Concentration
集中すればするほど、この神経が衰弱していくのは、それほど僕が君と向き合う時間をナーバスなものにしているからだと思う。
頭の中で自動的に記憶されていく数々の君の残像を、僕は都合よく解釈しないように、出来るだけ正確に。
君の引く手札と同じカードを自分は一体どこまで記憶することが出来るのか。
何度目かの失敗でゲームオーバーを迎える、その前に、僕はすべてを記憶する。
正解が、いつも君の気分次第で変わるのはもう把握してるから。
僕に出来ることはゲームの続行、これだけであるし、君がこの席を離れてもう2度と戻らないのならば、このカードはすべて燃やしてしまおう。
僕にとっては、君がすべてだから。
そのために僕はなんでもできるし、なんにでもなれる。最初からこのゲームは衰弱していく神経を麻痺させなければ続行は不可能だと、それは君が教えてくれた唯一のルールだった。
これは、君と僕の世界のゲーム。
君と僕だけのゲーム。
あかりが消えていく中で、君は沈黙をはじめるだろう。でも僕には見える。それほど、この集中し続けた記憶のカードたちを誇りに思うよ。
これは僕自身のゲームでもあるから。
そして、伏せられたこのカードたちは、そのすべてが真っ白であることを君に悟られないように。ゲームをしていることすら君に悟られないように。いつだって君の引くカードは、僕の作り上げた幻想であると君に知られないように。
これは、神経が衰弱しきった僕が、君と出来る唯一のゲームだから。
君という、もう一人の自分との。
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