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2024年、雨、ディズニー~大人の社会見学

ディズニーリゾートにいくことは、大人の社会見学だと自分は思っています。もちろん家族と一緒に楽しむというのがメインなのですが、職場では病院の医療・サービスの質を向上させて患者さんの満足度を高める仕事を担っているので、顧客満足度が高くリピーター率が高いディズニーリゾートのノウハウを持って帰りたいと毎回思っています。

今回はある程度、旅の過程や学びを言語化しておきたいと思ったので、誰からも依頼はありませんが、16000字の旅行記として残しておくこととしましたので、どうぞご笑覧ください。


day 1

2024年2月初旬。我が家では、自分と妻は異常な頻度で、浦安市、東京ディズニーリゾートの天気予報をチェックしていました。インパークする予定の日はの天気予報はほぼ確実に雨であり、約1年半ぶりの我が家のウキウキは、近づくにつれ不安へと姿を変えていきました。

今回の予定は2泊3日。1日目は17時からインパークできるウィークナイトパスポートでディズニーシーにインパークし、子どもたちにYoutubeで洗脳し続けたシーオブドリームスを鑑賞し、2日目はディズニーランドで40周年とミニー@ファンダーランドを楽しむという作戦でした。

当日、自宅を12時50分出発。息子には保育園で絶対にディズニーに行くことは言うなと箝口令をひいたのですが、見事に破られ保育園中に自慢するという失態を保育士さんからお伺いして気まずい気持ちで一路東京へ。

道中、中央道高井戸インター付近で事故渋滞にハマったり、Googleのカーナビが首都高の地下トンネルで迷子になり、まったく知らないルート(辰巳JCT経由ではなくレインボーブリッジ、お台場経由)で遠回りでの到着となったりとトラブルはありましたが、無事に湾岸線を快走しながら、ディズニーランドホテルの出迎えに子どものテンションが高くなるいつもの感じに胸が高鳴ります。とはいえ、雨です。それだけが不安です。

そんな両親の不安をよそに、ホテルに16時20分には到着し、ますますテンションが高くなる子どもたちです。今回宿泊した「スパ&ホテルユーラシア舞浜」は温泉やサウナがついており、サウナ好きとしてはもはやこちらもメインです。2日目夜と3日目早朝の楽しみにすることとしました。

ホテルからシーへ歩いて20分と意外に遠いので車を使用。駐車場代2500円…は、ご愛嬌としましたがアルコールを飲むことをすっかり忘れておりこの判断は誤りでした(結局妻が帰りの車を運転することに)

インパークする頃には、雨は霧雨程度。傘をさしていない方のほうが多い状態でした。手荷物検査は高さ1メートルくらいの黒い墓石2つの間を通って引っかかれば荷物の中を見せて金属探知機を通る、セーフであればそのままOKという形に変更されていましたが、あの仕組みはどうなっているのでしょうか。

いつも早朝に並ぶシーですが、今回は夕方なので列は全くありません。いつもこうだといいのですが、それはしょうがないですね。

インパークした途端に金が吹き飛びます。頭につける101匹わんちゃんのダルメシアンドッグイヤー、風船が二つ。雨予報だったので子ども用雨がっぱ2つ。入っただけで5、6000円が吹っ飛びます。ちょっと勘弁してくれ…と思う間もありません。

というかすでにお土産の店内は溢れんばかりに人がたくさんいて、異常な熱気に包まれていました。最近のディズニーは空いている日はあるのでしょうか?特に今回はミニーちゃんのイベントをやっていて2月って閑散期のはずじゃ…と呆気にとられるほど人が多い状況でした。ミニーちゃん関連のグッズは軒並み売り切れ。運営側も予想だにしない売れ行きだったのか、これは非常に大きな機会損失ですね。

そして高校生が多い。どうやら近都県の高校入試があるらしく、在校生がいらっしゃっているみたいです。衣服やら頭やらがびっしょりの方もいたので、日中雨が土砂降りで今は小雨程度に落ち着いているようです。

インパーク後の散財の後には、シーオブドリームスの観覧場所を探ります。ちょうど火山に向かって右側、トランジットスチーマーラインの乗り場周辺がさほど高くない塀と柵があって、子どもの観覧の妨げにならない良い位置を発見したので、ザンビーニブラザーズリストランテで妻が食事を購入し、その位置を見張ることができる寒いテラス席でミートボールパスタを頬張ります。一緒に購入していただいたビールを飲もうとした瞬間、1年半前ディズニーシーでインパーク早々にビールひっくり返して家族の大顰蹙をかった事件が脳裏をよぎりますが、今回は浮かれることなく慎重にビールを飲み干し酔いが回ります。しかし、胃から伝わる寒さがこたえました。

