人生初バズりを堪能し、食べた。
ホームベーカリーで食パンを焼いた。
食パンを焼いた、と思っていた。
実はこの食パンは、夕食のトンカツを揚げるためにミキサーで砕いて生パン粉にしようと思っていたものだった。
内釜に材料を入れ、焼き上がり予約時間を設定して、時間になったらピーピーと焼き上がりお知らせ音が鳴った。
そして意気揚々と蓋を開けたところ、生地のまま底に沈んで固まっていた。
・・・?
一瞬何がどうなっているのか理解できないまま5秒ほど経った。
そしてじんわり思い出した・・・
イースト入れた記憶ねぇな・・・
とにかくこのまま放置しても神様は膨らませてくれないだろうし、取り出すことにした。
ずっっっしりした熱々の塊がドゴンと出てきた。
内釜の羽根を外すためにとりあえず半分に切った。
重い。すっげー重い。そして硬い。包丁がミチミチと入る感触。
タダでは起き上がらないためにこれをツイートしたところ、キキの魔法によりバズってしまった。
写真にも写っているスライスしたものをかじってみた。
うん、まぁ、小麦粉とバターと牛乳と砂糖と塩、おかしなものは入っていないので、食べられなくはない。
が、美味しくもない。
火は通っている感じがするが、粉っぽい。
うーん・・・諦める・・・か・・・?
続々と来る、知らない人からのリプライでダントツ多かったのが、
「私もやったことあります」「ホームベーカリーあるあるですよね」
というもの。そうなの、自分で捏ねて焼く人は、一次発酵で膨れないから気付くんだけど。こっちは全自動でセッティングしちゃってるから、忘れると最後まで気付かない。
そして読んでいて判明したのが、なかなかどうして「これ、私好きです。」「わざわざ作ることあります。」「これ美味しいですよね。」というコメントがけっこう来ること。
味覚、好みはまぁ個人のものなので何とも言えないが、わざわざ作るのはどうだろう・・・? じゃぁ団子かすいとんでよくない・・・?
そして諦めかけている私に続々届く、『どうにかして食べる方法案』。
みんな・・・真面目やな・・・
というワケで今回は、
『バズりのその後 ~いろいろやって食べてみた~』
自分のミスでこうしてしまった以上は自分で食べきる、というのが先人たちの努力なようなので、私も頑張って食べきる方向で試行錯誤していきます。
先人たちがどうやって食べたのかをいろいろリプライくださったので、片っ端から試してみることに。
① レンジでチンして柔らかくする。
確かに焼き上がりたてのときは食べれなくはなかったので、そこに戻す感じで温めます。
うちのレンジはなぜかやる気満々の1000wなので、とりあえず30秒。
温かくてモチっとした食感に。
うすーいお団子、ちょっとういろうっぽい?みたいな感じですが、不思議なぐらい味は食パン!! いやまぁ食パンの材料しか入ってないんだからそりゃそうなんですけど。
しかし、しょっぱい!こんなに塩感じるの!?こんなに塩入ってるぅ!?っていうぐらいしっかり塩味を感じる。
食パン・・・塩糖脂の宝庫かよ・・・
② トースターで焼く。
膨らまなかっただけで中身は食パンなんだから、同じように食パンとして扱ってあげましょうよ派の皆さんはスライスしてトースターで焼くらしい。
周囲こんがり、中心もっちりで仕上がりました。
あーこれはパンだ!さっきよりもパンに近づいた!
半分食べたところでバターを塗ってみたんですが、より一層パンの味に。
なんかパンの味の外国のお菓子を食べてるみたいな感覚。
③ 茹でる。
簡単に言うと、すいとんみたいな感じにするということです。
戦時中感。
たぶん10分ちょい茹でました。 きしめんとかフェットチーネ茹でるぐらいの時間かなと思いまして。
ぺろーん てろーん とした感じに。
食べた1発目の感想は「あー、"ひもかわ" だコレ。」
ひもかわほど薄くてちゅるんとしてるわけじゃないのでもっちもちしてますが、完全にうどんの味。茹でるだけでこんなにも急にパンからうどんに変わるか。小麦粉の変わり身能力よ。
④ 揚げる。
とにかくカリカリになるまで揚げることで、おかきみたいにならないかなという希望的観測。
5分ぐらいガッチガチに揚げ上がったものを端っこだけかじってみたところ、脳内が小学生ぐらいにタイムスリップした。
これあれだ、おかきじゃない。醤油じゃない。砂糖だ。
完っっ全に、食パンの耳を揚げて砂糖をまぶす、あのカロリー爆弾の味。
正直に言います。
ダントツでこれが美味しかった。
カロリーさえ気にしなくてよければ、残り全部これで食べたい。
最適解出ました。ありがとうございました。
しかし、カロリーが最適でない以上、これは却下なのです。
で、実は1発目、①レンチン の時に、失敗したんです。我が家の暴力的なワット数のせいで。それがこちら。
しすぎたね。
チンしすぎ。オーバーチン。チントゥーマッチ。
しかしこれがカリカリのサクサクで香ばしい。
1回目は「ヤバい!焦げてる!」と思って慌ててドアオープンしたんですが、2回目からはちょうどこれぐらいになるまでジーーーーーっと目視で確認して、今!!っていうときに開けるという作業。
昔の『稼働中の電子レンジの中を覗いたらメガ悪くなる』みたいな時代にはできなかった調理法。(※あの説に根拠はないそうです。)
そういえば『揚げない唐揚げ』とか『揚げないポテチ』とか、レンチンで作るレシピ山ほどありますもんね。それのノンイーストパンバージョンです。
ちなみにこのノンイーストパンですが、数件のリプライで「キリストのパンですね」と言われました。聖書に出てくるそうです。長期保存がきくパンとしてキリストが持ち歩いていたとかなんとかの。
ぉぅ・・・ナチュラルボーンキリストパンじゃんあたし・・・
そんなわけで、カロリーと味と手間の総合得点で、『揚げないレンチンノンイースト食パン』が優勝となりました。 ご清聴ありがとうございました。
【追伸】まだやっぱり『わざわざ作る』の気持ちはわからないままです。
いつかここの文章をまとめて同人誌にしたいという夢があります。