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読書感想文『嫉妬』 林真理子箸

あらすじ

高校時代、やけに男を魅きつけた尾高祐実に。

東京で生まれ育った美貌の同級生の吉岡暁子に。

海外生活をしてきた同僚のエイミーに。

そのおさえても湧き上がる黒い嫉妬の感情に飲まれていく男女を鋭い筆さばきで描いた、切なくも残酷な傑作短編集。

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私が買ったのは、なんとブックカバーが二重になってました。

全編329ページに6つの短編集がおさめられてますが、あとがきで著者の林真理子さんが

ここに収録した小説のうち初期のものは、私がまだ若く、リアルタイムでいろいろなことを感じることが出来た時代のものだ。というわけで、稚拙な印象は免れない。

そこへいくと、後半の二つの小説の怖さといったらどうだろう。自分でこんなことを言う愚かさを重々わかったゆえにあえて言うが、作家というのは、なんと短時間で成長するものであろうか。

とても同じ作家が書いたとは思えない。書きっぷりがまるで違う。

まさに↑このとおりである。

林さんは、稚拙な印象と書かれているが、私は

芋くさい。

と感じた。

舞台は東京なのに、芋くさいのだ。

ところが、後半。。というか『お帰り』という作品は

めちゃくちゃ面白い!

これだけでも、この本を購入した価値があるくらい面白かった!

『嫉妬』

このタイトルを書店で見つけた時にはすでに手にとっていた。


今の私にピッタリというか、まるでそのためにそこに置いてあるようだった。

中身はそこまで期待するものではなかったけれど、それでも共感というか

女性あるあるがそこかしこにあった。

面白半分で、もし、女性という者がわからない男性はこの本を読んでみたらいいと思う。

もしかしたら、少しは女性にモテるようになるかもしれない。(苦笑)

女性の私が読んでも、やっぱり女性って男性より

賢いなぁと思った。

それゆえに、女性がこじらせると本当に厄介。

まぁ、男性のこじらせは、すぐ事件にまで発展させちゃう部分で男性のこじらせの方が厄介かもしれないけど、女性はやっぱり外堀からじっくり埋めていく。

気がついた時にはすでに遅し。なのだ。

『嫉妬』

みなさんはどうですか?

誰かに嫉妬してますか?

嫉妬っていうと、私は嫉妬の塊であり、嫉妬しないタイプでもある。

どういうことかというと、

嫉妬した途端に白旗を上げるタイプ。

『スチュワーデスの奈保』という作品では、戦えって言われてますけどね。(苦笑)


『嫉妬』っていうと、同時に『醜い』っていう印象が少なくとも私にはある。

だからすぐ白旗上げるんだと思うけど、

じゃあ、人生で一度も『嫉妬』しないで過ごす人生がいいのか?というと、やっぱり面白味に欠けると思う。

嫉妬はある意味、何かの原動力にもなるわけだし。

嫉妬が醜いのは、嫉妬してする行動によると思う。

ここに出てくる嫉妬、、特に最初の

『四月 エイプリル・フール』という作品は笑ってしまった。

これは、面白かったという意味で。


時代はかわって、今のSNS時代になり、顔が見えない分、誹謗中傷の言葉もストレートすぎるくらいになってるけど、

それも、結局は『嫉妬』の類いなのかもしれない。

この嫉妬も、元をたどれば、『四月 エイプリル・フール』という作品のやりとりと同じではないか?

と私は思った。


最後に

おすすめかと聞かれれば、微妙かな。

著者も前半は稚拙な印象は免れないと言ってるし、私も芋くさいと感じてるし、

それでも興味が湧いたなら読んでみては。って感じです。

あと、これはあんまり大きい声では言えないけど

立ち読みで『お帰り』だけでも読んでほしいかな。^^;

私、ラスト一行で拍手しちゃった。^^;





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