今回のインパークで持って行って良かったもの第一位が、サウナマットです。マットはお尻がひとつ乗るくらいのサイズのものを人数分、アマゾンで一つ500円くらいで購入しました。サウナマットはめちゃめちゃ軽くて折りたたむことができるのでリュックに入れても問題なしです。濡れても簡単に拭くことができますし、何より適度な厚みがあって御尻に地面の冷たさが伝わらず待ち時間も快適です。(あともちろんサウナにも使用しました)人数分のサウナマットがあるので、わかれて場所をとったりすることも可能です。シートだと薄くて折りたたんだり濡れた時が大変なんですが、サウナマットは非常に優秀です。皆さんぜひ購入してみてください。おすすめです。

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そんなサウナマットに子供たちを座らせながらシーオブドリームスを待っていると、ぽつぽつと嫌な感じの雨が降ってきます。次第に雨脚が強くなっくるので奥さんに雨合羽を大人分を追加購入していただきました。出費が嵩むぜ…

シーオブドリームス待機場所

ここでも大活躍したのが折り畳み傘と水分吸着するための袋です。今回は雨が断続的に降るであろう予測であったため、折りたたんだ時に荷物にならないかつリュックに入れたときにリュック内部を濡らさない工夫をする必要がありました。折り畳み傘はこれから使えるのでイオンでそれなりに良いものを購入し、濡らさないものは百均で購入できました。

折り畳み傘、リゾート内で購入した雨合羽、ユニクロの袖なしダウン、ワークマンのダウンジャケット、分厚いレギンス、そして背中に貼った激アツカイロマグマ貼るタイプを含めた保温総合力のおかげで待ち時間の寒さは苦になりませんでした。

シーオブドリームスへの期待が高まると同時に雨脚は強まるばかり。キャストさんに「ショーはやりますかね…」と聞くと「今は、やる予定ですよ!天候によっては変更になるかもしれませんが」と百点満点の回答。無駄に期待値をあげないコミュニケーションはさすがです。

無事、時間を迎えてショーはスタート!YouTubeやAppleミュージックでなんども予習したとおり素晴らしい…はずだったのですが、ちょうど半分経過したところでいきなり音がフェードアウトして真っ暗に。まさか…

「システムの不具合による中止とさせていただきます」と録音したメッセージが全体に流れてみんなのため息が一気に漏れます。子どもたちもとても残念そうでした。そんなに異常は見られず、花火もあがっていたので問題ないように見えていましたが、自分の予測では雨で船の電気系統や中心の花火が出る部分がイカれてしまったのではないかと。

あのレベルのショーをほぼ毎日やるということ、そしてDPAなどにはショーが中止となったとしても返金をしないというプレッシャーの中、成功させることもしかり、安全面や装置面での問題で中止するという判断をする責任者は凄い決断力がいるなと感心しました。また、十分にトラブルを想定しているとも感じました。あらかじめ「システム不具合による中止」と録音されたアナウンスが流れていることから、トラブルが起きてしまった後の準備が、非常によくなされているなと感心しました。

また、今度行くときは完全版を子どもたちに見せてあげたいですね…

その後は、マーメイドラグーンのワールプール(コーヒーカップみたいな)に乗り目を回し、ショッピングバックを買いました。

この大きいショッピングバッグが意外なことに今回大活躍します。リュックが濡れないようにするために雨合羽をリュックの上から羽織るので、リュックに物を収納するのが非常にめんどくさくなります。でも、この手持ちの袋、しかも防水性のものを用意しておくことで折り畳み傘やポップコーンバケット、また濡れている雨合羽なんかもしまうことができて非常に便利でした。購入するまでいかなくても、雨のディズニーでは、防水性の袋が一つあると便利ですね。

アラビアンコーストに移動してキャラバンカルーセル(メリーゴーラウンド)の列に入ろうとすると、案内のキャストさんから「あと数分で花火があがるので、もうすこし後のほうがいいかと思いますよ!」と案内してくれました。これですよこれ。このマニュアルにのってないけれど(のっているのかもしれませんが)、自分がゲストだったらそういう選択肢を提示してくれたほうが嬉しいよね…という思いで提案をしてくれるというのが非常に良いですね。これはぜひ病院に持って帰りたいマインドのひとつです。

花火を見て、キャラバンカルーセルに乗って、映える写真を撮影し、最後にジャスミンのカーペットで雨にうたれて21時を迎えてタイムアップ!

