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読書『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』

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『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』
福井県立図書館/編著,講談社

内容

福井県立図書館がレファレンスサービスの認知向上のため、レファレンスを受けた時に利用者さんが覚え違いをしていたタイトルを集めて紹介した本である。
レファレンスサービスとは、利用者さんが調べたいことを図書館員に相談し、図書館員が調査することだ。簡単なものだと「あの本ありますか?」というのが多数。難しいものだと「〇〇の名前の由来を調べたい」などその場では返答できず調査に数日いただく時もある。
この本は前者に該当する。「あのタイトルなんだっけ?たしかこんな感じのタイトルなんだけど」といった時に聞かれたことを集めている。

実はわたしもライブラリアンなので

タイトルにもなっている『100万回死んだねこ』というのは、正しくは『100万回生きたねこ』(佐野洋子/作・絵,講談社)という絵本である。
覚え違いのタイトルを見て、次のページに正しいタイトルが記載されているつくりになっている。そのため、間違っているタイトルを見て「一体これは何の本なんだ?」と想像しながらページをめくるのがおもしろい。
イラストもかわいらしくて、軽くクスッと笑いながら軽く読める。どこから読んでもよいし、ぜひ読書初心者の方にもおすすめしたい。
またいろんなジャンルや年代の本を紹介しているので、知らない本を知ることができる。そこで紹介された本を読んでみようと思うのも一つ。

そして何より福井県立図書館さんが目的としているレファレンスサービスを知ってもらえるきっかけになっていると思う。

実は、わたしは図書館で司書として働いている。
図書館員は読んで共感しかない。大抵は助詞を抜いて、ひらがな検索などをすればヒットする。しかし「こういう内容なんだけど…」というレファレンスもある。そこからの謎解きは非常に困難なこともあるので、よく正しいタイトルにたどり着いたなあ!と感心して読んだ。

司書といってもまだ2年目の新米ちゃんなので、レファレンス経験は多くない。もちろん簡単なものは毎日受けるが、難しいレファレンスはベテランさんにまわる。
ベテランさんを見ていても感じるのだが、司書は調べる方法をどれだけ知っているかが重要だ。なぜなら、全ジャンルを置いている図書館のすべてに精通していることはかなりの年月を要するし、日々新しい情報を増えていく現代において不可能に近い。しかし、答えにたどり着くために多くのツールを持っている。例えば、あらゆる分野の辞典やインターネット上の検索データベースなどが存在する。他にも専門家や団体につなぐネットワークも持っている。図書館員それぞれに得意な分野もある。
また自由な発想や広い視野も大切。狭い視点だと見えなくなることもある。別の視点から探した方が見つかることもあるのだ。

この本をおすすめしたい人

  • 図書館に縁がない人

  • 図書館が好きな人

  • レファレンスサービスって何?って人

  • いろんな本にチャレンジしたい人

  • 読書にチャレンジしたい人

気軽に手に取ってほしい。たくさんの人に図書館を活用してほしいと思う。
わたしは、図書館は自分のマイ本棚だ!くらいに思っている。
インターネットもあるから図書館不要説もあるけど、図書館の強味は古い情報に詳しいことと、出典が確かであることが売りだと思っている。レファレンスで難しいものはだいたいその売りを求めて来館してくる人たちばかりだ。
まあ、ただただ癒されに来るもよし。本に囲まれたい人が来るもよし。
自由に使っておくんなまし~

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