この想いに名前はない

文章を書けるときがあるように、書けないときがある。
読めるときがあるように、読めないときがある。
そして、同じ文章を読んでも、響くときと響かないときがある。

noteを始めて、たくさんの私設賞に参加する機会があった。
その中には、優劣をつけるという意味ではないものの、企画者が選んだものに賞を贈る、というものもあった。
私もいくつか、そのような私設賞に参加したこともあるし、今は選ぶ側として参加している企画もある。

優劣をつけるわけではなく、主催者本人が好みで選ぶ賞は、基準がその本人だ。
好みの文章だったり、そうではない文章だったり、それはいろいろあるだろうけれど、心に響くものって、その選ぶ人の心の状況にもよるだろう。

苦しい恋をしているとき、幸せな恋の詩よりも、自分の立場に寄り添ってくれるような切ない詩の方がささる人もいるだろう。
でもその恋が実って、たくさんの幸せを感じてる日々には、幸せな恋の歌を読みたいと思ってしまうし、共感もできるだろう。

感情は、変わるもの。
不変のものではないのだ。

書くことを続けてきた。
書けないと投げ出したこともあった。
それでも、書くことを諦めきれなかった。
そしてまた書くことを続けている。

どんなに大切な人への想いを綴っても、今綴る「好き」と、1ヶ月後に綴る「好き」は、同じように見えて違う感情なのだ。
大切に大切に温めた想いは、いつか諦められないくらい心を占領してしまうだろう。

「好き」という直接的な言葉以外に、想いを描き続けたかった。
「好き」という言葉だけでは、伝わらない気がしたから。
その想いを別の言葉に変えて、大切な人への想いを綴っていきたいと思っている。

私が書くものには、どれもがたったひとりの君に捧ぐ物語が存在する。
今日はその想いを、届けたい人のために書いている。

なにかを伝え続けるのって、簡単にできることじゃない。
言葉にできない想いもあるだろう。
でもその心の根底にあるのはきっと、たったひとつの想いだけだ。
あなたを大切に想う気持ち。

ありがとう。

日々感じる想いを否定しない。
どんな想いだって、それはたったひとりの君に捧ぐ想いだから。

「好き」という言葉の代わりに、「ありがとう」を残しておく。
あなたに出逢えてよかった。
出逢ってくれて、ありがとう。

大切な人へのこの想いを、私はこの先も完全に言語化することはできないだろう。
言葉だけでは伝えきれない想いは、きっとこの先も私の心の中に存在し続ける。
あなたのためだけに咲く、花のように。
名前のない花に、名前のない感情を注ぐ。


こちらの企画に参加しています。

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2020.6.8

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いつか自分の書いたものを、本にするのが夢です。その夢を叶えるために、サポートを循環したり、大切な人に会いに行く交通費にさせていただきます。