キャラバンカルーセルにて

ディズニーシーは閉園間際の夜に奥からの歩く帰り道がいいです。野生味あふれる古代の世界から、海に映る夜景を味わいながら洗練された近代社会、もしくは現実に帰ってくるような感覚がなんとも心地よいです。今回も雨で疲れてはいましたが、雨だからこその水たまりや合羽の雫にキラキラ反射した夜景にすごく心打たれました。

奥さんの運転でシーからホテルへと帰っていきます。都会生活を送っていない我々からすると、ディズニーリゾートから出たとしても、まだ夢現なところはあります。首都高もまだまだ非現実です。本当に現実へと帰っていくのは、中央道八王子付近を過ぎたあたりなので、ホテルへの帰り道はまだまだ子供達も妻もテンションは高い状態ではありました。

まずは雨で冷えた体を大浴場で温めます。大浴場はぬるめであまりあたたまらなかったのですが、最高なのはサウナでした。二つ種類があって100℃と80℃がありましたが、100℃の方のサウナで温まりました。

妻子供と合流して、売店で買ったアサヒスーパードライと角ハイボール濃いめを買い込み、まずは子供を寝かしつけます。疲れていたのか即寝落ちでした。そんな子供達を起こさないように、灯りひとつ点いた部屋でこそこそお菓子をつまみにアルコールを流し込んで、一日の振り返りを妻としている空間が良かったですね。

雨合羽や折り畳み傘を乾燥させ、天気が良くなることを祈りつつ準備も進め、我々もすぐに12時には寝落ちしました。

day 2

目が覚めると朝6時です。祈るような気持ちで外をみると、雨でした。そこまで本降りにならないという予報は見事に裏切られ、昨日にも増して本降りでした。

窓の外を憂鬱に眺めながら、往路のコンビニで購入した朝ごはんを流し入れます。

今日はホテルから出ている舞浜駅行きのバスで、ディズニーランドを目指します。が、ホテルの待合で外を見ていると、さらに雨脚が強くなってきて憂鬱度は増し、心が折れかけます。

舞浜駅に到着すると、連絡通路の下で合羽を羽織らないとびしょ濡れになるくらいの雨が降り出していました。電車でディズニーリゾートに向かったことがないので舞浜駅からリゾートに入る経験がなかったのですが、あのウキウキの感じは良かったですね。車でディズニーリゾートに入ると現実と非現実の境目は車を降りて立体駐車場から歩いて手荷物検査場を抜けるあたりからですが、舞浜駅を降車して歩いていくとボンボヤージュが見えて柵などの設置物もディズニー仕様に次第に広がりディズニーランドホテルから迎えられる感じは、また車での入場と雰囲気が違って新鮮でありました。

手荷物検査場への列は向かって左側、舞浜駅側でしたが意外と混んでいませんでした。到着が8時くらいでそこまで早くはなかったと思うのですが、雨の中待ち続けることを考えると、開演ギリギリを狙った方が多かったのかもしれないと今では思います。

待っている間、東京方面の空が明るくなってきて、少し青い空も見えてきて一筋の希望が見えたかと思うと、それも束の間、断続的な雨が降り出します。合羽を着て傘を開いたり、止んだと思って合羽をしまって傘を畳んだりの繰り返しでした。

待ちに待ったインパークは、QRコードでスムーズ入れます。しかし、進みが滞っている列があります。先を見ると、外国人観光客の方がQRコードに手こずっていました。DXになって効率化がされる一方、問題となるのは、そのようなトラブルやデジタル難民に対して、どれだけ運用面でカバーができ、そのカバーがスタッフ(キャスト)の負担にならないかが鍵となると思います。

事前の妻との作戦では、パークは時計回りで行こうという話であり、アドベンチャーランドのジャングルクルーズから進む予定としました。息子が動物好きなのもあって、ジャングルクルーズは外せないですし、開演直後であれば待ち時間ゼロで乗れることを予知しての判断でしが正解でした。

船長は、元気いっぱいサークルノリの大学生に、猫おじさんではないネタ時のサンシャイン池崎さんを足して2で割ったような方で、蛇が襲いかかってきそうになる場面では、体を氷室京介さんのように震わせてハンドル操作をされていました。娘息子は唖然としてひいていましたが、私と妻を含め乗船したみなさんは大爆笑でした。

今回理解したのは、ジャングルクルーズというアトラクションは船に乗って動物を見るというアトラクションではないということです。メインはあくまで空気が読めないダジャレが好きな船長なのです。動物を見るだけであれば、動物園に行けばいいですし、わざわざディズニーにいく必要はありません。ガイド役のキャストのショーを見ることで、初めて成立するアトラクションであると感じました。

病院業界でも、実際心理的なケアと言われている部分は、病院のスタッフとのコミュニケーションがあるからこそできるところがあります。手術や処置、検査等などの医療自体は今後ロボットやAIに置き換えられるものが多いとしても、それを提供するプロセスや患者(顧客経験)などに関連する患者さんとのコミュニケーションは、やはり生きた人間が担ってはじめて医療、そしてケアというものが成り立つのだろうと思います。池崎さんからの学びが多いですね。それはそれとして。

