生まれ変わっても私を愛して

人生は後悔しながら歩くもの。
後悔も失敗も、それこそなんの悩みもなく生きていけたら幸せなのかもしれないけれど、それらがあるからこそ、道は拓けるし、自分の感じた世界を美しいと思う心が育つ気がする。

「たられば」を考えるのは、好きじゃなかった。
「たられば」は、私の場合、どうしても後悔した過去から抜け出せずに苦しんでいるときに考えることだった。

あのとき、素直に気持ちを伝えられていたら。
少なくてもその先、ふたりの関係は少しだけ変わっていたかもしれない。

あのとき、もっと頑張っていたら。
少なくても今より、後悔は小さかったかもしれない。

そんな風にずっと、「たられば」に苦しんできた。だから好きになれなかった。悩んできた道を否定することも、認めてあげることもできずに、その気持ちに蓋をして逃げ出そうとしてた。

だけど、真剣に悩むから道は拓ける。
真剣に考えるから、明けた朝の景色を美しいと感じる。
夜は永遠に続かないし、雨も必ず止む。
それを、自然の力とは無関係に、私たちは私たち自分自身で決めることができる。

後悔は、未来へ続く道だ。だけど、どんなに嘆いても、その道をなかったことにはできない。
だったら、その「たられば」を、私はこれからの選択肢に向けたい。これから歩いていく道に迷ったとき、「こっちを選んだら、どうなるだろう」とか、「そっちを選んだら、そうなるだろ」とか、未来の自分へとバトンを繋ぎたい。

その選んだ道に、もしいつか後悔してしまうときがきたとしても、真剣に悩んで出した答えなら、「あのときこうしていればよかった」という後悔よりも、「次はこうしよう」という挑戦の気持ちが生まれるはずだ。

限られた時間。
その時間を巻き戻すことは、誰にもできない。
自分ができることは、立ち止まるか、前に進むかだけ。
立ち止まっていても、確実に時間は過ぎていくから、だったら未来の自分へバトンを繋ぐための道を歩いていきたい。
最期にたった「一瞬」が足りなくて後悔したりしないように。

私は、生まれ変わっても私になりたい。
もう一度自分を百瀬七海と名付けて、言葉を綴っていきたい。
書くことが好きで、悩み葛藤しながら言葉を紡ぎ出す。きっと私は、最期の一瞬まで百瀬七海でいる。また生まれ変わる私を愛せるように。


2020.11.24

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#名付け親企画

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