柚月しずく

もの書き。漫画原作執筆してます。 受賞歴はリットリンクに記載。 スターツ出版文庫様より…

柚月しずく

もの書き。漫画原作執筆してます。 受賞歴はリットリンクに記載。 スターツ出版文庫様より「5分後に涙」アンソロジーに書籍収録(2024.3.28発売)

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【漫画原作部門応募作品】殺して欲しいので結婚しましょう 第三話

第三話 今すぐ私を殺しても、保険金が下りないことが分かった私達は、お互いの目的のために3ヶ月間の結婚生活をする事になった。 ■場所(影山渉の部屋) 結婚生活開始5分で、私は窮地に立たされている。不安で心が押しつぶされそうだ。 椿〈どうしよう。思わず口を滑らせて料理出来ると言ってしまったけど、本当は料理なんて出来ない〉 ホームレスになりたくなくて『和洋中なんでも作れます』と思わず言ってしまったのだ。 椿「さっきの話は口約束ですけど、契約と考えて良いでしょうか?」

    • 【漫画原作部門応募作品】殺して欲しいので結婚しましょう 第二話

      この先に待ち受けるのは ———『死』のはずだった 第二話 ■場所(お客さんのいない喫茶店) 交渉成立した私達は今後について話合いをすることになった。場所を移動して、殺し屋さんがよく利用するという喫茶店で話をすることになった。 他にお客さんはおらず、店内は少し薄暗かった。 奥にはキッチンスペースとカウンターがあり、テーブル席は手前に2席しかなく、こじんまりとしている印象だ。 椿「……とりあえず、今から籍だけ入れてきます?」 渉「ゴッフォッ。ゴッ。ゴホッ」 注文した

      • 【漫画原作部門応募作品】殺して欲しいので結婚しましょう 第一話

        ———私の結婚 それは、殺し屋に殺してもらうためだった 【登場人物】 ▶︎ 白石 椿 大学生3年生 20歳 女性 父親が白石ホールディングス社長で贅沢な暮らしをして甘やかされて大切に育てられた。世間知らずのお嬢様。十分な仕送りをしてもらい、一人暮らしをしていた。 ▶︎ 影山 渉 腕利きの殺し屋 28歳 身長178cm 細身の体型をしている。 重めの前髪のせいで目が隠れていて表情が読み取りにくい。人並みの感情は持ち合わせていない。 影山の心にあるのは【食う・寝る・殺す

        • 【漫画原作部門応募作品】私の兵隊くん 第三話

          第三話 ■場所(自宅・キッチン) まだ外は薄暗い。眠たい目を擦りながら盛大なあくびが出る。時刻は6時前、キッチンで朝食を作っていた。 朝の日課は5時半に鳴るアラームを、鳴り響く前に1秒で瞬時に止めるところから始まる。 隣で寝ている透さんを起こさないためだ。 1秒でも遅れると、透さんの睡眠の妨げになるので、瞬時にアラームを止めれるように私の眠りはいつも浅い。 これが私にとっての日常なので、この生活が異常ということに気付いていない。 朝ご飯は和食派なので、ご飯を炊き、

        【漫画原作部門応募作品】殺して欲しいので結婚しましょう 第三話

          【漫画原作部門応募作品】私の兵隊くん 第二話

          第二話 ■場所(マンション通路・自宅玄関前) 美琴〈隣に住む大学生に声を掛けられて、いくら歳が離れているとはいえ、男性の家に1人で上がり込むなんて……ダメだよね〉 美琴〈でも、寒くてこの場には居たくない〉 躊躇したが、寒さで凍え切った体が思考を停止させた。そして、気付けばお隣さんの部屋でコーヒーを淹れてもらっていた。 ■場所(七瀬恭介宅) 恭介「インスタントなんで、味の保証はないっすけど」 ゴトンっとぶっきらぼうに置かれたコップにはブラックコーヒーが淹れられてい

          【漫画原作部門応募作品】私の兵隊くん 第二話

          【漫画原作部門応募作品】私の兵隊くん 第一話

          ◼️登場人物 天音 美琴 女性 専業主婦 29歳 派遣社員として勤めていた会社で現在の夫(天音 透)と出会い結婚する。妊活に専念することを理由に退社する。 黒髪セミロングで細身の体型をしている。 派遣社員の自分がエリートの透と結婚したことにどこか引け目を感じている。 ■天音 透 主人公の夫 男性 エリート会社員 32歳 黒髪で短髪。清潔感がある。外面が良いので美琴の親や友人は、透のことを優しくて真面目だと思っている。 裕福な家庭に育ち、父親が亭主関白でその姿を見て育ったの

          【漫画原作部門応募作品】私の兵隊くん 第一話

          【漫画原作部門応募作品】番犬として飼った彼は、オオカミでした 第三話

          ○真央の部屋(朝) カーテン越しから朝日の光が差し込む。部屋がほんのり明るく照らされる中、スマホのアラーム音が鳴る。 〜♬ 私は朝に弱い。非遮光カーテンにして光を通すようにして、明るさで朝の訪れに気付くようにしている。それでもなかなか起きられないので、スマホのアラームは必須だ。 真央「うーん」 まだ開かない重い瞼を擦りながら、スマホのアラームを止めるために手を伸ばす。 真央(なんか、いつもより布団があったかい……) 布団の温もりが恋しくて、また潜り込む。また夢の

          【漫画原作部門応募作品】番犬として飼った彼は、オオカミでした 第三話

          【漫画原作部門応募作品】番犬として飼った彼は、オオカミでした 第二話

          ○真央の家・リビング(夜) 玲央と話し合いの末、リビングに戻ってきた。お父さんの説得が出来ないことには、何も始まらない。 真央「お父さん、私、海外に行きたくない。 今の学校辞めたくないし、しっかり卒業もしたい。玲央に番犬として一緒に住んでもらうなら、ここに残ってもいい?」 お父さんの目を真っ直ぐ見て、今の気持ちを精一杯伝えた。 真央(絶対に、日本に残りたい) 父「……真央。しかし、やっぱり……」 母「いいわよ!条件として、勉強をしっかりすること。玲央君、真央に勉強

          【漫画原作部門応募作品】番犬として飼った彼は、オオカミでした 第二話

          【漫画原作部門応募作品】番犬として飼った彼は、オオカミでした 第一話

          【登場人物】 月島真央(17) 女性 高校ニ年生 片思いをしていた爽太先輩と付き合うことになった矢先に、父の海外転勤が決定する。 日本を離れたくない真央は一人で日本に残ることを祈願する。 天海玲央(17) 男性 高校ニ年生 真央の幼馴染。 真央と同じマンションに住んでいてお隣さん。 小さいころから家族ぐるみで仲良し。 父はシングルファザーで、出張も多く家に一人でいることが多い。 成宮爽太(18)高校三年生 真央の先輩。 真央と付き合い出した。 付き合いたての二人はまだ

          【漫画原作部門応募作品】番犬として飼った彼は、オオカミでした 第一話