池崎さんのジャングルクルーズを後にして、ショーの抽選とパスの吟味に入ります。前回見て非常に感動したミッキーのマジカルミュージックワールドの抽選に参加しますが、見事に外れます。まあそう簡単にはいかないですね。今回40周年記念スタンバイパスとDPAをどのアトラクションに使うかが妻との主な事前準備の大きなネタではあったのですが、やはりDPAは子供の強いリクエストがあった美女と野獣で使用することとしました。2000円オールで8000円は非常に痛い出費ではありますが、120分を超える待ちもザラであり、雨の中で子供たちが待てる限界値を超えていると思われたため致し方なくアプリの決済ボタンを押しました。

40周年の記念スタンバイパスは、まずバズ・ライトイヤーのアストロブラスターで使用します。スタンバイパスの時間を確認しつつ、息子娘に何に乗りたいか希望を聞くと「ダンボ!」という声が。嘘だろ。雨降っているんだぜ…

そんなことはお構いなしの息子と娘は、雨合羽を着込んで10分待ちダンボの列に並びます。眼鏡に大量の雨粒がつくぐらい本格的な降りの中、ホーンテッドマンションやビッグサンダーマウンテンを何度も一望できる高さでくるくると周ります。自宅に帰ったあと「ディズニーランド何が一番楽しかった?」と聞くと、「ダンボ!」と息子が答えてくれたので、雨に濡れたことも無駄ではありませんでした。

スタンバイパスでゲットした、バズ・ライトイヤーまで時間があるため、向かい側ですぐに入れるスティッチ•エンカウンターに並びます。正直私はスティッチを観たことがないのですが、このディズニーランドのアトラクションは数回体験しています。シーのアトラクションのタートルトークも含めて、みんな自分が対象になるかもしれないという大前提のもとそのアトラクションに入っており、だれも不幸にならないような高度なテクニックを使っているとはいえ、中年のおじさんなどをイジって怒るような人がいないのだろうかといつも心配になります。でも人気のアトラクションとして続いているところをみると、キャラクターと双方向のコミュニケーションがとれるという画期的なシステムとあわせてブラックジョークもお手のもののディズニーらしさが出ているなと思いました。やはり「らしさ」があることは強いです。お客さんもそれ前提で来てくれるからです。らしさがないのに、奇抜なことやると炎上したりしますからね。今回のスティッチはかなり時間に余裕があったのか、いろんなやりとりをしてくれました。悪者から逃げるために何番に逃げればいいかみんなで教えるパターンのものは、以前入った時は無かったので、その時々なのでしょうか。

続いて暗闇で的をレーザー銃で撃ち得点を競うバズ・ライトイヤーです。息子がトイストーリーが大好きで、バス推しなのでテンションはマックスでした。どの的だったか忘れてしまったのですが、異常に得点が跳ね上がった的がありました。きっと一番上のクラスをとるような方は、そのような的を把握しており撃ちぬくスーパープレイとやらがあるのでしょう。

お昼もお腹は空いていたので事前にここで食べると決めていたグランマ•サラのキッチンに向かいました。ここはショーの抽選やDPAの決済をした際に、モバイルオーダーで注文を済ませていました。モバイルオーダーの体験はものすごいスムーズでDXが進められていると感じました。

事前にモバイルオーダーで時間を指定して済ませておいて、指定の時間になったらレストラン内部に入ることができます。ただしここでは席の確保はされていないので、席を探して着席できれば、決済完了のボタンを押すことで料理がつくられはじめます。料理ができたという呼び出しも、受け渡し場所の位置までアプリ内で指定されて、完結できます。おそらくモバイルオーダーの方の人数と、今レストラン内にいる人数をキャストは把握しており、コントロールしているため、モバイルオーダーをされていない方はレストランの外で列を作らなければなりません。モバイルオーダーを使わない手はないと思いました。ただし、クレジットカードの登録が必須と思われるので、高校生のみの団体や割り勘にしたい方などには難しいかもしれません。

料理はチーズがのったオムライスとハンバーグで非常においしかったです。40周年記念のランチョンマットをいただき、妻も娘もご満悦でした。

一旦、事前のYoutubeの予習により、トゥーンタウンと美女と野獣の周辺がハーモニ•イン•カラーとミニー@ファンダーランドの鑑賞には最適という情報をもとに、トゥーンタウンに向かいます。とはいえ時間があるため、ガジェットのゴーコースターに乗ります。子供向けのエリアにあるので子供向けなのかと思いきや、ジェットコースターが苦手な妻はしっかり怖がって悲鳴をあげていましたが、娘と息子はうってかわって嬉しそうな悲鳴をあげて喜んでおりました。ジェットコースターが好きな私としても、十分に楽しめました。

