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例えばTシャツ、例えばカラオケの選曲

例えばメタリカ。例えばKISS。ACDC。
モトリー・クルーも見かけたことがある。
嬉しくなる。
え?  何が?  他人のTシャツの話。
すれ違う見知らぬ人のそれ。電車内で向かい合わせた人のそれ。
嬉しくなる。

バンドだけじゃなく。
アニメTシャツ遭遇率も高い。
アニメは詳しくないからよくわからないのだが。
UNIQLOのTシャツは質感やデザインですぐわかる。

自分の所属する団体の、ってのも多いなあ。
ダンス、体操、フィットネス、太鼓教室、居酒屋、などなど、などなど。
コンビニなどで居酒屋Tシャツを着た人を見かけたりする。
足りない物の買い出しかなあ。牛乳とか買ってるよなあ。

メタリカとかを含むロックンロールな柄を着ているのは、
必ずしもオッサンだったり兄ちゃんねえちゃんだったりだけじゃない。
時に「大阪のオカン」的な人が着ていたりするのを見る。
「オカンが俺の高校ジャージ着てるねん!」とかネタにしてた漫才師、誰だったっけ。

滲む気がする。言葉も交わしてもいないけれど、街角で見かけると。
人生のカケラみたいなもの、好きなもの、暮らしぶり、主張したいこと、豊かにしていること。
それぞれパーセンテージは大小さまざまだろうし、勿論、それだけで人生は図れない。とは、承知の上。

でもでも、なにかに一瞬だけだけど、触れたような気がしないでもなく、ふふふ、となる。

意識してじゃなく自然となったなっているそれ。
「これ見て!」「すごいでしょ、おもしろいでしょ?!」な自我・自意識が滲みすぎるものだと、私的には「ああ、うん」となりがちだけど。
いや、ダメなんじゃなく、「うん」なんだけど。コアチョコのんとかさ。でもその自我・自意識も過剰な滲みなんやなあ。

そんな私は、歩いていて、スナックやラウンジから漏れ聴こえてくるカラオケの歌声も好き。
プチ絶対音感(?)なので、音痴(が、ほとんど)な歌声は正直辛い。

でもでも、顔も見えない知らないその人の「選曲」がいい。

五木と木の実ナナの『居酒屋』が聴こえてきたら、ははは。
調子っぱずれな宇崎竜童の『身も心も』が耳に入って来たのは笑ろた。
桑田佳祐の『祭りのあと』も。ああ、これ、オッサン好きよなあ。酔えるんやろなあ。
へったくそな『天城越え』を聴いたのは一度どころじゃない。
あとは? GLAY、ミスチル、うんうん、ふふふ。

滲む人生、皆主役。
それぞれ、皆の、物語。
日々まいにちがstageですよ。

と、先日、こんなんに遭遇して。ね。

写真は意味なくも秋味、秋やねえ(笑)


■omake■
人のカラオケの選曲がほんまにツボってるらしい、私は。
これまでふっるい時代から何回書いてるんや、と、今、自分で検索してみて笑いました。

(でも、自分で言うのも何やが、ええ話(かも)やで。笑)

◆◆◆
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大阪の物書き、中村桃子です。 
構成作家/ライター/コラム・エッセイ/大衆芸能(旅芝居(大衆演劇)やストリップ)や大衆文化を追っています。
普段はラジオ番組の構成や資料やCM書きや、各種文章やキャッチコピーやら雑文業やらやってます。
現在、lifeworkたる原稿企画2本を進め中です。
舞台、演劇、古典芸能好き、からの、下町・大衆文化好き。酒場好き。いや、劇場が好き。人間に興味が尽きません。

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