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読書感想文『モンスター』 百田尚樹箸

あらすじ

田舎町で瀟洒なレストランを経営する絶世の美女・美帆。彼女の顔は畸形的なまでに醜かった。周囲からバケモノ扱いされる悲惨な日々。思い悩んだ末にある事件を起こし、町を追われた美帆は、整形手術に目覚め、莫大な金額をかけ完璧な美人に変身を遂げる。そのとき亡霊のように甦ってきたのは、ひとりの男への、狂おしいまでの情念だった。


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ずっと前に購入しててそのまま読まずに本棚に置いてあったのを、ふと読みたくなって手に取った。

映画化もされたようですね。

私は、ドラマをみてるような感じでした。

この小説の感想ですが、私は全体的というより、前半と後半で感想が違います。

前半は、

本当にこれ、男性の作家さんが書いたの?

それも、あの百田尚樹さんが?

と信じられないくらい、女性の全てがわかっているような描写で驚きました。

そして、めちゃくちゃ面白い!

主人公が初めてブチギレたシーンはスカーーーーっっとしました。(笑)

けど、

後半にはいると

うん。百田尚樹さんらしいな。という印象があり、

物語の展開も

あーあ。

という。。これは、ちょっと表現が難しいんですが、いい意味での

あーあ。

と、やっぱりかぁの、あーあの両方なんです。

いい意味での、あーあというのは、リアリティがあるからこそのあーあです。


私はこの小説を読んで、ブスであることがここまで不利であり、生きにくいものだとは思わなかった。

同時に、美人というだけで、ここまで全てにおいて有利で手に入れられる可能性が高いものだということも知った。

物語とはいえ、これは紛れもない事実だろう。

この本を読んで、女性の誰もが思ったに違いない。


私は、ここまでブスじゃない。

と。

なんなら、自分は美人でラッキーと思った人も少なからずいるだろう。

絶世の美女。

誰もが振り向く美女。

レベルの違う美女。

私は、この本を読みながら、私の思う最大の美女というものを思い描こうとしたが、どうしてもできなかった。


やっぱりかぁのあーあは


男ってやっぱり『顔』かぁ。

っていうあーあです😅

まぁ、そりゃそうなんだけどさ、私はやっぱり『女子』だからさ。

そこは、ファンタジーであってほしかったというのが正直なところなんですよ^^;

まぁ、百田さんは、そういうところ、容赦なしですからね。

わかってはいるんですけどね。

それに、そこだけファンタジーにされても、それはそれであーあと思っただろうから、これで良かったんですけどね(どっちやねん?^^;)

最後にちょっとだけ、意地悪を言わせてもらうと

全編487ページという分厚さにしては、中身はちと薄いかなと思う。

もうちょっと削ってもよかったかな?

そして、美人が得であることは、紛れもない事実なんだけど、

まぁ、どう言おうが説得力ないのはわかってるけど、それでも言わせてもらうと、それでも私は、美人がうらやましいとは思わなかった。

私の小学生の卒業アルバムをみて、同級生が笑った。

私は、コロナ前から一年中、マスクをしてます。

そういうレベルです。

それでも、私は整形しようとは思わないし、美人がうらやましいとも思わない。

だからこそ、主人公に共感し、また、同じくらい『世間の現実』というものに驚いた。

この小説を読んでも、それでも

人は外見じゃない。中身だ。

と言えるのか?

私は言えない。

人は外見、見た目なんだよ。

見た目が9割って本もあるじゃん!


おすすめか?と聞かれれば、おすすめです。

ただ、どういう人におすすめか?と聞かれると、正直戸惑います。


整形に興味がある人?

顔にコンプレックスのある人?

うーん。

これはこれで小説として楽しんでほしいかな。

あっ。

最後に印象に残った文章をアップしておきます。


自分の人生は最悪だと思った。人生というものが二回も三回もあるなら、一度目はこれでも我慢する。でも人生は一度きりなのだ。たった一回きりの人生がこれでは、あんまりだ。





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