ちょうどパレード前1時間となったので、ハーモニー•イン•カラーの鑑賞場所取りに向かいます。どこにしようか思案していると、一人のキャストの方がこちらに歩いてみえます。ちょうど羽生結弦さんと杉浦太陽さんを足して2で割ったような方でした。「パレードを鑑賞される場所をお探しですか?何を見たいとか、どう見たいとかこだわりはありますか?」と声をかけていただきました。そこまでこだわりがない旨お伝えすると、ミニーのパレードはお城の前でストップするので、そこでハーモニー•イン•カラーを鑑賞し、引き続き場所をとることもできるし今はまだお城の前は空いているということ、ただし雨のため、ミニーのパレードは過ぎるだけになってしまうので、こちらの車椅子の方が鑑賞する場所の近くはキャラクターも手を振ってくれるのでおすすめ、との情報をいただきました。最後に「私も今日遊びに来たとすると、ものすごく悩みます」と付け加えて去っていきました。

これがディズニーだよな…と思いました。案内図を配置しない理由は、キャストとのコミュニケーションを促進するためと聞きます。前述のジャングルクルーズの池崎さんでも言及しましたが、パークのアトラクションはディズニーランドを構成する要素のひとつでしかなく、キャストがいてはじめて完成していると感じます。病院もどのようにすればそうできるのか、帰ってから考えようと心に決めます。

結局、美女と野獣の小屋の前にある生垣と緑色の通路の間にある場所をとることにしました。こちらは後ろに生垣と柵があるので、柵に寄りかかって待つことができます。また、後ろに他のお客さんが来ることがないので、非常に良い場所でした。途中、最前列も立ち見とのアナウンスがありましたが、問題なくパレードの開始まで快適に過ごすことができました。待ち時間の間も、前述のサウナマットが絶大な効果を発揮します。どのような置き方(一列に並べるでも、2×2にするでも)でもできるので、本当にサウナマットはおすすめです。

パレード自体は悪天候により通路を歩くキャラクターは少ない状態でしたが、車椅子の方が鑑賞するエリアのちょうど隣であったため、こちらに手を振ってくれるキャラクターが多く、妻子どもは非常に満足しておりました。

次のミニーのパレードまでは時間があるため、引き続きトゥーンタウンで過ごすことにします。一昨年の11月にミニーのグリーティングに行った際サインをいただいたのですが、色紙のスペースが空いていたので、ミッキーにサインをいただきミッキー&ミニーのサインをコンプリートするために50分の待ち時間でしたが並ぶことにしました。ここでも、ディズニーの凄さを垣間見ます。何よりもおそろしくシステマティックだったのです。

ミッキーと会って写真を撮る前に3回ほどキャストに説明をされます。最初に会ったキャストからは、アプリのフォトコードのスクショをしてくださいと依頼されます。アプリが閉じてしまったりして、時間がロスされるのを防ぐためだそうです。これは現場から出てきた手順の変更、すなわち改善だろうと思います。さらに進むと1〜4番の番号がついたドアがある部屋に案内されます。そしてすぐに後ろのドアが閉められ、あーここはそういう部屋なのだなと察します。夢をだいぶ壊す可能性があるのでしっかりとは書きませんが、これも4倍効率よく回るための工夫だろうと思います。やがて1番のドアが開かれてミッキーとご対面です。4組ほどが通されますが、カメラマンが二人いて、一方のカメラマンが撮影しているときはもう一方のカメラマンが次の方のQRコードを読み込んでスタンバイします。ミッキーはしゃべりませんので、ミッキーとの会話をアシストするご担当、立ち位置や子どもの目線をカメラに誘導する担当など明確に分かれています。後述しますが、この目的意識を持った現場目線の改善、効率化がディズニーの強みであろうと思いました。

そして、我々もミッキーとご対面します。息子はミッキーの向こう側にある現実を見ているのか怖がって妻から離れようとしません。私と妻と娘はしっかりミッキーとハイタッチして、サインをいただき、写真を撮ってもらいご満悦です。

