樟の太い幹や涼やかな木陰には、安心感があり、お寺や神社の境内でよく見かけるせいか、眺めるととても静かな気持ちになれる、好きな植物です。もちろん『となりのトトロ』に出てくる樟も大好きです。

そんな樟の魅力を余すところなく堪能できるのが、図書館で子供が選んでくれた後、気に入って全シリーズ買い揃えた、『くすのきだんち』シリーズです。

広い原っぱの真ん中に立つ、大きな大きな樟を住まいとする、もぐらの管理人さん、2羽のうさぎの看護婦さん、カケスの家族、カエルの水泳コート、猿の大工さん、レストランを営むリス夫婦、仲良しのモモンガとフクロウのお爺さん、狐の音楽家さんの日常を描いたシリーズです。

彼らは、お互いに一定の距離感を保ちながら、思いやりあっているところが垣間見えるエピソードも素敵で、大きな樟の木陰にはその他にも、色々な動物達が集まってきます。

自宅の庭に、大きな樟があって、さわさわと葉ずれの音を聞きながら眠りにつけたら素敵だろうなと夢想してしまう、そんな作品です。