車とかにまで戻るのかな?w

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