あそぶ桜羊羹:源吉兆庵「華遊心」
お高いしなあ…失敗したらどうしよう…でも気になるし…うーん…
「これください」
この世に生まれて20年、
この私が、ついにデパ地下デビューを果たす。
買う経緯
最近ちょっといい和菓子が気になることは、これまでのnoteでも述べてきた。
その後も自分なりに和菓子について調べたし、noteで和菓子についての投稿もいくつか見てきた。
和菓子って、思った以上に奥深い。興味はどんどん深まっていった。
とはいえ、家に和菓子専用のお皿とかがあるわけでもないし、合わせるお茶もない…
そう思って、またいつかにしよう、と思っていたのだけれど。
夕方5時、何の気なしにふらっと立ち寄ったデパ地下、空腹も相まって、和菓子欲はついに表面に出てきた。
源吉兆庵を選んだのは、もともと気になってHPをよく見ていたから。
それに店頭で見ても、なんだか他の店に比べて華やかな感じがした。
ここなら初心者でも大丈夫そうだと、何となく思い、また「羊羹なら口に合わないことも滅多にないだろう」とも思い、「華遊心」を選んだ。
華やかに、遊ぶ、心…?はてさて、どんな和菓子なのか。
見た目
パッケージは、細かいラメが入っているかのように、きらきらと繊細に光る。
袋を開けた瞬間に広がる、桜の香り。いつかのお花見を思い出す。
見た目は、とても面白い。
上の、桜の葉の層に入り込んだ気泡があいまって、まるで、水の中に桜の葉がぷくぷく沈んでいくような見た目。
ピンクの層と、葉の層の境目は、溶け合うようにぼんやりしている。
お味
わ、すごく美味しい。
上の葉の層は、少し控えめな感じ。葉が用いられているだけあって、「桜本来の味」といえる気がする。
対して下のピンクの層は、すごく華やかだ。「ザ・桜」といった味がする。
お転婆な下の層を、上の層がこらこらと嗜めるような、そんな絶妙なマッチングだ。
羊羹って遊ぶんだな、と初めて思った。
桜という特性を借り、そしてそれを生かして、この桜羊羹はできる限りまで遊んでいる。
そしてなんだか、私たちがこれを食べることで華やかに遊ぶことができる、というよりは、この華やかな羊羹に私たちがもてあそばれている感じがする。
まとめ
「和菓子は五感で味わうもの」という言葉はnoteでも見かけた気がするが、本当にその通りだ、ということが分かった。
それに加えて、私は「なんだかマインドフルネスみたいだ」とも思った。
今、自分が感じていることに集中する、マインドフルネス。和菓子と対面している時には、和菓子を見ていること、味わっていること、そのことに集中できる。すごく、心が安らいでいくのを感じる。
これからも、デパ地下の和菓子を買おうと思った。そして食べる時には、和菓子に全力で向き合う。そうした暮らしの積み重ねは、やっぱり今の私の憧れだ。
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