ミニーのパレードも、先ほどのハーモニー•イン•カラーを鑑賞したところが空いていたため、再びそちらにサウナマットをひいて待つことにしました。

待っている間、女性のキャストさんが話しかけてくれます。「子供限定の参加のパレードを行う準備をしているので、参加してみませんか」と息子と娘を誘ってくれました。

ちょうどトゥモローランドテラスの近くからスタートして、サウナマットで場所取りした前を通過、トゥーンタウン入り口まで、ハーモニー•イン•カラーのミュージックが鳴るカートに続いて、40周年のフラッグを振りながら行進をするというものでした。場所取りは一人でいなければならないので自分がその場で場所取りしながらスマホ撮影する作戦で、妻と娘息子の3人でパレードに参加しに行きました。ハーモニー•イン•カラーの音が鳴り始めて行進をみていると、娘は満面の笑み、息子は緊張で顔が死んでいました。後で聞くと、パレードを見にきたのに、なんで自分がやっているのかと口にしたそうです。そりゃそうだ。とはいえ、そんな様子でも動画で収めることができたので、良い記念になりました。パレードが終了すると、声をかけてくださったキャストさんから、お礼にということでフラッグを持って家族で写真を撮ってくれて、さらに、もう一つ、キャストさんも身につけている40周年をお祝いするドリームガーランドシールを娘と息子にくれました。

特にマイナスのイメージがつきまとう病院のような場所では、このような「愛着」「エンゲージメント」を積極的に作りにいく施策というのが、重要なのかもしれません。もちろん、アウトカム(病気が治る、症状が良くなるなど)も重要ですが、それと同等、もしくはそれ以上に「共感して、良くしてくれた」という体験が必要です。ディズニーにおいては、「一緒にお祝いしよう」という共感と共に、かわいいガーランドシールのようなグッズで愛着やエンゲージメントを形成しようとしているのだと思います。

ちょうど、DPAで取得した美女と野獣の時間になったので向かいます。晴れている時よりも、雨の野獣のお城は、さらに雰囲気が増します。

雨の中の野獣のお城

今回で2回目の体験でしたが、ストーリーの中に没頭させる技術と、音楽との一体感は非常に素晴らしく、娘も感動していました。

ここから、次の40周年記念パスで取得したモンスターズインクまで時間があるので、中央のワールドバザールに戻り、おみやげめぐりを始めます。以前のディズニーリゾートでは、夕方から夜になると、大きな袋を抱える方がたくさんいましたが、最近ではアプリから選択して家に届けてくれるので、非常に助かります。助かる一方、物理的な持ち帰りの制限がなくなるので、出費が心配になります。ディズニーリゾートのショップの役割は、買い物というよりかは、ウィンドウショッピングに徹して物を吟味するコレクションルームへと変化しています。アウトカムをオンラインにすることで、オフラインの役割が変わる…というのは今後病院でも起こりうるなと思います。

息子はポップコーンを食いまくって、この時点で3バケット目という異常な量のポップコーンを食べ歩いています。クリームブリュレ味のチュロスは、外はサクサク、中はトロリとしており、異常なおいしさです。シーでもランドでも家族みんなで食べましたが、恐らく地獄のようにカロリーが高いと思われ、怖くて調べることはできていません。

モンスターズインクはいつも通り私たちを迎えてくれます。事前予習したyoutubeだか、TikTokだかに得点を競うわけでもなく、ただ懐中電灯でヘルメットを照らすだけだから一番つまらないアトラクションと評されていました。しかし、得点を競うことが目的であれば、ディズニーに来る理由はありません。競技的なスポーツをやればいいのです。前後の文脈を理解してこそ、ディズニーランドの楽しみは生きてくるのだと思います。

モンスターズインクが終わりお土産屋さんを通ると、マイクが光に映し出される提灯がそれなりの値段で待ち受けています。息子はまんまとその餌食になり、親も共に餌食にさせられます。「これ買って!」を拒否すればイヤイヤ攻撃が待っていることを考えて、いたしかたなくその提灯を購入しました。やはり世界観を味わった後に、そのアトラクションに関連するお土産屋さんを配置したり、そこを通らないと外に出れない配置にして、お土産の購入率をあげるという策はさすがです。大人でも欲しくなりますもん。

息子の戦利品から出る怪しい光

エレクトリカルパレードは悪天候で中止となりましたが、かわりのナイトフォール•グロウがあるということで、再び場所取りをしていたところで、さきほどの羽生さんが現れ「あっ、お昼のパレードいかがでしたか?」と声をかけていただきます。多くのゲストがいる中で、顔を覚えていてくれたのか!と妻とともに顔を見合わせます。先ほど教えていただいた場所がものすごく良かったことを伝えると、ニコッと笑い「良かったです!」の一言。今回のパレードについても、この方向から鑑賞すると、お城と一緒に観る事ができるのでとても良いと思います!と的確なアドバイスをしていただけました。

このように情報を知っているというだけでなく、その情報を欲しがっていることを気づいて、的確に、穏やかにその情報を伝えられる人というのは強いし、そういう人が集まる組織も、また強いと思います。

