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点と線

だいぶ前に読んだエッセイに「友達は点と点」といった内容のものがあって、とても印象に残っている。

詳細は忘れたが、「友達とは状態ではなく、質のことを指している」といった趣旨だったと思う。

若い頃、たとえば学校の同じクラスの友達とは、いつも一緒にいたいし、何から何まで相手のことを知りたい。他の子と話してたら、その内容も気になる。この関係は、言ってみれば「線」でつながっているようなもの。

歳を重ねると、自分と同じように、相手にも生活や仕事や付き合い、生きてきた軌跡があることがわかるようになる。友達でもなかなか会えなかったり、(時には遠慮して)連絡を取らなかったりすることもある。

それでも、友達は友達。「線」のように毎日つながっていなくても、質の高い「点」同士で十分なのだ。

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自分のことに置き換えて考えてみる。

友達と会うときは、目の前にいるその人に集中する。普段、お互いにどういうふうに過ごしているかを知らなくても、2人の関係に変わりはない。それは決して、つながっていないのではなく、むしろ友達が持っている他の「線」を、時間も空間も超えてまるごと引き受けるようなものなのだ、と思う。

友達が少ない私にとって、その関係は熟成されたワインのように贅沢なものだ。

飲み過ぎに注意しなくちゃね。

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