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新クラスメートにまだまだ会えない!?令和2年の学生さん


「新型ウイルスへの対応で入学式を形式的に済ませた」とか「始業式は校庭で行いすぐ解散」と言ったニュースに触れながら、その背景に全く想像力が働いていなかった事に、先日気づいた。

それは、学生の皆さんが新クラスメートときちんと顔合わせをしていない、という事実だ。

ドラムロールが鳴り止まない。

学生さん方にとっては「新しいクラスメートの発表ですっ!」というMCのがなりの後に「ダンッ!」と云う締めに至らないドラムロールが「ダダダダダダダ」と例年より1か月は長く続くという状態だ。

少なくとも学生時代の私には、春休みのたびに、通奏低音のようなドラムロールが聞こえていた。新しいクラスへの、期待と不安のドラミングだ。


そう思うと、ゴールデンウィーク明けに本格始業、或いはそれも更に更に延期の可能性あり、という状況では、新学年の新クラスに対する期待も不安もマヒしてしまいそうだ。

学校が再開しているかどうかはだいぶ地域差などもあるようだから、例年通りに4月上旬から通学している生徒たちも少なくないだろうし、遠隔授業が取り入れられて、モニタ越しに初顔合わせを済ませている学校もあるかも知れない。
けれど、まだ新同級生とまともに会っていない、という方が一番面白いかも知れない。おぎやはぎの言う通りに。

おぎやはぎ曰く「むしろいい時間だと思ってね」

そもそも(今の学生たちは新同級生になってからのクラスメートと顔合わせができてない)と知ったのは、聞いていたラジオを通じてだった。

TBSラジオの『おぎやはぎのメガネびいき』という番組に、16歳の男子高校生リスナーがメールを送ってきたのだ。

「僕みたいなくそメンは女子を見るだけで幸せになれます。休校が憎いです」

それを読んだ小木さん矢作さんが「そうかあ、それは早く会いたいねぇ」と肯定的に受け、続けて

「マスクしてるとまた可愛く見えるからねぇ」
「今はまだワクワクする時間と思ってさ」
「長きゃ長いほど楽しいよぉ」
「むしろいい時間だと思ってね」
「将来的にはすごくいいエピソードになるよ」
「いざ、入学となったらみんなテンションあがって一気に仲良くなれんじゃない?」

と、この稀な体験を大事に味わいな、というリアクションを返したのだった。

卑しさや醜さを強さや美しさと同等に笑うおぎやはぎの公正さが、私は日頃から好きなのだが、このくだりにも二人の良さがよくにじんでいた。

そして同時に、学生さん方の現状にも初めて思い至ったのだった。

この喪中を「むしろいい時間」にする気概。

おぎやはぎ的に言えば「いまの学生たちや新社会人は、これまでの先輩たちも味わって来なかったいびつさを味わっているけど、それは稀な体験として大事に味わいな」ということだ。

そして言うまでもなく、学生や新社会人に限らない全人類が、日々新しいフェイズに直面しているのだ。

だからこの自粛という喪中のうちにも、私もできる限り準備を進めたい。
喪が明けた時、深く傷ついた社会の力に少しでもなれるように、自粛生活のなかで錬磨したい。

「むしろいい時間だと思って」

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