雨の日限定のパレードは、長年ディズニーに通う妻もはじめてみるパレードで感動していました。残念な雨の日でも特別感を演出するというのは良い手法です。「できない、やらない」ではなく、「できない、やらない。でも、こうする」という代替案がセットで実行したり提案できると、医療者同士のスタッフにおいても、患者さんに対してでも、満足感を落としたり、嫌な想いをさせることなく、むしろ良い印象を与えることができるのだと学びがあります。

パレード待ちで撮ったシンデレラ城

最後にイッツ•ア•スモールワールドに乗車します。だいたい終盤の夜、疲れがピークに達した頃に乗ることが多いため、穏やかな音楽と川の流れの振動が心地よく眠くなり、いつも夢心地です。そんな自分の横では子供が目をキラキラさせて「小さな世界」を口ずさんでいる様子をスマホに収めて胸いっぱい大満足です。

ここで娘と息子の体力も限界に近いていることから、小雨が降っている中を歩いて帰ることにしました。以前のだっこ地獄が酷かったときと比べれば、娘も息子も体力がついていてほぼ一人で歩ききりました。雨の中、よく頑張って歩いてくれました。

帰りはボン•ヴォヤージュに寄って、最後のお土産巡りをしてネット注文するものを決めて、再びスパアンドホテルユーラシア舞浜のバスに乗ります。途中で見える舞浜駅から出発している現実の満員電車は見えないことにします。舞浜駅周辺の現実と非現実の境目感はすごいですね。

ホテルにつくとまず風呂です。といっても昨日温泉がぬるいことは把握済みなので、今日はシャワーのみ浴びてサウナで温まることにします。

妻、娘、息子を待たせるわけにはいかないので、翌日の朝サウナの下見だけすることにします。サウナは3種あって、昨日は100度のサウナのみ入ったので、80度のサウナに入ってみると、これがすばらしい。温度はそんなに高くないので息苦しくはないのですが、ケロ材の香りと雰囲気が最高です。低い天井に、あまり明るくない室内、何よりテレビがなく本当に静かです。ドアについている窓しかないので、居心地が良いのです。100℃のほうに集まっていて人がいないことも良かったです。温度が高くないのですぐに発汗はしないのですが、じわっとくる湿度がある蒸し暑さで汗が次第に滴ります。

水風呂はそこまで18℃くらいと冷たくは無いのですが、立って入る深さがあり非常に楽に入る事ができます。

短時間だったので整うまではいかないのですが、30分で3クールほどで体が温まり、翌朝の下見もできて良い時間でした。

帰りにシーフードヌードルと明太子おにぎり、ビール、ハイボールを購入して、昨日と同じく子供が寝静まるまで待って奥さんと遅い夕食夜食をとります。

明日は帰るだけですが、だけと言っても一番大事な運転が控えているので早めに就寝することとしました。

day 3

翌朝も曇り、小雨がぱらついています。結局この旅行で東京もとい千葉の青空を拝むことはできませんでした。

6時に起床して朝サウナに行きます。驚いたのは人の多さです。ここのホテルは宿泊しないお客さんも日帰り入浴できるため、年齢が高めの方々がご自宅から通っているのではと想像します。

ケロサウナは相変わらず人が少なく、リラックスさせていただきました。しかし、あまり長湯してだるくなって帰りの道中で居眠りをしたら命がありませんので、浅めに楽しみ早めに上がりました。準備を済ませ、10時にチェックアウトしました。

帰りの首都高では、またも自分が判断を誤ったおかげで反対方面に入ってしまうというハプニングもありましたが、なんとか迂回して中央道に入ります。中央道に入るとそこは雪。小淵沢付近で冬タイヤ規制による渋滞が発生したり、世間は三連休初日ということもあり昼食を食べるために寄った談合坂SAはごった返していて、結局露天で焼きそばやたこ焼きを購入して車の中で昼食をとることになるなど、色々とうまくいかない旅路ではありましたが、なんとか無事に帰宅。疲れ果てて倒れ込むように昼寝しました。


以上が2泊3日、冬、雨、ディズニーの旅でした。

子供たちとディズニーを楽しむ方法に結論が出た

今回の旅で、子どもたちとディズニーを楽しむ方法にひとつの結論が出ました。

今回周辺都県立高校の試験日であったことで、雨であったのに関わらずあまりに人が多い状況でした。しかし、人数制限の枠におそらく達していなかったと思われるので、今後さらに人が多くなる可能性があるということです。ファンタジースプリングスの開業後はさらに人が多くなると思われます。友人同士、カップルなどであれば、それでも全然良いと思います。待ち時間も思い出です。しかし、子供を含む家族には過酷な環境であると感じました。特に子供は待っていられないですからね。せっかくのディズニーをイライラの思い出で終わらせるにはもったいない。

