見出し画像

医療従事者よ、手帳を持て!メモをせよ!

強いメッセージ性のあるタイトルにしてしまいましたが、ようは「自分の頭はあてにならないので、ちゃんと書いて残しておきましょう」という至極当たり前のメッセージです。

至極当たり前のメッセージなのですが、医療従事者の皆さんは、手帳やメモ用紙を持って記載されている方が少ないように感じます。(私の周りだけであったら申し訳ないですが)

自分のことを申しますと、手帳術やメモ術のようなものに憧れ続け、あらゆるメモや手帳を食い漁ってきましたが、なかなか続く方法が見つからず困っていました。多くの医療従事者の皆さんも、そんな感じの方が多いのではないでしょうか。

多くのそうなる要因があると思うんですが、やっぱりメモや手帳を持ち続けるべきだと思った理由と、臨床に出ていた頃の自分がうまくいった方法をシェアできればと思います。

※なお、今の部署に異動になってからは、デスクワークとミーティングがメイン業務になったので、別の方法でメモや手帳をとっています。それはまた、おいおい。

メモを取るのは、忘れるため、信用と信頼のため、熟成させるため

自分はあんまり自分の脳を信用していなくて、何かを覚えておかなければならない状態だと、脳の余計なメモリを使っているような気がして、思考が続きません。

外部記憶装置に情報をバックアップしておくことで、脳を常に空き容量を作っておくというのは、思考をクリアにしておく上で非常に重要です。

特に医療従事者は、「なーんか忘れているような気がする…」ということに気を取られながら生命扱う仕事をするのは危ないと思います。大袈裟ではなく。

あと、自分がメモやスケジュールをがっちり手帳で管理するのは、忘れてしまうことで信用と信頼を失うのではないかという恐怖心から、強迫観念的にメモをとっているところがあります。

期限を守らない、約束を守らないのは、本当に危険です。甘く見ない方がいいと思います。借金しているより危ないと思います。金はあれば返せますが、信用と信頼は返済するのに本当に時間がかかります。いざという時、自分が知らないうちに返済させられます。

往々にして自分より立場が下「だと思っている」人との約束をすっぽかす傾向にありますが、その意識は危険です。

だからメモを、スケジュールをしっかり把握して、信用と信頼を守ってください。

メモを取れば絶対に情報がこぼれない…ということはないですが(メモを取ることや取ったことを忘れてしまう可能性もあるので)、忘れてしまう確率はぐんと減っていきます。

あとは、メモに残しておくことで、熟成させることができます。みなさんもパソコンに向かってうんうん唸っているときは思い付かなくて、全く別の場所で後日ふっと降りてきたという経験があるのではないでしょうか。

ただ、それにはまずは考えなければならないことやどこまで考えたのかメモを残しておく。手を動かしてメモを残しておくことで、潜在意識にすりこまれて熟成されて、ふとした瞬間に思い出してアイデアが降りてくる…という仮説を自分は持っています。

自分は、メモを残しておかないと潜在意識に置いておけないので熟成できない感覚があります。ここのところは人それぞれですが、自分はなにぶん記憶力に自信がないので、そういうやり方でしか刷り込めないのかもしれません。みなさんもそれぞれ自分にあった方法で潜在意識に刷り込めれば良いかと思いますが、メモを残しておくというのは手軽で簡単な良い方法かと思います。考えついたアイデアをそのメモの後に書き込んで、膨らませることができるというメリットもありますしね。

医療従事者おすすめのメモの取り方

さて、ここからは臨床に出ていたときの自分のメモの手法ですが、手法というほど確立されたものでなければ、立派なものではありません。

しかし、多くの方と同じように挫折していた私が数年続いたメモの取り方なので、一定の方にも良いHow to のような気がするのでシェアしておきます。

それは一冊のノートに順序や分類など気にせずなんでも書き込むということです。

ご期待されていた方は大変申し訳ございません。なんだそんなことかと拍子抜けすると思いますが、これが一番長続きするし、良い方法でした。

自分も含めてメモ術というものに興味がある人は、美しく分類されたノートを作りたい、それをあとで眺めたい愛でたいという願望でメモをはじめたりするのですが、メモの目的がそもそも的外れです。ちなみに、インスタに載っているような美しいメモが作れる方は作っていただければ良いと思います。あれはあれで、立派な目的が成立しているので。

美しいメモが取れない方のメモの目的は、上記のように忘れるため、信用と信頼のため、熟成させるため等です。汚くても分類されていなくても、上記の目的が達成されればなんでも良いのです。また、臨床というものすごいスピードで時間が流れてゆく忙しいところでは、メモをただどこかに乱雑でも無秩序でいいので、蓄積していくだけで良いのです。

将来のスケジュールも、誰かとの約束も、思いついたアイデアも、考えるための図式も、すべてまずはノートに書き込みます。

私が使用していたのは、測量野帳です。

ユニフォームのポケットに入るので、携帯性が抜群です。A4とかの大学ノートだと持ち運ぶことを忘れて結局メモがとれないことがあるので、ポケットに入るサイズというのが良かったと思います。それに縦に長いので字を大きく書けます。字が汚い自分でも後から見返したときに字が判別しやすいメリットがありました。また、表紙背表紙が硬いので、立ったままでも書きやすいということもこちらを選択した理由のひとつです。臨床で働いていると座ってゆっくりメモをとることはなかなか難しいですよね。

10冊セットを2000円くらいで購入して一冊を1ヶ月くらいで使い切っていました。使い切るごとに達成感もあります。分厚いノートを長い時間使用することで愛着が湧くという側面もありますが、愛着が湧く前に飽きるという元も子もない欠点もあります。

サイクルが早いので、継続して必要な情報はiPhoneでスキャニングしてメモに保存するか、切り取って次のノートに貼るということで対応できます。

具体的なメモの取り方は、先ほども述べたように順序も分類も気にせず、ただ時系列で書いていくだけです。日付を入れるとか、そういうルールもやがては守れなくなるので、守れないルールは最初から作らないほうが良いと思います。あとで見返すときわからないなーとか、分類が必要だなーと思った時にはじめてルールを作ればよいです。メモを取り始めるときには、あったほうが良いルールを思いつくことはできません。メモが蓄積して活用されていくうちに、必要に迫られてルールを思いつくのです。

ただ、自分が最初に必要に迫られて課した二つのルールは、どなたでも課したほうが良いルールだと思うので紹介します。

一つ目は、メモをとる内容が変わる時は、空白を恐れず新たなページにしておくということです。そうするだけで検索性はあがります(探す時にページの上だけ見ていけば良いので)空白には、熟成したおかげで出てきたアイデアをつづいて書き込むことができるからです。空白にこそ、意味があります。

二つ目は、未来の予定やスケジュールは、スケジュール帳かスマホのカレンダーに登録しましょう。ノートに入れるだけでは忘れてしまうので。転記が終わったらノートの一文は線を引いて消して忘れましょう。


ぜひ医療従事者の皆さんは、忘れるため、信用と信頼のため、熟成させるためにメモを取っていただき、粛々とお仕事をしていただければ幸いです。


この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?