うちの爺さんの好きなもの
それは「ティッシュ」である。

うちの爺さんは鼻炎もちだ。
そのため、365日鼻かみティッシュが欠かせない。
笑ったり、話に夢中になって長話をすると「爺さん、鼻水が垂れてるよ」と家族に指摘を受けポケットからティッシュを取り出して鼻をかむ。

そんな手放すことの出来ない相棒のティッシュ。
街中でティッシュが配られていたらもちろん、もらうことは爺さんにとってマストである。

我が家で大掃除をしていたある日、
普段あまり開けない爺さんの部屋の押入れを整理していると奥から衣装ケースが。

なにか白いものがいっぱい入っている…
もしや…
そう、ポケットティッシュである。

衣装ケースの中身は街中で配られたポケットティッシュでいっぱいだったのだ。

ポケットティッシュに入っている宣伝のチラシに歴史を感じる。
一体いつから集めてここに溜め込んでいたのだろう。
うちは、ポケットティッシュを配る側なのでは？と錯覚してしまうぐらいのポケットティッシュの量。よくもまあ、こんな量を集めたものだ。

「こんなの溜め込んで！！当分、ポケットティッシュも箱ティッシュも買わない！」と
婆さんに爺さんは怒られ家族全員で細々とポケットティッシュを消費して行ったのだった。