ということで、それに対する対策は、お金と時間に余裕を持たせることです。インパークも10時くらいにのんびり入って、昼食夕食はホテルでとって、乗りたいものはDPAでするっと入って、移動はお散歩程度にして…というように感性をフル稼働させてディズニーランドの雰囲気だけを楽しむみたいな方法が一番いいのだと思います。我が家の袖には余裕はありませんが、結局お金という元も子もない結論ではあります。

でも、子どもが成長していくにつれて体力も増し、やっと手がかからなくなって存分にディズニーを楽しめるようになったと思ったら束の間、その時は親よりも友人・恋人とディズニーに行くことになるのです。ということは、子供と一緒の思い出をつくるタイミングは限られた期間なのだから、金はかかるが無い袖も振れるときに振っておこうということをインパーク中常に思っていました。

ここからは医療・サービスの質向上に携わる私から見たディズニーに対する最終的な所感、学びでございますので、ここまでも面白いと思われた方、わたしの学びを見たいという奇特な方は、ぜひご覧ください。

ミッションがあって、はじめて標準化、効率化が活きる

改めてテーマパークに来られる方々は、当たり前ですが様々な人種(国家だけでなく、様々な人という意味で)のるつぼであると思います。年代も違えば、収入レベル、住んでいる場所、家族構成、障がいの有無、考え方が様々な中で、効率的に捌き切るというキャストの凄さを感じます。それができるのもキャストの方々に行動規準が根付いているからだと思います。

https://www.olc.co.jp/ja/sustainability/social/safety/scse.html

安全が前提、そして礼儀正しさがあり、ショー(夢)をみせ、効率的に運営していく、そして根底には様々な意見、多様性を尊重していくという規準です。

業務や品質改善をしている身からすると、ミッキーのグリーティングで感じた標準的なマニュアルと現場の改善、徹底により効率を求めてアウトカムを確実に得られる状態にするための完璧な捌きが目につきます。しかし、だからと言って作業感を感じさせなかったのは、作業効率化の目的や前提が、礼儀正しく他人を尊重して、Showや夢を見せて楽しませよう!というホスピタリティがあるからでしょう。つまり、ホスピタリティを生み出すためには、キャストの誰がやっても同じレベルのアウトカム(限られた時間内にミッキーに会っていただき写真を撮るということ)を得させる標準化が徹底されていることだけでなく、その仕事をなぜやるのかという目的や動機(ミッション)がまず必要なのだということを肌感で理解しました。となると、各々のキャストが「ゲストに楽しんでほしい」というそもそものディズニーの存在意義、目的に共感して、自分の想いをそこに追加していくオリジナリティ、個別性が出せる状況(想いへの共感、そして安全性・効率化・標準化)を作り出せるようにしていくことが重要であり、それこそがマネージャーや経営層の役割でしょう。

病院も学生アルバイトを雇ってみたい

また、ディズニーランドのキャストの9割は、アルバイトだと聞きます。病院も学生バイトを雇っても良いのではないかと思いました。もちろん、ちゃんと教育することは必要です。しかし、病院という場所を専門職しか入ることができない閉鎖的な空間にしていては、おそらく労働力の減少で崩壊してしまう可能性が高いと思います。

また、門戸を開いて知って働いてみて、良かったら資格をとって戻って来れるような環境を整えることも、また重要なのではと思います。

「できない」ではなく「できない。けど、こうしよう!」

ディズニーリゾートは屋外にあるテーマパークなので、パレードやアトラクションの運行可否は、天候に左右されます。今回のように雨でいくつかのパレードやアトラクションは運行されませんでしたが、「できない」ではなくて、「できない、だけどこうしよう!」がしっかりと用意されていたことは、病院もTTP(徹底的にパクる。リクルート用語です)できる内容であったと思います。特に病院は禁止事項で溢れています。動けない、会えない、歩けない…そんな中でもこれはできる、やれる、を用意しておくことで患者さんの不安不満は軽減できるかもしれません。

総じて雨という散々な結果でしたが、雨だからこそ経験できることがあって、ディズニーランドの顧客経験は良かったです。病院で活かせる学びも得られて、充実した社会見学でありました。

ディズニーに負けずに自分の持ち場で粛々と顧客、患者さんのために努力していきたいと思います。

余談ですが、ファンタジースプリングス開園前後は鬼のように混雑すると思っていて、しばらくは行けないな…と静観しようと思っているのですが、娘だけでなく息子もディズニーのyoutubeを観ながら「次いつ行くの?」と洗脳が完了したので言っているので、リピートは漏れなくすると思われます。その時は、また旅行記を書ければと思います。

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